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美容室(ヘア)運営ガイド

店販シャンプーの選び方と言えることの範囲|何を置き、何を言うか

公開: 2026年8月4日

Summary

美容室の店販を設計する方法を整理します。選ぶ3つの基準、種類を増やさない理由、化粧品として言えることと言えないこと、断定を避ける言い換えの型、押し売りにしない勧め方、価格の付け方、在庫と返品の扱い、置かないという判断を扱います。

「この商品を使えば髪が生えますか」と聞かれました。答えに詰まって、曖昧に返しました。

店販は、何を選ぶかと、何を言うかの2つで決まります。どちらも先に決めてください。

店販の商品を選ぶ4つの基準
店販の商品を選ぶ4つの基準

何を基準に選ぶか

売れる商品を探す前に、置く理由を決めてください。ここが定まらないと、棚が雑多になります。

一つは、施術との関係です。店で使ったものを家でも続けていただく形なら、説明が一貫します。

二つ目は、悩みへの対応です。頭皮が乾く、広がる、色が抜ける。よく相談される内容から、逆算して選びます。

三つ目は、利益です。仕入れの価格と売る価格の差が、置く手間に見合うか。ここを見ないと、労力だけが増えます。

選ぶ基準確認すること
施術との関係店で使っているものと揃うか
悩みへの対応よく相談される内容に応えるか
利益仕入れとの差が手間に見合うか
継続の可否廃番になりにくいか。安定して入るか

種類を増やさない

多く置くほど売れる、ではありません。むしろ選べなくなります。

3種類から5種類で、足ります。悩みの軸を分けて、それぞれに1つ。ここを超えると、説明する側も覚えきれません。

在庫の観点でも、同じです。種類が多いほど、動かない商品が増えます。期限を越えて捨てる場面も出ます。

減らす判断は、出た回数で決めてください。半年動いていない商品は、外す候補です。

言えることと言えないこと

ここが、最も注意の要る領域です。化粧品の表現には、範囲があります。

「髪が生えます」「治ります」といった言い方は、使えません。医薬品のような効果を示す表現になるためです。

言えるのは、その商品に定められた範囲までです。何が言えるかは商品ごとに違うため、メーカーの案内で確認してください。こちらが記憶で答えると、外れます。

判断に迷う言葉は、使わないでください。「たぶん大丈夫」で言った一言が、後で問題になります。

表現の線引きは、美容サロンの効果表現とコンプライアンスで整理しています。あわせて、サロンの店販が売れない理由も参考にしてください。

言えることと言えないことの線引き
言えることと言えないことの線引き

言い換えの型を持つ

断定を避けると、説明が弱くなると感じる場面があります。ここは型で解決できます。

効果ではなく、事実を伝えてください。「この商品には◯◯が入っています」「店でも同じものを使っています」。どちらも事実の説明です。

自分の実感を伝える方法も、あります。「私はこれを使っています」は、断定ではありません。ただし他人にも同じ結果が出るとは言えないため、そこは足さないでください。

使い方の説明は、いくらでもできます。量、頻度、順番。ここを丁寧に伝えるほうが、効果を語るより役に立ちます。

押し売りにしない設計

勧め方で、印象が変わります。売る場面を、施術と分けてください。

会計のときに勧めると、断りにくくなります。施術中に、髪の状態を見ながら話すほうが自然です。

「今日はいかがですか」と毎回聞く形も、避けてください。来るたびに勧められると、来店そのものが億劫になるためです。

置き方でも、変わります。手に取れる場所にあれば、こちらから言わなくても見ていただけるためです。見えない棚に置いて口頭だけで勧めると、押し売りに近くなります。

価格の付け方

定価が決まっている商品と、決められる商品があります。まず、そこを確認してください。

値引きで売る形は、勧められません。一度下げると、戻せなくなります。近隣の店やネットと比べられる場面も増えます。

そもそも、価格だけで選ばれる商品を置かないでください。どこでも買えるものは、安いところで買われます。

サロン専用の商品なら、その説明も添えられます。ただし「ここでしか買えません」と言い切る前に、実際にそうかを確認してください。

押し売りにしない4つの設計
押し売りにしない4つの設計

在庫の持ち方

売れる速さから、仕入れる量を決めてください。並べる見栄えのために多く持つと、そのまま在庫になるためです。

化粧品にも、使用期限があります。開けていなくても、年単位で状態が変わるためです。

日焼けや変色にも、注意が要ります。窓際に置くと、中身より先に見た目が売り物でなくなるためです。

動かない商品は、早めに判断してください。値引きして出す、施術で使い切る、扱いをやめる。放置が最も損になります。在庫の考え方は、カラー・パーマ薬剤の在庫と使用期限でも触れています。

記録して次に使う

誰が何を買ったかを、残してください。次回の提案に使えます。

前回買った商品と、その後の感想。ここを聞くことで、次の提案が具体になります。「前回のはいかがでしたか」の一言で足ります。

使い切る時期も、読めるようになります。3か月で使い切る商品なら、その頃の来店で声をかけられるためです。

ただし、記録を売り込みだけに使わないでください。合わなかったという記録も、同じくらい価値があります。

返品と交換の扱い

「合わなかった」と言われる場面が、あります。ここも決めておいてください。

未開封か、開封済みか。この区別を、先に決めます。開封済みの返品を受けるかどうかは、店の判断です。

肌に合わなかった場合の扱いは、別に考えてください。症状が出ている場合は、使用を止めて医療機関への相談を案内します。原因を店で判断しないでください。

決めた内容は、書いておいてください。口頭だけだと、人によって扱いが変わります。基準の作り方は、サロンのやり直しと返金の基準で整理しています。

スタッフがいる場合

言えることの範囲を、共有してください。ここが最も危険な部分です。

新人ほど、良かれと思って強い言葉を使います。「絶対によくなります」と言われた後に責任者が訂正すると、店として一貫しません。

商品ごとに、言える表現を紙にしてください。覚えるのではなく、見て確認できる状態にします。

売上の目標を個人に課す形は、慎重に考えてください。押し売りの原因になるためです。評価に含めるなら、売った数ではなく説明の質で見る方法もあります。

決めること内容
言える表現商品ごとに紙にする。覚えさせない
勧める場面会計時ではなく、施術中に
返品と交換未開封と開封済みを分けて決める
評価売った数だけで見ない

髪だけの話にしない

商品の説明が、成分の話に寄りすぎる場面があります。ここは相手に届きません。

伝えるのは、その方の困りごとに対して何をするかです。「朝、まとまらない」という相談に、成分名で返しても解決に見えません。

使う場面から話してください。「乾かす前に付けると、翌朝が変わる方が多いです」。断定にならない範囲で、具体を出します。

そもそも、商品で解決しない場面もあります。切り方や乾かし方で変わるなら、そちらを先に伝えてください。売ることが目的になると、信頼が減ります。

自宅での扱いを伝える

売って終わりにすると、次につながりません。使い方まで含めて、渡してください。

量と頻度を、具体的に伝えます。多く使えばよいものでは、ありません。かえって残ってしまう場面もあります。

保管の条件も、伝えてください。浴室に置きっぱなしにすると、状態が変わるものがあります。

そして、いつ頃なくなるかを伝えてください。「これで3か月ほどです」と言えば、次の来店の目安にもなるはずです。

仕入れ先との関係

どこから仕入れるかで、条件が変わります。ここも確認の対象です。

最低の発注量が決まっている場合があります。少量では扱えないなら、在庫が寝る前提になります。

掛け率も、確認してください。同じ商品でも、仕入れ先によって差があります。ただし安さだけで選ぶと、届くまでの日数や欠品の頻度で困る場面が出ます。

契約に、販売の条件が付くこともあります。ネットでの販売を認めない、価格を下げないなど。始める前に確認してください。付き合い方は、サロンの仕入先との付き合い方で整理しています。

数字で判断する

続けるかどうかは、感覚ではなく数字で決めてください。

月にいくら売れて、いくら残ったか。仕入れの額と、売れた額の差が利益です。ここに、在庫として寝ている分も加味します。

売上に占める割合も、見てください。全体の1割を超えるなら、経営の柱の一つになっています。数%なら、手間に見合っているかを考える場面です。

3か月ごとに確認してください。1か月では、季節の影響と区別できません。

VANNAでできること

VANNAでは、商品をホームページで販売できます。決済はStripeを使い、VANNA側の手数料は0円ですが、Stripeの決済手数料は店舗の負担で別途かかります。顧客の記録に購入の内容をメモとして残せるため、次回の提案にも使えます。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。

一方で在庫の数量を管理したり、表現が法令に適合するかを判定したりする機能は、ありません。在庫と表現の確認は、店で行うことになります。この点は把握しておいてください。

料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。

ネットで売る場合

店頭とは別に、通信販売の形もあります。ここは、追加の決まりが関わります。

特定商取引法に基づく表記が要ります。事業者の名前、住所、連絡先、返品の条件。書くべき項目が定められています。

化粧品の表現も、店頭より残りやすくなります。書いた文言が記録として残るため、口頭よりも慎重に扱ってください。

始め方は、サロンの店販をネットで売るECの始め方で整理しています。取り扱う商品によって、追加の許可が要る場合もあります。

置かないという判断

店販を扱わない選択も、成り立ちます。無理に増やす必要はありません。

在庫を持たず、説明の手間もかけない。その分を施術に使う判断です。1時間あたりで見ると、こちらが有利な場面もあります。

代わりに、市販で買えるものを勧める形もあります。「◯◯という成分が入ったものを選んでください」と伝えるだけでも、役に立ちます。

扱わないと決めたなら、聞かれたときの答えも用意してください。「当店では販売していませんが、選び方はお伝えできます」で足ります。

今日やる一つ

いま置いている商品を1つ手に取り、それについて言える説明を紙に書いてください。書いた言葉が効果の断定になっていないかを、確認します。書けないなら、その商品は勧められません。

よくある質問

何を基準に商品を選びますか

施術との関係、よく相談される悩みへの対応、そして利益。この3つです。加えて、廃番になりにくく安定して入るかも確認してください。

種類はどれくらい置きますか

3種類から5種類で足ります。多いほど選べなくなり、説明する側も覚えきれません。在庫も動かなくなります。半年動いていない商品は、外す候補です。

「生えますか」と聞かれたら

医薬品のような効果を示す表現は使えません。言えるのは、その商品に定められた範囲までです。何が言えるかは商品ごとに違うため、メーカーの案内で確認してください。

断定を避けると説明が弱くなりませんか

事実を伝える型を持ってください。「◯◯が入っています」「店でも同じものを使っています」。使い方の説明(量・頻度・順番)は、いくらでもできます。効果を語るより役に立ちます。

押し売りにならない勧め方は

会計のときではなく、施術中に髪の状態を見ながら話してください。毎回聞く形も避けます。手に取れる場所に置けば、こちらから言わなくても見ていただけます。

値引きして売ってよいですか

一度下げると戻せません。近隣やネットと比べられる場面も増えます。そもそも、価格だけで選ばれる商品を置かないでください。

「合わなかった」と言われたら

未開封か開封済みかを分けて、扱いを先に決めてください。症状が出ている場合は使用を止めて医療機関への相談を案内し、原因を店で判断しないでください。

店販を置かない選択もありますか

成り立ちます。在庫を持たず説明の手間もかけず、その分を施術に使う判断です。代わりに、市販で買えるものの選び方を伝える形もあります。

成分の説明をすればよいですか

成分名で返しても、相談の解決には見えません。使う場面から話してください。そもそも切り方や乾かし方で変わるなら、そちらを先に伝えます。売ることが目的になると、信頼が減ります。

売った後に何を伝えますか

量と頻度を具体的に伝えてください。多く使えばよいものではありません。保管の条件と、いつ頃なくなるかも伝えると、次の来店の目安になります。

仕入れ先はどう選びますか

最低の発注量と掛け率を確認してください。安さだけで選ぶと、届くまでの日数や欠品の頻度で困ります。ネットでの販売を認めないなど、契約に条件が付く場合もあります。

続けるかはどう判断しますか

月にいくら売れていくら残ったかを、在庫として寝ている分も含めて見てください。売上に占める割合が1割を超えるなら柱の一つ、数%なら手間に見合うかを考える場面です。