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多店舗展開・事業承継

暖簾分けという選択|スタッフの独立を、店の形にする

公開: 2026年7月29日最終更新: 2026年8月1日

8年勤めたスタッフから、「独立したい」と言われました。引き止めるか、送り出すか。それとも、店の名前を使わせる形があるのか。

暖簾分けは、雇うことと独立の中間にある形です。そのぶん、決めることが多くあります。

三つの選択肢を、雇い続ける・完全に独立・暖簾分けで整理した図
三つの選択肢を、雇い続ける・完全に独立・暖簾分けで整理した図

三つの形がある

まず、選択肢を整理してください。雇い続ける、完全に独立してもらう、名前と方法を使わせて別の店として出してもらう。このうち三つ目が、暖簾分けにあたります。

何を渡すか決める

暖簾分けと言っても、渡すものの範囲は一つずつ決める必要があります。店の名前、メニューと手順、仕入れの経路、顧客の一部。だからこのうち何を渡すのかを、先に決めてください。

渡すもの決めること
名前使用の範囲と期間
手順どこまで教えるか
仕入れ経路を共有するか
顧客引き継ぎの可否
渡すものを、名前・手順・仕入れ・顧客の四行で整理した図
渡すものを、名前・手順・仕入れ・顧客の四行で整理した図

名前を使わせる意味

名前を渡すと、その方はゼロから信用を作らずに済みます。ただし、利点だけではありません。というのもその店の評判は、こちらにも及ぶためです。つまり質が落ちれば、自分の店の評判まで落ちるという関係になります。

質をどう保つか

最も難しいのが、離れた場所にある店の質をどう保つかです。定期的に見に行くのか、それとも手順を書面にして渡すのか。現実的に保てる手立てがないなら、そもそも名前は渡さないという判断もあります。

対価を取るか決める

名前と方法を使う対価を取る形もあれば、取らずに送り出す形もあります。取る場合は、月額にするか売上の割合にするか。どちらを選んでも理由は立ちますが、後戻りしにくいので先に決めてください。

対価を取る場合

金銭のやり取りが続けば、関係も続きます。そしてその分だけ、支援の義務も生じます。だから何をどこまで支援するのかを、対価を決めるのと同時に明確にしてください。

対価を取らない場合

対価を取らなければ、送り出した時点で区切りがつきます。こちらの負担も、ありません。ただし名前を使わせる場合は、対価の有無にかかわらず質の問題が残ります。

期間を決める

名前を使える期間は、「3年間」のように明示してください。そのうえで期間の終わりに独立した名前へ変えてもらう形にすれば、区切りが設計できます。

場所の取り決め

条件の中でも重要なのが、どこに出すかです。というのも近すぎると、顧客を取り合うことになるためです。だから「〇km以内には出さない」といった取り決めが要ります。

顧客の扱いを決める

最ももめやすいのが、顧客の扱いです。その方が担当していた顧客を、連れて行くのか。全員か、一部か。事前に決めておかないと、後で必ず揉めることになります。

書面に入れる四つを、対価・場所の制限・支援の範囲・送り出す時期に分けた図
書面に入れる四つを、対価・場所の制限・支援の範囲・送り出す時期に分けた図

顧客に選ばせる

一つの考え方として、顧客に選んでもらう形があります。「〇〇が独立します」と伝えて、どちらに行くかは本人に決めてもらう。こちらから引き止めず、向こうからも誘わない。この形なら、双方が納得しやすくなります。

書面にする

決めたことは、必ず書面にしてください。というのも口頭の約束は、時間が経つと食い違うためです。長く続く関係ほど、書面の重みが増します。

何を書くか

書面に入れる項目は、名前の使用の範囲と期間、対価の有無と金額、出店できる場所の制限、顧客の扱い、そして支援の内容と範囲になります。

支援の範囲を決める

支援の範囲は、曖昧にしないでください。技術の指導をするのか、仕入れを紹介するのか、それとも集客まで支援するのか。どこまでかを、明確に書いておきます。

競業を制限する条項の限界

ここは、正確に理解しておいてください。「近くに出さない」という取り決めをしても、内容によっては効力が認められない場合があります。というのも職業を選ぶ自由に関わるためで、期間・場所・範囲が過度に広いと通りません。

合理的な範囲にする

通る形にするには、期間が長すぎないこと、場所が実際に影響の及ぶ範囲に限られていること、そして対価や配慮があること。これらが、判断の要素になります。

専門家に相談する

暖簾分けの取り決めは、長く続きます。だから金額が大きい場合は、書面を作る段階で専門家に見てもらう価値があります。後で争うことを考えれば、費用ははるかに小さく済むためです。

資金の支援をするか

開業の資金を貸す形も、あります。その場合は返済の条件を明確にして、返ってこない可能性も想定したうえで金額を決めてください。

設備を譲るか

使わなくなった機器や什器を譲るのは、現実的な支援になります。無償か有償かを決めて、譲渡の記録も残しておいてください。

技術の指導の対価

独立の後も指導を続けるなら、その対価を決めてください。というのも無償で続けると、負担だけが積み上がっていくためです。

顧客への案内の仕方

顧客への案内には、配慮が要ります。「〇〇は〇月で退職します」と事実だけを伝えて、行き先をこちらから宣伝しないでください。伝えるかどうかは、その方自身に委ねる形にします。

独立を止めない

現実的な話として、技術のある方はいずれ独立を考えます。止めても、辞めるという結果になるだけです。だから送り出す形を作るほうが、関係が残ります。

名前を変えるときに支援する

期間が終わって独立した名前に変える時期が来たら、その告知を支援してください。こちらからも、案内を出す形があります。

関係が残る利点

関係が残っていると、繁忙期に助け合える場合があります。技術の情報も、交換できます。つまり同業の仲間が地域にいる状態は、それ自体が強みになります。

送り出す時期を決める

急に辞められると、店が回りません。だから「〇か月後」と時期を決めて、その間に顧客への案内と引き継ぎを行ってください。

他のスタッフへの影響

見落とされやすいのが、他のスタッフへの影響です。というのも一人が独立すると、他の方も考え始めるためです。それ自体は悪いことではありませんが、同時に複数が抜けると店が止まります。

引き継ぎの手順を決める

現場の作業として、その方が担当していた顧客に誰が対応するか、施術の記録をどう引き継ぐかを決めてください。途中のコースや回数券が残っている場合は、その扱いも含めます。

回数券が残っている場合

その方に紐づく回数券が残っていると、もめる場面になります。こちらの店で使えるのか、それとも返金するのか。顧客に対して、明確に伝えてください。

予約が入っている場合

退職の日以降に、その方への予約が入っている場合があります。だから誰が対応するかを、事前に伝えてください。放置すると、来店したときに困ることになります。

技術と接客を引き継ぐ

質を保つために、その方のやり方を残るスタッフへ引き継いでください。顧客ごとの好みも、記録として残してもらいます。そしてそのための時間を、退職までに確保してください。

感情の整理も要る

長く働いた方が抜けるのは、寂しいものです。しかもその感情が、条件の交渉に影響することがあります。だから判断は、数字と書面で行ってください。

送り出し方が採用に影響する

円満に送り出した話は、業界の中で伝わります。そして「あの店は、独立を応援してくれる」という評判は、次の採用に効いてきます。

制度として作るか

長期の判断として、「何年勤めたら独立を支援する」という形を制度にする方法もあります。これは、採用のときの魅力にもなります。

VANNAでできること

VANNAでは、店ごとに契約を持てます。独立した方が新しい店を持つ場合、その方の契約として、サイトと予約の受け口を持てます。顧客の記録も、店ごとに分かれます。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。

暖簾分けの契約を作成したり、条件を仲介したりする機能はありません。取り決めは、別に行うことになります。この点は把握しておいてください。

料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。

決める前に書く三つ

名前を使わせるか。対価を、取るか。顧客を、どうするか。この三つが決まれば、相手と話を始められます。

よくある質問

どんな選択肢がありますか

雇い続ける、完全に独立してもらう、名前と方法を使わせて別の店として出してもらう。三つ目が暖簾分けです。

何を渡しますか

店の名前、メニューと手順、仕入れの経路、顧客の一部。これらのうち、何を渡すかを決めてください。

名前を使わせる利点は

その方は、ゼロから信用を作らずに済みます。一方で、その店の評判がこちらにも及びます。

質はどう保ちますか

定期的に見に行くか、手順を書面にして渡すか。保てないなら、名前を渡さない判断もあります。

対価は取りますか

月額か、売上の割合か。取らずに送り出す形もあります。どちらにも理由があります。

対価を取る場合は

金銭のやり取りが続くと、関係も続きます。その分、支援の義務も生じます。何を支援するかを明確にしてください。

対価を取らない場合は

区切りがつき、こちらの負担もありません。ただし、名前を使わせる場合、質の問題は残ります。

期間は決めますか

「3年間」のように明示してください。その後、独立した名前に変えてもらう形もあります。

場所の制限は

近すぎると、顧客を取り合います。「〇km以内には出さない」といった取り決めが要ります。

顧客はどうしますか

連れて行くか、全員か一部か。事前に決めておかないと、後で揉めます。

顧客に選ばせる方法は

「〇〇が独立します」と伝え、どちらに行くかを選んでもらう。こちらから引き止めず、向こうからも誘わない形です。

書面は必要ですか

必ず作ってください。口頭の約束は、時間が経つと食い違います。長く続く関係ほど、書面が要ります。

何を書きますか

名前の使用の範囲と期間、対価の有無と金額、出店できる場所の制限、顧客の扱い、支援の内容と範囲。

支援の範囲は

技術の指導、仕入れの紹介、集客の支援。どこまでかを明確にしてください。

「近くに出さない」は有効ですか

内容によっては、効力が認められない場合があります。職業を選ぶ自由に関わるためです。

どうすれば通りますか

期間が長すぎないこと、場所が実際に影響が及ぶ範囲に限ること、対価や配慮があること。これらが判断の要素になります。

専門家に相談しますか

暖簾分けの取り決めは長く続きます。書面を作る段階で見てもらうと、後で争うより費用は小さくなります。

資金を支援しますか

貸す形がありますが、返済の条件を明確にし、返らない可能性も想定してください。

設備を譲れますか

使わなくなった機器や什器を譲る方法があります。無償か有償かを決め、譲渡の記録も残してください。

独立の後も指導しますか

続ける場合、その対価を決めてください。無償で続けると、負担が積み上がります。

顧客にはどう伝えますか

「〇〇は〇月で退職します」と事実だけを伝え、行き先はこちらから宣伝しないでください。

独立を止めるべきですか

技術のある方は、いずれ独立を考えます。止めても、辞めるだけです。送り出す形を作るほうが、関係が残ります。

名前を変えるときは

その告知を支援してください。こちらからも案内を出す形があります。

関係が残る利点は

繁忙期に助け合え、技術の情報を交換できます。同業の仲間が地域にいる状態は、強みです。

いつ送り出しますか

「〇か月後」と時期を決めてください。その間に、顧客への案内と引き継ぎを行います。

他のスタッフへの影響は

一人が独立すると、他の方も考え始めます。同時に複数が抜けると、店が止まります。

引き継ぎは何をしますか

担当していた顧客に誰が対応するか、施術の記録をどう引き継ぐか。途中のコースや回数券の扱いも決めてください。

回数券が残っています

こちらの店で使えるか、返金するか。顧客に明確に伝えてください。

退職後の予約は

誰が対応するかを、事前に伝えてください。放置すると、来店時に困ります。

技術はどう引き継ぎますか

そのやり方を残るスタッフに引き継ぎ、顧客ごとの好みも記録として残してもらってください。

判断が感情に流されます

長く働いた方が抜けるのは寂しいものです。判断は、数字と書面で行ってください。

送り出し方は影響しますか

「あの店は、独立を応援してくれる」。その評判が、次の採用に効きます。

制度として作れますか

「何年勤めたら独立を支援する」という形があります。採用のときの魅力にもなります。

決める前に何を書きますか

名前を使わせるか、対価を取るか、顧客をどうするか。この三つが決まれば、話が始められます。

出典

本記事は2026年7月時点の一般的な情報の整理です。独立の支援に関する取り決めは、個別の契約によって決まります。競業を制限する条項には、内容によって効力が認められない場合があります。判断に迷う場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。VANNAの料金・機能・キャンペーン条件は変更される場合があります。