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顧客管理・カルテ

顧客台帳を分けて使う|新規・継続・離れかけの3分類と打ち手

公開: 2026年7月28日最終更新: 2026年8月1日

顧客台帳を作ったものの、記録するだけで終わっているサロンは多くあります。名前と来店日が並んでいるだけでは、経営の判断に使えないためです。

台帳が役に立つのは、そこから「誰に何をすべきか」が読み取れるようになってからです。そのために必要なのが、お客様を分けて見ることです。

顧客を新規・継続・離れかけの3つに分ける
顧客を新規・継続・離れかけの3つに分ける

最初は3つに分けるだけでよい

複雑な分類は、続きません。まずは次の3つに、分けてください。

新規は、初めて来店した方。まだ2回目が来ていない状態を、指します。

継続は、2回以上来店していて直近の来店から通常の周期の範囲内にいる方です。

離れかけは、通常の周期を超えて来店がない方。周期の1.5倍を目安にすることで、分かりやすくなります。

分類判定打ち手
新規来店1回のみ2回目につなげる
継続2回以上、周期内関係を保つ
離れかけ周期の1.5倍を超えて来店なし声をかける

通常の周期は、業態で違います。美容室のカットなら1か月半から2か月、ネイルなら3週間から1か月、まつげなら3週間から4週間が目安になります。自店の実績から、平均を出してください。

この3分類だけで、打つべき手が変わります。新規には2回目に来ていただく働きかけ、継続には関係を保つ接点、離れかけには思い出していただく連絡。同じ内容を全員に送っても、効きません。

分けたら人数を数える

分類したら、それぞれ何人いるかを毎月数えてください。人数の推移が、店の状態を表すためです。

新規が増えていて継続が増えていないなら、集客はできているがリピートにつながっていません。原因は施術かカウンセリングか、次回の案内になります。

継続が減って離れかけが増えているなら、既存のお客様が離れています。値上げの直後、担当の変更、競合の出店。こうした外部要因を、確認してください。

新規も継続も横ばいで売上だけ落ちているなら、単価か来店頻度が下がっています。

分類ごとの人数の動きから原因を読む
分類ごとの人数の動きから原因を読む

数え方は、難しくありません。月末に台帳を見て、それぞれの人数を書き留めるだけです。3か月続けることで、傾向が見えます。

ここで大切なのは、人数を「増やす」ことを目的にしないことです。人数はあくまで状態を示す指標であり、打ち手の結果として動くものだからです。

新規から2回目への働きかけ

いちばん効果が大きいのが、新規から2回目への転換です。ここが弱いと、集客にいくらかけても穴の空いたバケツになります。

働きかけの要点は、3つです。

第一に、初回の施術中に次の話をすること。「次はこれくらいの時期に来ていただくと、きれいに保てます」と伝えるだけで、次回の目安が伝わります。

第二に、帰り際に次回の予約を取れる形にすること。その場で取れれば、忘れる余地がありません。取らない方には、いつごろが目安かを紙で渡してください。

第三に、周期を過ぎる前に連絡すること。過ぎてからでは、他店に行った後かもしれないためです。周期の少し手前で連絡することで、選択肢に入れてもらえます。

これらは特別なことではありませんが、決めて実行しているかどうかで差が出ます。誰がいつ何をするかを、手順として決めてください。

離れかけの方への連絡

しばらく来ていない方への連絡は、送り方を誤ると逆効果になります。

避けたい書き方を、挙げます。

一つは、「お久しぶりです。最近お見かけしませんが」といった来ていないことを指摘する文面。責められていると、受け取られます。

二つ目は、割引だけを前面に出す文面。値引きで戻った方は、次も値引きがないと来ません。

そして、全員に同じ文面を送ること。最後に何をされたか、どれくらい空いているかで伝えるべきことは変わります。

一方で有効なのは、来店の記録に触れることです。「前回はこのメニューをお選びいただきました」という一文があるだけで、覚えていてくれたという印象になります。これができるのは、記録が残っている店だけです。

送る頻度も、決めてください。反応がないのに繰り返し送ると、迷惑に受け取られるためです。連絡の回数と間隔を先に決めて、それを超えたら送らない判断も必要になります。

なお販促の内容を含むメールを送る場合、特定電子メール法の観点で事前の同意が必要になることがあります。来店の確認といった取引に付随する連絡とは扱いが異なるため、分けて考えてください。

継続の方に何をするか

3分類の中で打ち手が思いつきにくいのが、継続の方です。順調に来てくださっているため、何もしなくてよいように見えます。

しかし離れかけになってから動くより、継続のうちに手を打つほうが効果的になります。やることを、挙げます。

まず、来店の周期が延びていないか。以前は6週間おきだった方が8週間になっているなら、離れかけの前段階です。この変化に気づくことで、離れてから動くより早く手を打てます。

次に、単価が下がっていないか。以前は追加のメニューを受けていた方が基本だけになっているなら、理由があります。予算の変化かもしれませんし、提案が届いていないのかもしれません。

そして、会話の記録を残すこと。次回の来店時に前回の話へ触れられることで、関係が深まります。これは、値引きより効きます。

最後に、次回の予約をその場で取れているか。継続の方でもその場で取っていない方は、間隔が空きやすくなります。

継続の方に見る点変化があったときの意味
来店周期が延びている離れかけの前段階
単価が下がっている予算の変化か、提案が届いていない
次回予約を取っていない間隔が空きやすい

これらは、記録があってはじめて見えます。感覚では、気づけません。

分類を細かくしすぎない

慣れてくると、分類を増やしたくなります。年間の来店回数、累計の支払額、好みのメニュー。分けようと思えば、いくらでも分けられます。

しかし分類を増やすと、運用が続きません。理由は、2つあります。

第一に、判定に手間がかかること。手作業で分けているなら、分類が増えるほど毎月の作業が増えます。

第二に、打ち手が用意できないこと。10通りに分けても、10通りの違う対応を用意できなければ意味がありません。

ですから分類は、それぞれに違う打ち手があるときだけ増やしてください。打ち手が同じなら、分ける必要はありません。

分類を増やしすぎない理由と必ず残す4項目
分類を増やしすぎない理由と必ず残す4項目

数字を追いすぎない

分類と集計に慣れると、数字を増やしたくなります。しかし見る数字が増えるほど、判断は遅くなります。

見なくてよい数字も、あります。たとえば来店者の年齢層や性別の比率。これらは把握しておく価値はありますが、毎月追っても打ち手は変わりません。半年に一度確認すれば、十分です。

同じく他店との比較も、追いすぎないでください。業界の平均値は参考になりますが、立地も客層も違う店の数字と自店を比べても打ち手は出ないためです。比べるなら、自店の前年同月になります。

追うべきは、打ち手と連動して動く数字です。新規の2回目転換に手を打ったなら、新規から継続へ移った人数。離れかけへの連絡を始めたなら、戻ってきた人数。手を打った結果が表れる数字だけを、見てください。

記録しておくべき項目

分類を機能させるには、最低限の記録が必要になります。次の4つは、必ず残してください。

一つは、来店日。これがないと、周期が計算できません。

二つ目は、受けたメニュー。次回の提案と、離れかけの方への連絡に使います。

三つ目は、担当者。スタッフがいる場合、誰が担当したかで継続率が変わることもあります。

そして、支払額。単価の推移を見るために、必要になります。

これ以外の項目、たとえば会話の内容や好みは、書ける範囲で残せば十分です。全部を書こうとすると、続かないためです。

記録の書き方が人によって違うと、後から使えません。項目を決めて、選択肢がある項目は選択式にしてください。自由記述だけの様式は、書く人によって内容が変わるためです。

紙の台帳から始める場合

デジタルの仕組みがなくても、分類は始められます。紙で運用する場合の方法を、挙げます。

まず、台帳を1冊にまとめてください。予約表とは別に、お客様1人1ページの形にします。ページの上部に名前と連絡先、下に来店の記録を追加していく形です。

来店日は、必ず数字で書きます。「先週」「前回」ではなく、日付です。周期を計算するために、必要になるためです。

分類は、付箋やインデックスで表してください。新規、継続、離れかけを色で分けて、月末に見直して貼り替えます。

月末の作業も、決めておきます。台帳を最初から見て最後の来店日を確認し、分類を更新してください。100人規模なら、30分程度で終わります。

なお紙の限界も、知っておいてください。人数が増えると見返す時間が増えるうえ、集計もできません。200人を超えたあたりから、デジタルへの移行を検討する時期になります。

移行するときは一度に全部を移さず、来店したお客様から順に移す方法が現実的になります。数か月かければ、来店のある方は全員移ります。長く来ていない方は、そもそも移す必要があるかを検討してください。

台帳と予約が別だと分類できない

分類ができるかどうかは、記録の持ち方で決まります。予約はポータルサイト、顧客ノートは紙、売上はレジ。これが分かれていると、来店日とメニューと支払額を突き合わせる作業が毎回発生するためです。

VANNAでは、予約が顧客と紐づき、来店ごとの記録が顧客の画面に残ります。来店日、メニュー、担当、金額が同じ場所に揃うため、誰がいつ何を受けたかを一覧で確認できます。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。さらに誕生日のお客様と、しばらく来店がないお客様への自動配信も用意しています。

一方で任意の条件でお客様を絞り込む機能や、分類ごとに一斉配信する機能はありません。自動配信は、誕生日と休眠の2つが標準です。細かい分類に応じた配信をしたい場合は、CSVで書き出して別の方法で行うことになります。この点は導入前に把握しておいてください。

料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。決済を使う場合のStripe決済手数料は店舗負担で別途かかります。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。

分類を打ち手につなげる月次の流れ

月末にやることを決めておくことで、続きます。1時間も、かかりません。

まず、分類の更新。最後の来店日を見て、継続から離れかけへ移った方を洗い出します。

次に、人数の記録。3分類それぞれの人数を、前月と並べて書いてください。

そのうえで、動きの理由を考えます。離れかけが増えたなら、その方々の共通点を探してください。同じメニュー、同じ担当、同じ時期の来店。共通点があれば、原因の手がかりになります。

そして最後に、今月やることを1つ決めます。全部を同時に改善しようとすると、何も進まないためです。新規の2回目転換を上げる、離れかけの方に連絡する。そうした形で、1つに絞ってください。

翌月の月末には、その1つが効いたかを見ます。効いていれば続けて、効いていなければ別の手を試してください。

この流れを3か月続けることで、自店の傾向がつかめます。数字を見る習慣そのものが、判断の精度を上げます。

個人情報として扱う

顧客台帳は、個人情報です。分類して活用する場合も、次の点は守ってください。

まず、利用目的を明らかにしてください。取得の際に何に使うかを伝えるか、公表しておく必要があります。案内の送付に使うなら、その旨が目的に含まれているかを確認します。

次に、安全に管理すること。誰がアクセスできるか、持ち出しをどう制限するか。スタッフがいる場合、権限の範囲を決めてください。

そして、保管の期間を決めること。何年も来店がない方の情報を持ち続ける理由があるかを考えて、不要になったものは適切に処分します。

なお施術の内容によっては、健康状態に関する情報を扱うこともあります。取り扱いに配慮が必要な情報にあたる可能性があるため、該当性は専門家に確認してください。

よくある質問

顧客が何人になったら分類を始めるべきですか

人数に関係なく、最初から分けて考えてください。30人でも分類はできます。人数が増えてから始めようとすると、過去の記録を遡る作業が発生します。

通常の来店周期はどう出しますか

同じお客様の来店日の間隔を並べ、その平均を取ります。全員分の平均でも構いませんが、メニューによって周期が違うなら、メニューごとに出すほうが正確です。

離れかけの判定は周期の1.5倍でよいですか

目安です。業態と客層で調整してください。周期が短い業態ほど、倍率を大きくしたほうが実態に合うことがあります。実際に連絡してみて、反応を見ながら調整するのが確実です。

手作業で分類するのは大変ではありませんか

分類が3つなら、月末に台帳を見て数えるだけで済みます。負担が大きいと感じるなら、分類を増やしすぎている可能性があります。

連絡しても反応がない方はどうすべきですか

回数と間隔を決め、それを超えたら送らない判断をしてください。反応がないのに送り続けると、迷惑に受け取られます。連絡を止めた方の情報を保持し続ける必要があるかも、あわせて検討してください。

分類の結果をスタッフと共有すべきですか

共有したほうが打ち手が揃います。ただし、顧客情報へのアクセス範囲は決めてください。全員が全顧客の情報を自由に見られる状態は、安全管理の観点で望ましくありません。

出典

本記事は2026年7月時点の一般的な情報の整理であり、個別の法的助言ではありません。個人情報の取り扱い、広告宣伝メールの送信については、個別の事情により判断が変わるため、必要に応じて専門家にご確認ください。VANNAの料金・機能・キャンペーン条件は変更される場合があります。