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理容室・バーバー運営ガイド

刃と血に触れうる器具の衛生|他の美容業と同じ考え方では足りない

公開: 2026年8月6日

Summary

理容固有の衛生を設計します。器具を使い捨てと消毒に分ける起点、血に触れた器具を別扱いにする理由と手順、刃の廃棄に使う容器、続く記録の作り方、消毒済みと未消毒の保管を分ける方法、手指と傷の扱い、立入検査への備え、整える順番を扱います。

保健所の立入で、消毒の方法を聞かれました。「毎回替えています」と答えたのですが、記録は何も残していませんでした。

刃物を使い、血に触れる可能性がある。この2つが揃う業態は限られます。だからこそ、他の美容業と同じ衛生の考え方では足りません。

なお、床の毛髪や店内全般の清掃は床の毛髪と店内衛生で扱っています。この記事は、刃と血に触れうる器具に絞ります。

器具を3つに分ける
器具を3つに分ける

使い捨てにするか、消毒するか

まず、この線を引いてください。器具ごとに、どちらに入るかを決めます。

肌に直接当たる刃は、使い捨てが基本になります。1人ごとに交換し、使い回さないという扱いです。

一方、ハサミやクシ、レザーのホルダーは繰り返し使うため、消毒の対象になります。

つまり、器具を2つに分けるところから始めてください。捨てるものと、消毒して使うもの。この区別が曖昧だと、手順が作れません。

なお、具体的な消毒の方法と必要な設備は、保健所の指導が優先されます。ここは店の判断で決める領域ではないため、開業時と、扱いを変えるときに確認してください。

分類扱い
使い捨て替刃1人ごとに交換。使い回さない
消毒して使うハサミ/クシ/ホルダー手順を決めて、毎回行う
血に触れた場合すべて別扱い。後述

血に触れた器具は別に扱う

ここが、この業態で最も重要な部分になります。通常の消毒とは分けて扱ってください。

出血があった場合、その器具は通常の流れに戻さないでください。他の器具と一緒にすると、どれが該当するか分からなくなるためです。

そのため、置く場所を分けてください。「血に触れたもの」を入れる容器を、1つ用意します。

そして、その日のうちに処理してください。翌日に回すと、たいてい忘れることになります。

処理の方法については、保健所に確認してください。感染症に関わる部分なので、自己判断で決める領域ではありません。

なお、使い捨ての刃であれば、処理はより単純になります。専用の容器に捨てるだけで済みます。

刃の廃棄

捨て方にも決まりがあるため、ここも確認が要ります。

使用済みの刃は、そのまま一般のごみに出せません。刺さる危険があるためです。

そのため、専用の容器を用意してください。密閉できて、貫通しないものが要ります。

そして、満杯になった後の処理方法も決めてください。自治体によって扱いが違うため、事前の確認が必要になります。

なお、容器は施術する場所の近くに置いてください。取りに行く形だと、その辺に一度置く場面が生まれます。刃を裸で置く時間は、短いほど安全です。

血に触れた器具の扱い
血に触れた器具の扱い

記録を残す

やっていても、示せなければ確認のしようがありません。ここは形にしてください。

日ごとに、行ったことにチェックを入れる形で十分です。刃を交換した、器具を消毒した、容器を交換した。この3つ程度なら、1日1分で終わります。

そして、血に触れた場合は個別に記録してください。日付、誰の施術か、どの器具か、どう処理したか。この4つを残します。

細かくしすぎると続きません。件数ごとに書く方式は、忙しい日に飛びます。飛んだ記録は、あることが逆に不利になります。

紙で回すなら、器具を置く場所の近くに挟んでおいてください。書く場所が遠いと、後でまとめて書くようになり、実態と合わなくなります。

保管の場所を分ける

消毒したものと、そうでないものが混ざると、判断できなくなります。

置き場を分けてください。棚を分ける、容器を分ける、色を変える。方法は何でも構いませんが、見た瞬間に分かる形にしておく必要があります。

そして、消毒済みのものは埃の付かない場所に入れてください。出しっぱなしにすると、消毒した意味が薄れます。

なお、使う前に取り出す動線も考えてください。取り出しにくい場所に置くと、そのうち出しっぱなしになります。

交換の頻度を決めておく

使い捨てでないものにも寿命があるため、替える時期を決めてください。

ハサミは研ぎに出す周期を決めてください。切れ味が落ちると、余計な力がかかり、事故に近づきます。

タオルやケープも、傷んだら替えてください。ほつれたものは、見た目でも伝わります。

そして、消毒に使うものの期限も確認してください。開けた日を書いておく形が確実です。

なお、替える判断を後回しにしないでください。「まだ使える」で延ばすほど、限界が見えにくくなります。

手指の扱い

器具だけでは足りず、こちらの手も対象になります。

施術の前後に洗ってください。ここは基本ですが、忙しいと飛ぶ部分でもあります。

そして、自分の手に傷がある場合の扱いを決めてください。血に触れる可能性がある業務なので、傷を覆うか、その日は行わないかの判断が要ります。

手袋を使うかどうかも、決めておいてください。使う場合は、1人ごとに交換することになります。

なお、手荒れがひどい状態は、こちらの側の問題にもなります。対処はサロンワークの体の負担を減らすでも触れています。

整える順番
整える順番

立入検査に備える

いつ来るかは分かりませんが、日常の形がそのまま答えになります。

聞かれるのは、手順と記録です。「どうしていますか」に答えられ、「記録はありますか」に示せる状態を目指してください。

そして、指摘を受けたら直してください。次に同じ指摘を受けないことが、最も確実な対応になるためです。

なお、分からないことはその場で聞いて構いません。検査は取り締まりだけが目的ではないため、確認の機会として使えます。

備えとして、手順を1枚の紙にしておくと確実です。聞かれたときにそれを出せば、説明が早く済みます。

スタッフがいる場合

手順を人に任せると必ず差が出るため、ここは仕組みで揃えてください。

やることを紙にして、順番も書いてください。「消毒する」とだけ書いても、どこをどうするかが人によって変わります。

新しく入った方には、実際にやって見せてください。口で伝えるより速いうえ、認識のずれも起きにくくなります。

そして、責任者が抜き打ちで見てください。見ていないことは、そのうち省かれます。ここは性格の問題ではなく、確認がない作業は落ちるという構造の問題になります。

なお、見るときは責めないでください。できていない箇所を指摘するより、なぜできなかったかを聞くほうが確実に直ります。時間が足りなかったのなら、手順ではなく枠の設計を直すことになります。

決めること内容
器具の分類使い捨て/消毒して使う/血に触れたもの
血に触れた器具別の容器へ。その日のうちに処理。方法は保健所へ確認
刃の廃棄貫通しない密閉容器。満杯後の処理も自治体に確認
記録日ごとに3項目。血に触れた場合は個別に
保管消毒済みと未消毒を見た瞬間に分かる形で
手指前後に洗う/傷がある日の扱いを決める

VANNAでできること

VANNAでは、顧客の記録にその日の施術内容や対応をメモとして残せます。出血があった場合の記録も、来店の履歴と同じ場所に置けます。カレンダー予約はMaxプランの機能で、予約の間隔を設定できるため、片づけの時間を枠として確保できます。

一方で、衛生の記録を管理する機能はありません。紙や別の方法で回すことになります。

料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。

時間をどこから出すか

手順を増やすと、その分の時間が要ります。枠の設計に入れてください。

枠と枠の間に、片づけの時間を確保してください。10分あれば、器具を戻して次の準備までできます。

詰めて入れると、必ずどこかを省くことになります。そして、省く場所はたいてい消毒です。目に見えず、その日は問題が起きないためです。

この10分を惜しむと、1日に1件多く入る代わりに、リスクを抱えることになります。判断の材料は、予約と予約の間の時間をどう使うかで整理しています。

見えることの価値

同じことをしていても、伝わるかどうかで印象が変わります。ここは追加の手間がほとんどかかりません。

刃を替えるところを、見ていただく方法があります。目の前で新しいものを開ければ、声に出さなくても伝わります。

そして、書いておく方法もあります。「刃は1名様ごとに交換しています」と掲示しておけば、聞かれる前に答えたことになります。

ただし、書いた以上は守ってください。掲示と実態が違うと、それ自体が問題になります。

なお、消毒の詳しい方法まで掲示する必要はありません。守っていることを示せば足ります。

お客様側の状態を確認する

器具の話だけでは足りません。相手の状態も、感染の観点では見る必要があります。

問診で聞くのは、施術に関わる範囲だけです。肌の状態、傷の有無、避けたい部位。ここを越えないでください。

そして、感染症について詳しく聞き出そうとしないでください。答える義務はありませんし、聞いても判断に使えません。

代わりに、どの方に対しても同じ手順で行う形にしてください。相手によって扱いを変える前提だと、聞き出す必要が生まれます。

つまり、「誰に対しても同じように安全な手順」が答えになります。これなら、聞かなくても成り立ちます。

費用として見る

衛生にかかる費用は、削れない部分です。ただし把握はしてください。

刃の費用は、件数に比例します。1件あたりいくらかを出しておけば、料金の設計にそのまま使えます。

消毒に使うものや、廃棄の容器も積み上がります。月にいくらになるかを把握しておいてください。

なお、ここを削ると事故に近づきます。削るなら、他の場所を探してください。

手順を作る順番

ここまでの内容を、一度に全部やろうとしないでください。順番があります。

まず、器具を分類してください。これが無いと、他が決まりません。

次に、血に触れた場合の容器を1つ用意してください。ここが最も重要で、しかも今日できます。

そして、記録の紙を1枚作ってください。3項目にチェックを入れるだけの形で構いません。

最後に、保健所へ確認してください。分類の判断がつかないものと、処理の方法。この2点を聞けば足ります。

この順なら、1週間で形になります。全部を完璧にしてから始めようとすると、いつまでも始まりません。

今日やる一つ

いま使っている器具を机に並べて、「使い捨て」と「消毒して使う」に分けてください。どちらとも言えないものが出たら、それが最初に確認する対象です。保健所に電話1本で聞けますし、その場で答えが返ります。

よくある質問

器具はどう分けますか

使い捨て(替刃)、消毒して使うもの(ハサミ・クシ・ホルダー)、血に触れたもの。この3つです。この区別が曖昧だと、手順そのものが作れません。

血に触れた器具はどうしますか

通常の流れに戻さず、専用の容器へ入れてその日のうちに処理してください。他と一緒にすると、どれが該当するか分からなくなります。処理の方法は、感染症に関わるため保健所に確認してください。

使った刃はどう捨てますか

そのまま一般のごみには出せません。密閉できて貫通しない専用の容器を用意し、満杯になった後の処理方法も自治体に確認してください。容器は施術する場所の近くに置いてください。

消毒の具体的な方法は

保健所の指導が優先されます。店の判断で決める領域ではないため、開業時と、扱いを変えるときに確認してください。

記録はどこまで取りますか

日ごとに3項目程度で十分です。細かくすると続きません。ただし、血に触れた場合は個別に記録してください。日付、誰の施術か、どの器具か、どう処理したか。

手に傷がある日は

扱いを先に決めておいてください。血に触れる可能性がある業務なので、傷を覆うか、その日は行わないかの判断が要ります。手袋を使う場合は1人ごとに交換します。

使い捨てでない器具の交換は

ハサミは研ぎに出す周期を決めてください。切れ味が落ちると余計な力がかかり、事故に近づきます。タオルやケープも傷んだら替え、消毒に使うものは開けた日を書いて期限を管理してください。

お客様の感染症を確認しますか

詳しく聞き出そうとしないでください。答える義務はありませんし、聞いても判断に使えません。代わりに、どの方に対しても同じ手順で行う形にしてください。「誰に対しても同じように安全な手順」なら、聞かなくても成り立ちます。

立入検査では何を聞かれますか

手順と記録です。「どうしていますか」に答えられ、「記録はありますか」に示せる状態を目指してください。手順を1枚の紙にしておくと、説明が早く済みます。

どの順で整えますか

器具の分類 → 血に触れた場合の容器を用意 → 記録の紙を1枚作る → 保健所へ確認(分類の判断がつかないものと処理の方法)。この順なら1週間で形になります。全部を完璧にしてから始めようとすると、いつまでも始まりません。

お客様にどう伝えますか

刃を替えるところを見ていただく方法があります。目の前で新しいものを開ければ、声に出さなくても伝わります。掲示する方法もありますが、書いた以上は守ってください。実態と違うと、それ自体が問題になります。