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リスク管理・保険

サロンのクレーム一次対応|謝罪の言葉を分け、記録を残す

最終更新: 2026年7月28日

Summary

申し出を受けた直後の反応が結果を左右します。避けるべき4つの反応、事実と感情の分け方、3種類の謝罪の使い分け、身体に影響が出た場合の手順、書き込みへの対応を整理します。

仕上がりが違う、痛かった、思っていたのと違う。こうした申し出を受けたとき、その場の対応で結果が大きく変わります。

適切に対応すれば、関係が続くことがあります。誤ると、関係が終わるだけでなく、外に広がります。

申し出を受けた直後にやってはいけないことと、事実と感情の分け方
申し出を受けた直後にやってはいけないことと、事実と感情の分け方

最初の30秒で決まる

申し出を受けた直後の反応が、その後を左右します。

やってはいけないことがあります。

言い訳から始めることです。「でも」「ただ」で返すと、聞く気がないと受け取られます。

正しさを主張することです。技術的に正しくても、相手の受け止めは別です。

その場で結論を出すことです。事実を確認せずに謝ったり、否定したりすると、後で撤回できません。

流すことです。「そうですか」と受け流されると、聞いてもらえなかったという不満が残ります。

最初にやるべきことは、聞くことです。何が起きたのか、何を感じたのかを、遮らずに聞いてください。話し終えるまで待つだけで、相手の状態は変わります。

事実と感情を分けて聞く

聞くときに、2つの層があることを意識してください。

事実は、何が起きたかです。いつ、どの施術で、どうなったか。

感情は、それをどう感じたかです。不安、失望、怒り。

対応が必要なのは両方ですが、扱い方が違います。

感情には、まず受け止めを返してください。「ご不安だったと思います」という一言です。これは非を認めることとは違います。

事実は、確認してから対応してください。記録を見る、状態を見る、必要なら時間をもらう。

この2つを混同すると、感情に対して事実で返すことになります。「規約には書いてあります」という返答が典型です。正しくても、その場では機能しません。

謝罪の言葉を分ける

謝罪には種類があります。区別してください。

不快な思いをさせたことへの謝罪は、その場でできます。「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません」。これは非を認める表現ではありません。

過失を認める謝罪は、事実を確認してからにしてください。「こちらの手違いでした」という表現は、責任を認めることになります。

賠償を約束する発言は、その場でしないでください。「治療費はお支払いします」といった発言は、後から範囲を巡って争いになります。

謝罪の言葉を3つに分ける
謝罪の言葉を3つに分ける

区別が難しい場合、次の言い方が安全です。「まず状況を確認させてください。そのうえで、こちらでできることをご案内します」。時間を稼ぎつつ、対応する姿勢は示せます。

記録を取る

対応と並行して、記録を残してください。後から必要になります。

いつ申し出があったか。日時を記録します。

何を言われたか。相手の言葉をそのまま記録します。要約すると、後で意味が変わります。

どの施術についてか。いつの来店の、どのメニューか。

誰が対応したか。複数人で対応した場合、全員を記録します。

何を伝えたか。こちらが返した内容を記録します。約束したことがあれば、その内容と期限も。

記録は、その場か直後に書いてください。時間が経つと曖昧になります。

なお、相手に無断で会話を録音することについては、状況によって扱いが変わります。実施するかどうかは慎重に判断してください。

対応の選択肢を持っておく

何ができるかを、事前に決めておいてください。その場で考えると、判断がぶれます。

やり直しの施術です。無償で再度行う、あるいは修正する。ただし、状態によっては再施術が適切でない場合があります。

返金です。全額か一部か。基準を決めておかないと、人によって対応が変わります。

次回の割引です。関係を続けたい場合に使えます。ただし、これで解決したことにしないでください。

医療機関の受診を勧めることです。身体に影響が出ている場合、店で判断せず、受診を勧めてください。費用の負担については、保険会社に確認してから回答します。

何もしないという選択もあります。申し出の内容が事実と異なる場合、対応しない判断もありえます。ただし、その場合も説明は丁寧に行ってください。

選択肢使う場面
やり直しの施術仕上がりが希望と違う場合
返金再施術が適切でない場合
次回の割引関係を続けたい場合
受診を勧める身体に影響が出ている場合
対応しない事実と異なる場合。説明は丁寧に

身体に影響が出ている場合

肌のトラブル、痛み、体調の変化。これらは他の申し出と扱いが違います。

まず、その場でできる処置をします。薬剤を洗い流す、冷やす。ただし、医療行為にあたることはできません。

次に、医療機関の受診を勧めます。店で「大丈夫です」と判断しないでください。

そのうえで、使用した製品と施術の内容を記録します。何を、どの濃度で、どの部位に、どれくらいの時間。この記録が、医療機関での判断の材料になります。

保険会社に連絡してください。施術者賠償責任保険に加入している場合、事故の発生を報告します。連絡の前に賠償を約束すると、保険の対象外になることがあります。

その後の経過も確認してください。1回で終わらせず、数日後に状態を伺ってください。

身体に影響が出た場合の4手順と、対応の選択肢
身体に影響が出た場合の4手順と、対応の選択肢

その場で解決しない場合

一度の対応で終わらないことがあります。持ち帰る場合の進め方です。

いつまでに返答するかを伝えてください。「確認して連絡します」だけだと、待たされる不安が残ります。「3日以内にご連絡します」と期限を示してください。

連絡の手段を確認してください。電話がよいのか、メッセージがよいのか。相手の都合を聞いてください。

期限を守ってください。守れない場合、その時点で連絡し、理由と新しい期限を伝えます。放置が最も事態を悪化させます。

確認した内容を整理してから連絡してください。記録を見て、事実関係を確定させ、こちらの見解と対応をまとめます。

対応が難しい内容であれば、専門家に相談してから回答してください。判断を誤ると、後で覆せません。

段階やること
その場聞く、受け止める、期限を伝える
持ち帰り記録の確認、事実関係の確定
必要なら専門家や保険会社への相談
期限内見解と対応の連絡

外に広がった場合

インターネット上に書き込まれた場合の対応です。

まず、内容を確認してください。事実に基づくものか、そうでないかで対応が変わります。

事実に基づく指摘なら、改善して、その旨を返信してください。反論すると、見ている人の印象が悪くなります。

事実と異なる場合でも、感情的に反論しないでください。淡々と事実を述べ、それ以上は書き込みの応酬にしないでください。

個人が特定できる情報を返信に書かないでください。「◯月◯日にご来店の」といった記述は、他の閲覧者に個人を推測させます。

削除を求められる場合もありますが、要件は限られます。単に不都合だからという理由では認められません。名誉毀損にあたる可能性がある場合、弁護士に相談してください。

返信は、書き込んだ本人だけでなく、見ている人に向けて書いてください。誠実な対応をしている店だと伝わる内容にすることが目的です。

申し出の種類で対応が変わる

一律の対応にせず、内容によって分けてください。

仕上がりが希望と違う場合です。認識のずれが原因のことが多くあります。何を希望されていたかを確認し、修正できるなら修正します。

技術的な問題がある場合です。明らかな不備なら、やり直しか返金で対応します。

接客に関する場合です。言葉遣い、待ち時間、対応の態度。事実を確認し、該当するなら謝罪して改善します。

料金に関する場合です。説明していなかった追加料金、思っていた金額との差。事前の説明が足りていたかを確認してください。

予約に関する場合です。取れていなかった、時間が違った。記録を確認し、どちらの認識に誤りがあったかを見ます。

身体への影響がある場合です。これは前述のとおり、他と扱いが異なります。

種類主な対応
仕上がりの違い認識のずれを確認し、修正できるなら修正
技術的な不備やり直しか返金
接客事実を確認し、該当するなら謝罪と改善
料金事前の説明が足りていたかを確認
予約記録を確認し、認識の誤りを特定
身体への影響処置、受診の勧め、記録、保険会社への連絡

起きにくくする

対応の話をしてきましたが、起きにくくすることが本筋です。

事前の説明を丁寧にしてください。仕上がりの見通し、感じ方の個人差、施術後の注意点。期待と実際のずれが、申し出の多くの原因です。

写真で確認してください。希望の仕上がりを言葉だけで共有すると、ずれます。

途中で確認してください。施術が進んだ段階で、方向性を確認します。終わってからでは修正が難しくなります。

記録を残してください。前回何をしたか、何を希望されたかが分かっていれば、行き違いが減ります。

VANNAでは、予約が顧客と紐づき、来店ごとの記録が顧客の画面に残ります。前回の施術内容と、そのときのメモを確認できるため、申し出があったときの事実確認にも使えます。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。

苦情の対応を管理する機能はありません。対応の記録は、顧客ごとのメモか別の方法で管理することになります。この点は把握しておいてください。

料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。決済を使う場合のStripe決済手数料は店舗負担で別途かかります。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。

対応した後に振り返る

一件ごとに終わらせず、記録を蓄積してください。

月に一度、その月の申し出を並べてみます。件数が少なければ数分で終わります。

同じ内容が繰り返されていないかを見てください。複数の方から同じ指摘があるなら、店の側に原因があります。

同じメニューで起きていないかを見てください。特定の施術に偏っているなら、その内容か説明を見直します。

同じ時間帯や曜日に偏っていないかを見てください。混雑する時間に集中しているなら、枠の設計に無理があります。

対応にかかった時間も記録してください。件数が少なくても、一件あたりの負担が大きければ、無視できません。

振り返りの目的は、責任の追及ではありません。仕組みで防げるものを見つけることです。個人の注意力に帰着させると、同じことが繰り返されます。

スタッフがいる場合

対応の基準を共有してください。人によって違うと、後で問題になります。

その場で判断してよい範囲を決めてください。少額の返金までは判断してよい、それを超えるならオーナーに確認する、といった形です。

オーナーへの連絡の手順を決めてください。営業時間外に起きた場合、どうするか。

一人で抱えさせないでください。強い口調を受けた場合、精神的な負担が大きくなります。対応後に話を聞く時間を作ってください。

対応した内容を共有してください。同じ方が再来店したとき、何があったかを知らずに接すると、また問題が起きます。

よくある質問

すぐに謝るべきですか

不快な思いをさせたことへの謝罪は、その場でしてください。ただし、過失を認める表現や、賠償を約束する発言は、事実を確認してからにしてください。

返金の基準はどう決めますか

事前に決めておいてください。全額返金する場合、一部を返金する場合、次回の割引で対応する場合。基準がないと、人によって対応が変わり、後で不公平が生じます。

身体に影響が出た場合、費用を負担すべきですか

その場で約束しないでください。まず受診を勧め、保険会社に連絡してください。加入している保険の内容によって、対応できる範囲が変わります。

事実と違う内容を言われた場合はどうしますか

記録を確認したうえで、丁寧に説明してください。感情的に否定すると、こじれます。それでも折り合わない場合、消費生活センターなど第三者の窓口を案内する方法があります。

口コミに書かれた場合、削除を求められますか

要件は限られます。不都合だからという理由では認められません。名誉毀損にあたる可能性がある場合、弁護士に相談してください。まずは誠実な返信で対応するほうが現実的です。

同じ方から繰り返し申し出がある場合は

記録を確認し、内容に一貫性があるかを見てください。改善すべき点があれば直します。一方、要求が過大になる場合、対応の範囲を明確にし、それ以上は応じない判断も必要です。判断に迷う場合は弁護士に相談してください。

その場で解決しない場合、いつまでに返答すべきですか

期限を伝えたうえで、それを守ってください。「3日以内にご連絡します」と示し、守れない場合はその時点で連絡して新しい期限を伝えます。放置が最も事態を悪化させます。

対応の記録は何に使いますか

事実確認の根拠になるほか、月に一度並べて振り返る材料になります。同じ内容が繰り返されていないか、特定のメニューや時間帯に偏っていないか。仕組みで防げるものを見つけるために使ってください。

出典

本記事は2026年7月時点の一般的な情報の整理であり、個別の法的助言ではありません。賠償の範囲、書き込みへの対応、繰り返しの申し出への対応については、弁護士等の専門家にご確認ください。VANNAの料金・機能・キャンペーン条件は変更される場合があります。