エステ機器の選び方と回収計算|購入・リース・中古の判断基準
最終更新: 2026年7月28日
Summary
機器は導入後に「使っていない」と気づいても戻せません。カタログを見る前に出す2つの数字、月の施術回数の控えめな見積もり方、購入とリースと割賦の違い、中古の確認事項を整理します。
エステの機器は、1台で数十万円から数百万円になります。しかも導入した後で「思ったより使わない」と気づいても、売却先が限られ、リース契約なら途中でやめられません。
判断を誤りやすいのは、機器の性能ではなく、その機器で何回施術できるかを見積もらないまま決めてしまうからです。

導入前に出す2つの数字
機器の検討は、カタログを見る前に数字から始めてください。
第一に、その機器を使うメニューの想定単価と所要時間です。1回いくらで、何分かかるか。
第二に、月に何回施術できるかです。既存のお客様のうち何人が使いそうか、新規でどれくらい増えそうか。ここは希望的観測ではなく、控えめに見積もります。
この2つから、月の売上見込みが出ます。そこから機器の費用を回収するのに何か月かかるかを計算してください。
たとえば、150万円の機器で、1回15,000円のメニューを月20回提供する場合。月の売上は30万円ですが、ここから薬剤やジェルの原価、施術に使う時間の人件費を引く必要があります。原価と人件費で仮に半分とすれば、月15万円が機器の回収に回せる額です。150万円を15万円で割ると10か月になります。
| 見積もる項目 | 例 |
|---|---|
| メニュー単価 | 15,000円 |
| 月の施術回数 | 20回 |
| 月の売上 | 300,000円 |
| 原価と人件費 | 150,000円 |
| 回収に回せる額 | 150,000円 |
| 機器の価格 | 1,500,000円 |
| 回収までの期間 | 10か月 |
この計算をせずに導入すると、「売れると思ったのに使っていない」という状態になります。
月の施術回数を控えめに見積もる
回収計算でいちばん狂いやすいのが、月の施術回数です。
見積もり方の目安を挙げます。
既存のお客様に聞いてください。導入前に「こういうメニューがあったら受けたいか」を実際に聞き、興味を示した人数を数えます。この人数を上回る想定は置かないでください。
新規での集客は、最初の3か月は数に入れないでください。メニューを作っても、告知が届いて予約に変わるまでには時間がかかります。
施術できる時間の上限も確認します。1回90分の施術を月20回やるには、30時間が必要です。既存のメニューで枠が埋まっているなら、その時間はどこから捻出するのかを考えてください。

購入とリースの違い
支払い方は、大きく3つあります。
一括購入は、初期の出費が最大ですが、支払総額は最も少なくなります。資金に余裕があり、長く使う見込みが立っているならこれが素直です。
リースは、初期の出費を抑えられます。一方、支払総額は購入より大きくなり、原則として中途解約ができません。契約期間の途中でやめたい場合、残りの期間分の支払いが必要になることが一般的です。
割賦は、購入の分割払いです。所有権が留保される形が多く、支払い終了後に自分のものになります。
| 一括購入 | リース | 割賦 | |
|---|---|---|---|
| 初期の出費 | 大きい | 小さい | 小さい |
| 支払総額 | 最も少ない | 大きい | 中間 |
| 中途解約 | 該当なし | 原則できない | 契約による |
| 所有権 | 自分 | リース会社 | 支払後に自分 |
| 会計処理 | 資産計上と減価償却 | 契約内容による | 資産計上と減価償却 |
会計上の扱いは契約の内容によって変わります。リースでも資産として計上する場合があるため、契約前に税理士に確認してください。
判断の目安としては、その機器を5年以上使う確信があるなら購入、試してみたい段階ならリース、という考え方があります。ただしリースは途中でやめられないため、「試す」目的には向かない面もあります。
機器を増やす前に手技を見直す
機器の導入を検討する動機は、たいてい「客単価を上げたい」か「他店と差をつけたい」のどちらかです。しかし、その目的は機器なしでも達成できる場合があります。
確認してほしいのは次の3点です。
いまのメニューの所要時間と単価が釣り合っているか。90分で8,000円のメニューがあるなら、時間あたりの単価は5,333円です。機器を入れる前に、この構成そのものを見直す余地があるかもしれません。
カウンセリングに時間をかけられているか。同じ施術でも、事前の説明と事後のアドバイスがあるかどうかで満足度は変わります。ここは費用をかけずに改善できます。
既存のお客様が何を求めているか把握しているか。要望を聞かずに機器を選ぶと、需要のないメニューができあがります。
これらを見直したうえで、なお必要だと判断したなら導入してください。順序を逆にすると、機器を入れても稼働しないという結果になりがちです。
中古機器という選択肢
初期費用を抑える方法として中古があります。ただし確認すべき点が多くあります。
メーカーの保守を受けられるかを最初に確認してください。中古で購入した個体は保守の対象外とするメーカーがあります。故障したときに修理できない機器は、事故が起きたときの説明も難しくなります。
消耗品が入手できるかも確認します。生産が終了した機種は、交換部品や専用のジェルが手に入らなくなることがあります。
使用時間や施術回数の履歴を確認できるかも見てください。機種によっては積算の記録が残ります。
前の所有者が誰かも重要です。個人からの譲渡は、保証も履歴も不明なことが多くなります。
安く手に入っても、使えない期間が生じれば結果的に高くつきます。中古を選ぶなら、保守が受けられることを条件にしてください。
見積もりを取るときに聞くこと
複数の業者から見積もりを取る際、価格だけを比べると判断を誤ります。次の項目を揃えて聞いてください。
| 聞くこと | なぜ聞くか |
|---|---|
| 本体価格と、それに含まれるもの | 設置費や初期の消耗品が別なことがある |
| 保証の期間と範囲 | 何が対象外かで実質の負担が変わる |
| 保守の費用と対応の速さ | 故障時に何日止まるかが売上に直結する |
| 消耗品の単価と最低発注量 | ここが利益を左右する |
| 使い方の講習の有無と費用 | 使えなければ導入した意味がない |
| 中古で売る場合の相場 | 手放すときの回収額 |
このうち消耗品の単価は、見落とすと後で効いてきます。本体が安くても、専用のジェルやカートリッジが高ければ、1回あたりの原価が上がります。
1回の施術で消耗品がいくらかかるかを必ず確認し、先ほどの回収計算に反映してください。本体価格の差より、消耗品の差のほうが総額に効くことがあります。
保守については、故障したときに何日で対応してもらえるかを確認します。1週間止まれば、その間の予約はすべて振り替えになります。代替機の貸し出しがあるかも聞いてください。
展示会やデモで確認すること
現物を見る機会があれば、カタログでは分からない点を確認してください。
操作のしやすさを見ます。設定の切り替えが分かりにくい機器は、施術中の負担になります。スタッフがいる場合、その人でも扱えるかを考えてください。
音と振動を確認します。施術中に音が大きいと、リラックスを求める業態では逆効果になります。
大きさと重さも重要です。設置場所に収まるか、移動させる必要があるならその重さを扱えるか。個室が狭いサロンでは、置いた後に動線が塞がることがあります。
準備と片付けにかかる時間も見てください。ジェルの塗布と拭き取りが必要な機器は、施術時間の前後にその時間が必要です。これを枠に含めないと予約が押します。
デモで施術を受けられるなら、自分で受けてみてください。お客様がどう感じるかは、受けてみないと分かりません。
導入したら、使う理由を作る
機器は導入しただけでは使われません。次の3つを同時に用意してください。
メニューとして掲載することです。ホームページと予約画面に、そのメニューが選べる形で載っていなければ、お客様は存在を知りません。
所要時間を枠として設定することです。90分かかる施術を60分の枠で受けると、必ず押します。
説明する言葉を決めることです。どういう方に向いているか、何回くらいで様子を見るか。これを決めていないと、カウンセリングで勧められません。
なお、説明の言葉には注意が必要です。効果を断定する表現、医療行為と誤認させる表現は使えません。薬機法と景品表示法の観点から、表現は事前に整理してください。医師でなければできない行為に当たらないかも確認が必要です。
資金の出どころを先に決める
機器の導入は、まとまった支出です。どこから出すかを決めずに契約すると、運転資金を削ることになります。
選択肢は3つあります。
手元の資金から出す場合、運転資金として残しておくべき額を先に確保してください。目安として、月の固定費の3か月分程度は手をつけずに残す考え方があります。
融資を受ける場合、設備資金として申し込みます。運転資金より条件が有利になることがあり、機器の見積書が必要になります。日本政策金融公庫や信用保証協会の制度を確認してください。
補助金を使う場合、申請から交付までに時間がかかります。多くの制度では、交付決定の前に契約や発注をすると対象外になります。先に発注してしまうと使えなくなるため、順序に注意してください。
| 資金の出どころ | 注意する点 |
|---|---|
| 手元の資金 | 運転資金を削らない。固定費の3か月分は残す |
| 融資 | 設備資金として申し込む。見積書が必要 |
| 補助金 | 交付決定前の発注は対象外になることが多い |
補助金は「もらえたら使う」という前提で計画すると、不採択のときに詰まります。採択されなくても導入できるかを先に確認してください。
記録と予約に組み込む
機器を使ったメニューは、記録の重みが増します。どの機器で、どの設定で、どの部位に施術したかが残っていないと、異常が出たときに説明できません。

VANNAでは、メニューごとに所要時間を登録するとカレンダー予約で空き枠が自動計算されます。新しいメニューを追加すると、ホームページと予約画面の両方に反映されるため、掲載漏れが起きません。予約は顧客と紐づき、来店ごとの記録が顧客の画面に残ります。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。
機器そのものの稼働管理や、消耗品の在庫管理をする機能はありません。この点は別の方法で管理することになります。
料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。決済を使う場合のStripe決済手数料は店舗負担で別途かかります。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。
導入後に確認すること
導入から3か月後、6か月後に、見積もりと実績を突き合わせてください。
確認するのは3点です。
月の施術回数が見積もりに届いているか。届いていないなら、告知が足りないのか、需要の見積もりが甘かったのかを分けて考えます。
1回あたりの所要時間が想定どおりか。準備と片付けを含めて計測してください。想定より長いなら、枠の設定を直す必要があります。
回収の見通しが変わっていないか。当初10か月の見込みが15か月になっているなら、その理由を確認します。
見積もりから外れること自体は問題ではありません。放置して、次の機器を同じやり方で導入することが問題です。
よくある質問
機器がなくてもエステサロンは開業できますか
できます。手技を中心としたメニューで運営しているサロンもあります。機器は選択肢のひとつで、必須ではありません。まず手技で始め、需要を見てから導入する順序も現実的です。
リースは途中でやめられますか
原則としてできません。中途解約する場合、残りの期間分の支払いが必要になることが一般的です。契約書の解約条項を、契約前に必ず確認してください。
中古の機器はどこで買えますか
専門の販売業者、メーカーの認定中古、個人間の譲渡が主な経路です。保守を受けられるかどうかが最大の確認事項で、これが不明な個体は避けるほうが安全です。
導入した機器の広告表現で気をつけることはありますか
効果を断定する表現、医療行為と誤認させる表現は使えません。機器の名称や技術名をそのまま使う場合も、それが医療機器としての承認を受けたものかどうかで扱いが変わります。表現は事前に整理し、迷うものは使わないでください。
何年で買い替えるべきですか
一律の目安はありません。故障の頻度、消耗品の入手性、メーカーの保守期間で判断してください。保守が終了した機器を使い続けるのは、故障時に対応できないというリスクを抱えることになります。
複数台を同時に導入してもよいですか
勧めません。1台ずつ導入し、回収の見通しが立ってから次を検討してください。同時に導入すると、どちらが売上に貢献しているかが分からなくなります。
出典
本記事は2026年7月時点の一般的な情報の整理であり、会計上の助言や法的助言ではありません。リース契約の会計処理、機器を用いた施術の適法性、広告表現の適否については、税理士・弁護士等の専門家にご確認ください。VANNAの料金・機能・キャンペーン条件は変更される場合があります。



