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顧客管理・カルテ

顧客から情報の開示や削除を求められたら|サロンの対応手順

最終更新: 2026年7月28日

Summary

個人情報を扱う事業者には本人の請求に応じる義務があります。5種類の請求、応じる義務と断れる場合、本人確認から記録までの手順、消去できないものの説明の仕方を整理します。

「私の情報を削除してください」「どんな情報を持っているか教えてください」。こう言われたとき、どう対応しますか。

個人情報を扱う事業者には、本人からの請求に応じる義務があります。頻繁には起きませんが、起きたときに知らないと対応を誤ります。

本人から求められうる5つの請求
本人から求められうる5つの請求

どんな請求があるか

本人から求められうるものを整理します。

保有している情報の開示です。どんな情報を持っているかを本人に示します。

情報の訂正です。内容が事実と違う場合、直すよう求められます。

利用の停止や消去です。目的外に使っている、不正に取得したといった場合に求められます。

第三者への提供の停止です。同意なく他へ渡している場合に求められます。

利用目的の通知です。何のために使っているかを示すよう求められます。

請求の種類内容
開示保有している情報を本人に示す
訂正事実と違う内容を直す
利用停止・消去使うのをやめる、消す
第三者提供の停止他へ渡すのをやめる
利用目的の通知何に使っているかを示す

これらは法律で定められた本人の権利です。「うちは小さい店だから」という理由で応じない扱いはできません。

応じる義務と、断れる場合

すべての請求に無条件で応じるわけではありません。

開示については、本人からの請求であることを確認したうえで応じます。ただし、他人の権利や利益を害するおそれがある場合、業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合など、応じなくてよいとされる例外があります。

消去については、目的外の利用や不正な取得といった事由がある場合に求められます。単に「消してほしい」という理由だけで、必ず消さなければならないわけではありません。

一方で、法令上の義務がなくても、事業として保有する必要がなくなった情報を消すことは可能です。本人の求めに応じて消す判断もありえます。

断る場合、その理由を説明してください。理由を示さずに断ると、納得を得られません。

判断に迷う場合、個人情報保護委員会の相談窓口や専門家に確認してください。誤った対応は、後で問題になります。

対応の手順

請求を受けたときの流れを決めておいてください。

まず、本人であることを確認します。電話やメールだけでは、本人か分かりません。来店時に確認する、本人しか知り得ない情報で照合するといった方法があります。なりすましに応じると、別の問題が生じます。

次に、何を求められているかを確認します。開示なのか、消去なのか。曖昧なまま進めると、対応がずれます。

次に、保有している情報を確認します。どこに、どんな形で残っているか。紙、システム、メールの履歴。分散していると、この作業に時間がかかります。

そのうえで、応じるかどうかを判断します。判断に迷う場合、この時点で専門家に相談してください。

最後に、対応した内容を記録します。いつ、誰から、何を求められ、どう対応したか。

請求を受けたときの5ステップ
請求を受けたときの5ステップ

開示を求められた場合

保有している情報を示す作業になります。

対象を確認してください。氏名、連絡先、来店の履歴、施術の記録、購入の記録。事業として保有しているものが対象です。

形式を決めてください。書面での交付が原則とされていますが、本人が同意すれば他の方法も可能です。

手数料を求めることができる場合があります。実費の範囲で、あらかじめ定めておく方法があります。ただし、高額な設定は請求を妨げるものとして問題になりえます。

期限を意識してください。遅滞なく対応することが求められます。放置は避けてください。

作業を減らすには、情報が1か所にまとまっていることが有効です。分散していると、開示のたびに集める作業が発生します。

消去を求められた場合

慎重な判断が要ります。

まず、消せるかを確認してください。法令で保存が義務づけられているものがあります。帳簿や取引の記録は、一定期間の保存が求められます。

次に、何を消すかを特定してください。すべてを消すのか、一部か。会計の記録に含まれる氏名を消すと、帳簿として成立しなくなる場合があります。

消す場合、復元できない形で行ってください。紙はシュレッダーや溶解、電子データは確実な消去です。ゴミ箱に入れただけでは消したことになりません。

バックアップの扱いも確認してください。本体から消しても、控えに残っていることがあります。

消した後、その旨を本人に伝えてください。対応したことが伝わらないと、再度の請求につながることがあります。

消せない部分がある場合、理由を説明してください。「法令で保存が義務づけられているため、この部分は残ります」という説明が要ります。

情報が漏れた場合

請求とは別に、情報が外部へ漏れた場合の対応も知っておいてください。

紛失や盗難、誤送信、不正なアクセス。これらが起きた場合、本人への通知と、個人情報保護委員会への報告が求められる場合があります。

対象になるかは、漏れた情報の内容と件数によって判断が変わります。要配慮個人情報が含まれる場合、不正な目的による可能性がある場合など、報告が必要とされる類型があります。

起きたときの初動は次のとおりです。まず、被害の拡大を防ぎます。次に、何がどれだけ漏れたかを確認します。そのうえで、報告と通知の要否を判断します。

判断に迷う場合、速やかに専門家か個人情報保護委員会に相談してください。時間が経つほど対応が難しくなります。

起きにくくする対策も挙げます。紙の持ち出しを制限する、メールの宛先を送信前に確認する、端末にパスワードをかける、共有のパスワードを定期的に変える。

これらは特別なことではありませんが、決めていないと守られません。スタッフがいる場合は、あわせて共有してください。

起きにくくする

請求そのものを防ぐことはできませんが、原因を減らすことはできます。

利用目的を明示してください。何のために情報を取得するかを、取得の時点で伝えるか公表します。「予約の管理と、施術に関するご連絡のため」といった形です。

目的外に使わないでください。予約のために取得した連絡先を、宣伝に使う。ここで問題が生じます。

宣伝の配信には同意を得てください。取引に付随する連絡と、広告宣伝では扱いが違います。

保管の期間を決めてください。長く来店のない方の情報を、いつまでも持ち続ける理由があるかを考えてください。

アクセスできる人を限定してください。スタッフ全員が全情報を見られる状態は、安全管理の観点で望ましくありません。

請求を減らす平時の対応と、手順の準備
請求を減らす平時の対応と、手順の準備

何を保有しているかを把握する

請求に備える前提として、自店が何を持っているかを整理してください。

取得している項目を書き出します。氏名、連絡先、住所、生年月日、来店の履歴、施術の内容、支払いの記録、写真、問診の内容。

保管している場所を書き出します。紙のカルテ、予約システム、会計ソフト、メール、メッセージのやり取り、写真を保存した端末。

取得の経路も確認してください。予約時に入力されたもの、来店時に書いていただいたもの、施術中に聞いたもの。

このうち、事業として必要ないものがないかを見てください。何となく聞いている項目、使っていない情報。取得しなければ、管理する負担も生じません。

写真の扱いは見落とされがちです。施術の記録として撮った写真、SNSに使う写真。端末に残ったままになっていないかを確認してください。

一覧を作っておくと、請求を受けたときの確認が早くなります。年に一度、内容を見直してください。

確認すること
取得している項目氏名、連絡先、来店履歴、施術内容、写真
保管している場所紙、システム、会計ソフト、メール、端末
取得の経路予約時、来店時、施術中
不要なもの使っていない項目は取得しない

情報が1か所にあるかを確認する

請求への対応で最も時間がかかるのは、情報を集める作業です。

紙のカルテ、予約表、レジの記録、メールの履歴、SNSのメッセージ。これらに分散していると、すべてを確認する必要があります。

VANNAでは、予約が顧客と紐づき、来店ごとの記録が顧客の画面にまとまります。誰の情報がどこにあるかが明確なため、確認の作業が短くなります。データはCSVで書き出せます。管理画面に入るユーザーはプランごとに上限があり、Proは2名、Max以上はより多くの人数を登録できます。

開示の書面を自動で作成する機能や、消去の請求を管理する機能はありません。対応そのものは自分で行うことになります。この点は把握しておいてください。

料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。決済を使う場合のStripe決済手数料は店舗負担で別途かかります。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。

請求の背景を考える

請求が来る場面には、いくつかの型があります。背景が分かると、対応も変わります。

来店をやめる方からの請求です。もう通わないので情報を消してほしい、という趣旨です。この場合、消せる範囲で応じるのが自然です。

宣伝が届くことへの不満からの請求です。配信を止めれば解決することがあります。まず何に困っているかを聞いてください。

情報の扱いへの不安からの請求です。どう管理しているかを説明すると、納得されることがあります。開示に至らず終わる場合もあります。

トラブルの一環としての請求です。施術やサービスへの不満が背景にある場合、情報の問題とは別に対応が要ります。

いずれの場合も、まず何を求めているのかを聞いてください。「削除してください」の背後に、別の要望があることがあります。

ただし、背景がどうであれ、法律上の請求として扱う必要があります。事情を聞いたうえで応じないという判断はできません。

手順を用意しておく

年に一度あるかどうかの対応ですが、手順があると迷いません。

請求を受け付ける窓口を決めてください。誰が受けるか、どこに連絡してもらうか。

本人確認の方法を決めてください。何をもって本人と判断するか。

対応の期限の目安を決めてください。何日以内に回答するか。

判断に迷ったときの相談先を決めてください。専門家か、個人情報保護委員会の窓口か。

記録の様式を決めてください。1件ごとに、日付、内容、対応を残します。

これらを1枚にまとめ、すぐ出せる場所に置いてください。請求は予告なく来ます。作るのは一度きりで済み、更新も年に一度で足ります。

よくある質問

小さな店でも応じる義務がありますか

個人情報を取り扱う事業者には、規模にかかわらず義務が生じます。「小さいから対象外」という扱いはありません。

本人確認はどうしますか

電話やメールだけで応じないでください。来店時に確認する、本人しか知り得ない情報で照合するといった方法があります。なりすましに応じると、別の問題が生じます。

「すべて消してほしい」と言われたら

法令で保存が義務づけられているものは残ります。帳簿や取引の記録が該当します。消せる部分と消せない部分を分け、消せない理由を説明してください。

手数料を取れますか

開示の請求について、実費の範囲で手数料を定めることができる場合があります。ただし高額な設定は、請求を妨げるものとして問題になりえます。あらかじめ定めて公表してください。

対応にどれくらいの期限がありますか

遅滞なく対応することが求められます。日数が明確に決まっているわけではありませんが、放置は避けてください。すぐに回答できない場合、いつまでに対応するかを伝えてください。

判断に迷う場合はどこに相談しますか

個人情報保護委員会に相談の窓口があります。弁護士に確認する方法もあります。誤った対応は後で問題になるため、迷ったまま進めないでください。

情報が漏れた場合はどうしますか

まず被害の拡大を防ぎ、何がどれだけ漏れたかを確認してください。内容と件数によっては、本人への通知と個人情報保護委員会への報告が求められる場合があります。判断に迷う場合、速やかに相談してください。

何を保有しているか把握できていません

取得している項目、保管している場所、取得の経路を一覧にしてください。写真は見落とされがちです。使っていない項目があれば、そもそも取得しない判断もあります。年に一度見直してください。

「削除してほしい」の背景に別の要望があることは

あります。宣伝が届くことへの不満なら配信の停止で解決し、情報の扱いへの不安なら説明で納得される場合があります。まず何を求めているかを聞いてください。ただし、背景がどうであれ法律上の請求として扱う必要があります。

出典

本記事は2026年7月時点の一般的な情報の整理であり、個別の法的助言ではありません。請求に応じるかどうかの判断、本人確認の方法、手数料の設定については、個別の事情により判断が変わるため、専門家または個人情報保護委員会にご確認ください。VANNAの料金・機能・キャンペーン条件は変更される場合があります。