ヘッドスパなどの組み合わせメニュー|時間あたりが下がるなら設計が間違っている
公開: 2026年8月5日
Summary
施術を組み合わせて単価を上げる方法を整理します。組み合わせる理由、道具と場所で選ぶ判断基準、切り替えと片づけを含めた時間の積み方、単品合計を上限とする料金の決め方、効果を書かない表示、当日追加の扱い、教える負担、増やしすぎない基準、試してから決める手順を扱います。
「ヘッドスパも付けられますか」と聞かれました。できないことはないのですが、時間も料金も決めていなかったため、その場で答えられませんでした。
組み合わせを増やすと、単価は上がります。ただし枠の設計と数え方を先に決めないと、忙しいだけで残らない形になります。

なぜ組み合わせるのか
理由をはっきりさせてから設計してください。ここが曖昧だと、種類だけが増えます。
一つは、単価が上がることです。同じ来店で受けていただける内容が増えれば1件あたりの額が上がりますし、これは時間を延ばして値上げするのとは意味が違います。働く時間を増やさずに、受け取る額を動かせます。
もう一つは、来店の理由が増えることです。体をほぐすだけなら間隔が空く方でも、頭も含めた形なら別の周期で来られる場合があります。つまり、同じ人に対して選択肢が増えるということです。
そして、他店との違いが出ます。同じ分数・同じ料金が並ぶ中で、内容の違いは選ぶ理由になります。単価の考え方は、時間を延ばさずに単価を上げるで整理しています。
何と組み合わせるか
やみくもに足さないでください。相性のよい組み合わせと、そうでないものがあります。
判断の基準は、道具と場所が共通しているかです。同じベッドで同じ体勢のまま続けられるなら、切り替えの手間が小さくて済みますし、覚えることも少なくて済みます。
一方、洗う設備が要るものは別の話になります。水を使うならそのための設備と排水が要るためで、ここは物件の条件に左右されます。契約の内容によっては、工事そのものができない場合もあります。
| 組み合わせ | 追加で要るもの | 難しさ |
|---|---|---|
| 体+頭(乾いたまま) | ほぼ不要 | 低い |
| 体+足まわり | タオルの追加 | 低い |
| 体+頭(洗う) | 洗う設備・排水 | 高い |
| 体+温める工程 | 温める道具・置き場 | 中 |
時間をどう積むか
ここを間違えると、遅れが出ます。実測してから決めてください。
追加する工程に何分かかるかを、実際に計ってください。頭の部分だけで15分と思っていたものが、切り替えを含めると20分になる場合があります。1回だけでなく、3回ほど計って平均を取ってください。
そして、切り替えの時間を必ず足してください。体勢を変える、道具を出す、タオルを掛け替える。この合計が3分から5分になることは珍しくありませんが、ここを0分で見積もると、毎回その分だけ遅れます。
見落としやすいのが、片づけです。使うものが増えれば終わった後の作業も増えるため、次の方までの間隔にこれが収まるかを確認してください。収まらないなら、間隔のほうを広げることになります。
計った結果、既存の枠に収まらないなら、枠そのものを別に作ってください。無理に押し込むと、その日全体が遅れます。

料金の決め方
単純に足すと、高く見えます。ただし、割り引きすぎると意味がなくなります。
まず、単品で受けた場合の合計額を出してください。これが上限になります。
次に、切り替えの手間が減るぶんを差し引きます。別々に2回来られる場合と比べて、迎える回数も片づけの回数も1回で済んでいるためです。この差の範囲でなら、割り引く余地があります。
ただし、割り引く額は時間あたりの額で確認してください。組み合わせた結果、時間あたりが単品より下がるなら、それは設計が間違っています。長く働いて手取りが減る形になり、続けるほど苦しくなります。
なお、セット割の考え方そのものは業種を問いません。まつげ+眉毛の複合メニューの単価とセット割の設計が参考になります。
表示のしかた
決めた内容を、どう見せるかで反応が変わります。ここは書き方の問題です。
何をするかを、具体的に書いてください。「スペシャルコース」では何が含まれるか分からず、聞かれてから説明することになります。「体60分+頭20分」のように、内容と時間をそのまま示してください。
効果は書かないでください。「疲れが取れます」「よく眠れます」といった書き方は、根拠を示せません。表現の範囲は、美容サロンの効果表現とコンプライアンスで整理しています。
そして、選びやすい数に絞ってください。組み合わせが8通り並ぶと、選べなくなります。3つ程度に整理するほうが、決まりやすくなります。
当日に足せるようにするか
事前に予約された方だけにするか、当日も受けるか。ここを決めておいてください。
当日追加を受けるなら、次の予約との間隔が要ります。20分足せる余裕がない時間帯では、受けられません。予約の状況を見ながら判断することになります。
受けると決めるなら、声のかけ方も決めてください。押し売りにならない言い方が要ります。「本日、お時間があえば頭も入れられますが、いかがされますか」で足ります。
断られたときに、それ以上言わないでください。もう一度勧めると、次から警戒されます。声かけの考え方は、店販を無理なく勧めるでも触れています。
覚える負担を見る
やることが増えれば、覚える内容も増えます。ここは人を入れるときに効いてきます。
自分ひとりなら、覚えるのは自分だけです。ただし、人を入れる段になると、教える内容が2倍になります。
新しく入った方が、すべてできるとは限りません。体だけできる方に、組み合わせの枠を任せられるか。ここを考えずに増やすと、シフトが組めなくなります。
そのため、段階を分ける方法があります。まず体を任せ、慣れてから頭を教える。この順番を決めておくと育てる筋道が見えますし、本人にとっても次の目標が分かります。育成の考え方は、新人スタッフの練習時間をどう確保するかで整理しています。業種は違いますが、練習の時間をどこから出すかという問題は共通です。
なお、予約を受ける側でも、誰がどの枠を担当できるかを把握しておく必要があります。できない人の時間帯に組み合わせの予約が入ると、当日に断ることになります。

増やしすぎない
種類を増やすほど良い、とはなりません。ここは意識して止めてください。
まず、在庫が増えます。使う頻度の低いメニューのために置いた道具は、場所を取ったまま動きません。
次に、判断が増えます。予約が入るたびに時間と道具の段取りを考えることになりますが、これは目に見えない負担なので、疲れの原因として自覚しにくい部分です。
そして、腕が分散します。月に1件しか出ないメニューは上達しませんし、上達しないものを出し続けるのは、お客様にとっても良くありません。数を絞ったほうが、一つひとつは良くなります。
出た件数を、3か月ごとに見てください。少ないものは、外す候補です。
VANNAでできること
VANNAでは、メニューごとに所要時間を設定できるため、組み合わせの枠を別のメニューとして登録できます。カレンダー予約はMaxプランの機能で、指名や時間枠の指定にも対応します。来店前のメールリマインドは全プランで使えます。
顧客の記録には、その日に何をしたかを残せます。前回どの組み合わせだったかを確認できるため、次回の提案がしやすくなります。
一方で、どの組み合わせが利益に貢献しているかを自動で判定する機能はありません。件数を見て、店で判断することになります。
料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。
試してから決める
いきなり正式なメニューにしないでください。戻すのが難しくなります。
期間を区切って出す方法があります。「今月限定」として出せば、反応を見てから判断できるためです。
出なければ、そのまま終われます。掲示を外すだけで済みますし、値上げのときのような説明も要りません。試したこと自体は、無駄になりません。
出たなら、正式に入れてください。そのとき、時間と料金を実測の結果で決め直します。つまり、試した期間そのものが設計の材料になるということです。
| 決めること | 内容 |
|---|---|
| 何と組み合わせるか | 道具と場所が共通するもの |
| 時間 | 実測+切り替え3〜5分+片づけ |
| 料金 | 単品合計を上限に、時間あたりが下がらない範囲 |
| 表示 | 内容と時間を具体的に。効果は書かない |
| 見直し | 3か月ごとに件数を見る |
既存のお客様への出し方
新しく作ったものを、どう知らせるかも決めてください。ここで扱いを間違えると、押し売りに見えます。
来られたときに、一言添える形が基本です。「今月からこういう形も始めました」で足りますし、受けるかどうかは、その場で決めていただかなくて構いません。
紙で渡す方法もあります。会計のときに1枚お渡しすれば家で見ていただけますし、その場で断る負担もありません。
一方、全員に同じ案内をする必要はありません。合わない方に勧めると、次から身構えられます。前回の記録を見て、関心がありそうな方にだけ伝えるという形も成り立ちます。
断る場面
すべての方に出せるとは限りません。ここも先に決めてください。
頭に触れる工程を加えるなら、地肌の状態を確認してください。傷や、気になる部分がある場合は、その工程を外します。
範囲の考え方は、体の施術と同じです。判断するのは施術者で、希望されたから応じるという形にはしません。詳しくは、施術範囲の線引きで整理しています。
外した場合の料金も、決めておいてください。その場で計算すると金額が揺れますし、こちらが損をしないよう多めに取ってしまう場面も出てきます。
そして、外したことを記録に残してください。次に来られたときに同じ確認から始められますし、状態が戻っていれば、そのときに提案できます。
出した後に何を見るか
作って終わりにしないでください。数字を見ないと、続けるかどうかを判断できません。
見るのは3つです。まず件数で、月に何件出たか。次に、その枠の時間あたりの額。そして、受けた方が次も同じ形を選んだかどうかです。
3つ目がとくに大事になります。1回きりで単品に戻る方が多いなら、内容そのものが求められていない可能性があります。件数だけを見ていると、ここを見落とします。
比べる相手は、同じ時間帯の単品の枠です。組み合わせのほうが時間あたりで下回っているなら、価格を直すか、工程を短くするかの判断になります。どの数字を追うかの考え方は、サロンで見るべき指標で整理しています。
今日やる一つ
いまのメニューを1つ選び、そこに10分だけ足すとしたら何ができるかを書き出してください。道具を買わずにできることが、1つはあるはずです。そこから試してください。
よくある質問
何と組み合わせるとよいですか
道具と場所が共通しているものです。同じベッドで、同じ体勢で続けられるなら、切り替えの手間が小さくて済みます。洗う設備が要るものは、排水を含めた物件の条件に左右されます。
時間はどう決めますか
追加する工程を実際に計ってください。そこへ切り替えの時間(3〜5分)と、増えた片づけの時間を足します。既存の枠に収まらないなら、枠そのものを別に作ってください。
料金はいくらにしますか
単品で受けた場合の合計額が上限です。切り替えの手間が減るぶんを差し引きます。ただし、時間あたりの額が単品より下がるなら設計が間違っています。長く働いて手取りが減る形になります。
どう表示しますか
内容と時間を具体的に書いてください。「体60分+頭20分」のように示します。効果は書かないでください。選びやすいよう、3つ程度に絞ります。
当日に足してよいですか
次の予約との間隔があるかで判断してください。受けると決めるなら、声のかけ方も決めます。断られたとき、もう一度勧めないでください。次から警戒されます。
増やしすぎるとどうなりますか
在庫が増え、判断が増え、腕が分散します。月に1件しか出ないメニューは上達しません。3か月ごとに件数を見て、少ないものは外す候補にしてください。
試すときはどうしますか
期間を区切って出してください。「今月限定」なら、出なければ掲示を外すだけで済みます。出たなら、実測の結果で時間と料金を決め直して正式に入れます。
断る場面はありますか
頭に触れる工程を加えるなら、地肌の状態を確認してください。傷や気になる部分がある場合は、その工程を外します。判断するのは施術者で、希望されたから応じるという形にはしません。
出した後は何を見ますか
件数、その枠の時間あたりの額、そして受けた方が次も同じ形を選んだかどうかの3つです。3つ目がとくに大事で、1回きりで単品に戻る方が多いなら、内容そのものが求められていない可能性があります。件数だけを見ていると、ここを見落とします。
既存のお客様にどう知らせますか
来られたときに一言添える形が基本で、「今月からこういう形も始めました」で足ります。会計のときに紙を1枚お渡しする方法もあります。全員に同じ案内をする必要はなく、前回の記録を見て関心がありそうな方にだけ伝える形も成り立ちます。



