サロンのトイレ|見る頻度と、置くものを決めておく
公開: 2026年8月27日
Summary
お客様が店の清潔さを判断する場所は、施術スペースではなくトイレです。確認の頻度を時間ではなく人数で決めること、置くもの4つと置かないもの、においの手順、共用や自宅兼用の場合、詰まりや長時間の在室への備えまでを整理します。
「お手洗い、お借りしますね」と言われて、はっとしました。前の方が使われてから、3時間ほど経っています。今日はまだ一度も見ていません。
トイレは、施術の腕とは関係のない場所です。ただ、店の清潔さを判断される場所としては、施術スペースより強く効きます。
そして、この場所は「気づいたときに掃除する」では回りません。気づくのは、たいてい誰かが使った後だからです。
見られている前提で考える
まず、位置づけを確認してください。
お客様は、施術の衛生を直接は確かめられません。器具の消毒も、タオルの洗濯も、見えないところで行われます。
見えるのは、待合と、トイレです。ここが清潔でなければ、見えない部分も同じだろうと受け取られます。
身だしなみと店内の印象の関係はサロンのスタッフの身だしなみで扱っています。自分を整えても、空間が伴わなければ印象は変わりません。
頻度は時間ではなく、人数で決める
「1日2回」では回りません。使われた回数と、時間は比例しないためです。
決め方は、何人使われたら見るか、です。3人に1回、5人に1回。店の規模で変わります。
そして、必ず1日の最初と最後に見てください。開店前は前日の状態、閉店前は翌日の準備になります。
なお、見るのは1分で足ります。掃除ではなく、確認です。汚れていれば直す、なければ次へ。この形なら続きます。
何を置くか
置くものが多いほど、管理も増えます。
必要なのは、手を洗うもの、手を拭くもの、鏡、そして小さなごみ箱です。この4つがあれば足ります。
手を拭くものは、ペーパーかタオルかを決めてください。タオルなら交換の頻度が要り、ペーパーなら補充と在庫が要ります。どちらでも構いませんが、決めていない状態が最も崩れます。
タオルを使う場合、洗濯と枚数の考え方はサロンのタオルとリネンが下敷きになります。
置かないほうがよいもの
こちらのほうが、実は重要です。
自分の私物を置かないでください。歯ブラシ、化粧品、着替え。生活の気配は、それだけで印象を変えます。
大量のストックも置かないでください。予備の紙が積んであると、倉庫に見えます。
強い芳香剤も避けてください。においについては後で述べますが、においを別のにおいで覆う形は、多くの場合うまくいきません。
そして、読み物を置かないでください。長く入る理由を作ることになります。
生理用品を置くかどうか
決めておいてください。決めていないと、聞かれたときに慌てます。
置く場合は、目立たない場所に、少量で構いません。多く置く必要はありません。
置かない場合は、聞かれたときに答えられるようにしてください。近くのコンビニの場所を言えれば足ります。
なお、置くこと自体を告知する必要はありません。必要な方が見つけられれば、それで役割を果たします。
男性のお客様が中心の店でも
同じです。省略しないでください。
清潔さを気にしないと決めつけないでください。言わないだけで、見ています。
そして、ご家族が来られる場面があります。お子さんや配偶者の方が待つ場合、トイレを使われます。
共用のトイレしかない場合
テナントでは、よくあります。ここは工夫が要ります。
まず、自分の店では掃除できない範囲であることを、前提にしてください。管理は建物側です。
そのうえで、気づいた点は管理会社へ伝えてください。伝えた記録を残しておくと、続けて依頼しやすくなります。
お客様には、事前に伝えてください。場所と、鍵の有無と、共用であること。案内の紙を作っておけば、そのつど説明せずに済みます。
そして、施術の前に案内するかどうかを決めてください。長い施術の場合は、始める前に伝えるほうが親切です。
自宅を兼ねている場合
生活の場と重なる分、決めることが増えます。
家族の物を置かないでください。歯ブラシ1本でも、印象が変わります。
営業日は、家族にも使い方を伝えてください。使った後に元の状態へ戻す、という約束が要ります。
そして、生活用と分けられる構造かどうかは、設備の基準にも関わります。考え方はサロンの構造設備の基準で扱っています。判断に迷う場合は、所轄の保健所に確認してください。
においは、消すより出さない
順番を間違えないでください。
まず、換気です。窓か換気扇を、営業中は動かし続けてください。
次に、原因を断つことです。ごみ箱の中身を毎日出す、排水口を定期的に流す。これで大半が変わります。
そのうえで、必要なら弱い香りを足してください。順番が逆になると、混ざったにおいになります。
店全体のにおいの考え方はサロンの匂いと空気で扱っています。トイレは、その中でも原因が特定しやすい場所です。
チェック表を貼る
一人でも、貼ってください。
書くのは、日付、時刻、確認した人。それだけです。汚れの有無を書く必要はありません。
貼る効果は2つあります。抜けが分かることと、見ていることがお客様にも伝わることです。
そして、スタッフがいる場合は、分担を決めてください。「気づいた人が」では、誰もやりません。
なお、掃除の担当を新人だけに固定しないでください。全員が回る形にしてください。
詰まりや故障が起きたとき
必ず、いつか起きます。
まず、使えない状態を放置しないでください。張り紙を1枚作っておくと、その場で貼れます。
次に、連絡先を控えておいてください。管理会社か、水道の業者か。探すところから始めると、時間がかかります。
そして、その日の予約をどうするかを決めてください。長い施術の方がいる場合は、事前に伝える必要があります。
なお、賃貸の場合は修繕の負担がどちらになるかを、契約書で確認してください。
長く入っておられるとき
判断に迷う場面です。
まず、待ってください。急かすことは、しないでください。
ただし、明らかに長い場合は、声をかけてください。「お加減はいかがですか」で足ります。体調が変わっている可能性があります。
そして、返事が無い場合の手順を決めておいてください。誰を呼ぶか、鍵をどうするか。一人の店では、とくに考えておく必要があります。
お客様以外に貸すか
これも、決めておいてください。
近隣の方、配達の方、道を歩いていた方。頼まれることはあります。
貸すと決めるなら、条件を決めてください。営業時間内だけ、施術中でないときだけ。
貸さないと決めるなら、断り方を決めてください。「申し訳ありません、お客様専用とさせていただいています」で足ります。
なお、一度貸すと、次も来られます。人によって変えないでください。
サイトに書いておく
意外と効きます。
トイレの有無は、来店を決める材料になります。長い施術のメニューがあるなら、なおさらです。
書き方は、あるかないか、場所、共用かどうか。この3つで足ります。
案内ページに何を書くかはサロンのサイトのアクセシビリティで扱っています。設備を変えなくても、事前に分かれば準備できます。
施術中の案内
長い施術では、こちらから声をかけてください。
始める前に、一度伝えてください。「途中でお使いになりたいときは、遠慮なくおっしゃってください」。
そして、区切りのよいところで、もう一度聞いてください。自分からは言いにくい方がいます。
なお、薬剤を使っている最中など、離れられない場面があります。その場合は、始める前に伝えてください。
手洗いの動線を見る
トイレの中だけの話ではありません。
出た後に手を拭く場所が無いと、濡れた手のまま歩かれます。床が濡れ、次の方が滑ります。
そして、施術の前に手を洗っていただきたい場合もあります。カラーやパーマの前、食事の後。そのときに使える場所がどこかを、決めておいてください。
なお、施術者が手を洗う場所と同じにすると、混み合います。分けられないなら、順番を決めてください。
冬と夏で変わること
季節によって、必要な手当てが違います。
冬は、寒さです。トイレだけ暖房が無い建物は少なくありません。長い施術の途中で冷えると、体調に影響します。
夏は、においと湿気です。換気の時間を長くし、ごみの回収を増やしてください。同じ運用のままだと、夏だけ苦情が出ます。
そして、季節で変える点は紙に書いておいてください。毎年、同じ時期に同じことを思い出さずに済みます。
お客様からの指摘は、そのまま受ける
言われることは、ほとんどありません。だから、言われたときは重く扱ってください。
その場で言い訳をしないでください。「すぐ確認します」で足ります。
そして、その日のうちに直してください。翌日に回すと、また同じことが起こります。
なお、言ってくださった方に、後から報告する必要はありません。次に来られたときに、状態で伝わります。
掃除の道具をどこに置くか
見落とされがちです。
トイレの中に置くなら、隠せる形にしてください。ブラシが見えていると、それだけで印象が下がります。
外に置くなら、取りに行く時間が要ります。1分で終わる確認が、5分になります。
そして、道具そのものも定期的に替えてください。古いブラシで掃除しても、清潔にはなりません。
| 決めること | 内容 |
|---|---|
| 確認の頻度 | 時間ではなく人数で(3人に1回など)。開店前と閉店前は必ず |
| 置くもの | 手を洗うもの・拭くもの・鏡・小さなごみ箱の4つ |
| 置かないもの | 私物・大量のストック・強い芳香剤・読み物 |
| におい | 換気 → 原因を断つ → 必要なら弱い香り。順番を守る |
| 記録 | 日付・時刻・確認した人。貼っておく |
| 共用の場合 | 管理会社へ伝える。お客様には事前に案内 |
| 外部への貸出 | 貸すか貸さないかを決め、人によって変えない |
今日やる一つ
いまトイレへ行って、お客様の目線で立ってみてください。座った位置から何が見えるか、手を洗うときに何が目に入るか。自分の私物が1つでもあれば、それを外に出すところからです。
よくある質問
掃除の頻度はどのくらいですか
時間ではなく、使われた人数で決めてください。3人に1回、5人に1回のように、店の規模で決めます。あわせて、開店前と閉店前は必ず見てください。見るのは1分で足ります。
何を置けばよいですか
手を洗うもの、手を拭くもの、鏡、小さなごみ箱の4つで足ります。手を拭くものは、ペーパーかタオルかを決めてください。決めていない状態が、いちばん崩れます。
置かないほうがよいものは
自分の私物、大量のストック、強い芳香剤、読み物です。私物は生活の気配を出し、ストックは倉庫に見せ、読み物は長く入る理由を作ります。
生理用品は置くべきですか
決めておいてください。置くなら目立たない場所に少量で構いません。置かない場合は、聞かれたときに近くの店の場所を答えられるようにしてください。告知する必要はありません。
においはどうすればよいですか
換気、原因を断つ、必要なら弱い香りを足す。この順番です。ごみ箱の中身を毎日出し、排水口を定期的に流すだけで大半が変わります。においを別のにおいで覆う形は、多くの場合うまくいきません。
共用のトイレしかありません
掃除できない範囲であることを前提にしたうえで、気づいた点を管理会社へ伝え、その記録を残してください。お客様には、場所・鍵の有無・共用であることを事前に案内してください。
自宅を兼ねている場合は
家族の物を置かないでください。歯ブラシ1本でも印象が変わります。営業日は家族にも使い方を伝えてください。生活用と分けられる構造かどうかは、所轄の保健所に確認してください。
チェック表は一人でも必要ですか
必要です。日付、時刻、確認した人だけで足ります。抜けが分かるほか、見ていることがお客様にも伝わります。スタッフがいる場合は分担を決め、新人だけに固定しないでください。
詰まったらどうしますか
使えない状態を放置せず、張り紙を1枚あらかじめ作っておいてください。連絡先も控えておきます。長い施術の予約がある方には、事前に伝えてください。賃貸なら、修繕の負担を契約書で確認してください。
長く入っておられるときは
まず待ってください。急かさないでください。明らかに長い場合は「お加減はいかがですか」と声をかけます。返事が無い場合に誰を呼ぶか、鍵をどうするかも決めておいてください。
お客様以外に貸してよいですか
決めておいてください。貸すなら条件を決め、貸さないなら「お客様専用とさせていただいています」と答えられるようにします。一度貸すと次も来られるため、人によって変えないでください。
冬と夏で変えることはありますか
冬は寒さです。トイレだけ暖房が無い建物は少なくなく、長い施術の途中で冷えると体調に影響します。夏はにおいと湿気で、換気の時間とごみの回収を増やしてください。変える点は紙に書いておくと、毎年思い出さずに済みます。
お客様に指摘されたら
言われることはほとんどないため、言われたときは重く扱ってください。その場で言い訳をせず「すぐ確認します」と伝え、その日のうちに直します。後から報告する必要はありません。次に来られたときに、状態で伝わります。
サイトに書く必要はありますか
書いてください。トイレの有無は来店を決める材料になります。長い施術のメニューがあるなら、なおさらです。あるかないか、場所、共用かどうかの3つで足ります。



