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多店舗展開・事業承継

移転するか、2店舗目を出すか|同じ資金で、結果が変わる

公開: 2026年7月29日最終更新: 2026年8月1日

席が埋まっていて、予約が取れない。この状態から先に進む方法は、2店舗目だけではありません。

同じ資金で、いまの店を広い場所へ移すという選択もあります。どちらを選ぶかで、結果は大きく変わります。

移転と2店舗目の違いを、管理の手間・家賃・人員・顧客の四行で比べた図
移転と2店舗目の違いを、管理の手間・家賃・人員・顧客の四行で比べた図

二つの選択肢を並べる

先に、比べてください。2店舗目を出せば、店が2つになります。一方で移転すれば、店は1つのまま広くなります。どちらも資金と手間がかかりますが、その後の運営がまったく違うためです。ところが比べずに2店舗目を選んでいる店が、多くあります。

移転が向いている状況

これには、条件があります。いまの店の席が、慢性的に埋まっている。断っている予約が、毎月ある。いまの立地に、来店される方が満足している。そして近くに、広い物件がある。この四つが揃うなら、移転が有力な選択肢になります。

項目移転2店舗目
店舗数1つのまま2つになる
管理の手間増えない大きく増える
顧客一部が離れる分かれる
家賃差額のみ増える全額が増える
人員追加分のみ一式が必要
移転が向いている条件を、席が埋まっている・立地に満足がある・同じ商圏に物件があるの三つに整理した図
移転が向いている条件を、席が埋まっている・立地に満足がある・同じ商圏に物件があるの三つに整理した図

2店舗目が向いている状況

こちらにも、条件があります。いまの立地では、これ以上の商圏が取れない。別の地域に、来てほしい層がいる。任せられる人が、すでにいる。そしていまの店を離れても、回る状態になっている。これらが揃うなら、2店舗目になります。判断は、サロン2店舗目を出す判断で整理しています。

管理の手間が最も違う

これが、見落とされる差になります。店が2つになると、シフト、在庫、掲示、教育。そのすべてが、2つになるためです。加えて、移動の時間も発生します。

一方で移転なら、店は1つのままです。席が増えても、管理する対象は増えません。この差は、想像より大きくなります。日々の負担が、そのまま変わるためです。

家賃の増え方が違う

ここは、計算してください。移転なら、増えるのは差額だけです。いまが20万円で移転先が30万円なら、増えるのは10万円になります。一方で2店舗目なら、その店の家賃が全額です。30万円の物件なら、30万円が増えます。つまり同じ広さを得るのに、必要な費用が違います。

人員も、同じ構造です。移転なら、増えた席の分だけ人が要ります。一方で2店舗目なら、受付から施術まで一式が必要になります。一人では、回せません。人員の手配は、2店舗目の人員をどう用意するかで整理しています。

移転で失うもの

こちらにも、代償があります。いまの立地に慣れた方の一部が、離れます。距離が伸びる方も、出ます。看板や内装を作り直すことになり、営業を止める期間も発生するためです。これらの損失を、計算に入れてください。

離れる方の割合は、数字で確認できます。移転先までの距離が伸びる方が、何人いるか。顧客の住所を並べて、確認してください。徒歩で来ていた方は、離れやすくなります。一方で車で来ていた方は、少しの距離なら続く場合もあります。おおむね1割から2割が離れる想定で、計算してください。

移転の告知を早く出す

早く出すほど、離脱を減らせます。ですから3か月前から、告知してください。新しい場所、移転の日、道順。来店のたびに、口頭でも伝えます。紙を渡す方法も、有効です。告知が遅いと、気づかないまま離れる方が出るためです。

休業の期間を短くする

ここは、売上が止まる期間になります。内装の工事と、引っ越しの期間。その間は、収入がありません。ですから、短くする工夫をしてください。

前の店の契約と新しい店の契約が、重なる期間も出ます。二重の家賃が発生する月も、計算に入れてください。

広げる前に試せる方法を、営業時間・定休日・回転・単価の四つに分けた図
広げる前に試せる方法を、営業時間・定休日・回転・単価の四つに分けた図

同じ商圏の中で動く

これが、移転の鉄則になります。商圏を大きく外れる場所へ移ると、ほとんどの方が離れるためです。その場合は、実質的に新規の開店と同じになります。ですからいまの商圏の中で、広い物件を探してください。駅や幹線道路との関係も、確認します。

席を増やしても埋まるか

これは、前提の確認です。席が2倍になれば売上が2倍になる、わけではありません。いまの需要が増えた席を埋めるかを、確認してください。断っている予約の件数が、その根拠になります。断りが月に数件なら、席を増やしても埋まらないためです。数字を確認してから、判断してください。

増やすのは席だけではない

他の選択肢も、あります。営業の時間を、延ばす。これなら、家賃は増えません。定休日を減らすのも、同じです。施術の時間を短くして、回転を上げる。あるいは、単価を上げる。これらは移転より費用がかからないため、先に試す価値があります。

なかでも単価は、最も費用がかからない方法になります。席が埋まっている状態は、値上げができる状態だからです。単価を1割上げれば、同じ席数で売上が1割増えます。離れる方は出ますが、埋まっている状態なら空きも埋まります。分解の考え方は、サロンの売上を伸ばす前にで整理しています。

移転先の条件を確認する

条件は、いまと同じとは限りません。電気と水道の容量は、設備を増やせるかに関わります。排水と換気は、施術の内容によって要件が変わります。看板を出せるかも、確認してください。管理の規約で、制限がある場合もあるためです。美容所の登録が必要な業種では、その要件も確認します。契約の前に、所管の窓口へ確認してください。

移転にかかる期間

これは、想定より長くなります。物件を探して契約するまでに、1か月から3か月。内装の設計と工事に、1か月から2か月。各種の届出に、数週間。合計で、半年を見込んでください。告知の期間も、この中に含めます。

移転を機に見直せること

これらは、同時にやると効率的になります。メニューの構成と料金、営業の時間と定休日、予約の受け方、設備の入れ替え。移転は、変えても違和感が出にくい機会だからです。ただし一度に多く変えすぎると、離れる方が増えます。

契約の残りを確認する

これが、移転の制約になります。いまの物件の契約に、期間が残っている場合があるためです。途中で解約すると、違約金が発生することもあります。解約の予告の期間も、確認してください。原状回復の費用も、見積もりを取ります。これらの合計が、移転の費用に加わります。

資金の総額を比べる

最後は、これで判断してください。移転の場合は、新しい物件の初期費用、内装、引っ越し、原状回復、違約金、そして休業の期間の損失。2店舗目の場合は、物件の初期費用、内装、設備、人員、運転資金になります。

両方を書き出して、比べてください。2店舗目のほうが運転資金の分だけ大きくなる場合が、多くあります。

どちらも選ばない判断

これも、成立します。いまの規模で利益が出ているなら、無理に広げる必要はありません。規模を追えば、管理の手間と固定費が増えるためです。しかも利益の額が、規模に比例するとは限りません。いまの店で単価と頻度を上げるほうが、確実な場合もあります。

決める順番

これが、判断の手順になります。一、いまの需要で席を増やして埋まるかを確認する。二、費用のかからない方法(時間、定休日、単価)を先に試す。三、それでも足りないなら、移転と2店舗目の資金を比べる。四、任せられる人がいるかを確認する。いない場合、2店舗目は選べません。

移転先の家賃の上限を先に決める

物件を見てから決めると、上振れします。良い物件ほど高く、判断が甘くなるためです。

いまの売上に対して、家賃が何割かを出してください。移転後も、その割合を大きく超えない額を上限にします。席が増える分の売上を見込んで上限を上げる場合は、その売上が本当に立つかを断っている予約の件数で裏取りすることです。見込みで上限を上げると、埋まらなかったときに固定費だけが残ります。

告知に使う手段を並べる

移転の告知は、一つの手段では届きません。来店時の口頭、渡す紙、サイトの掲示、投稿、地図の情報。そして、連絡先が分かる方への個別の連絡です。

このうち来店の間隔が空いている方には、来店時の口頭が届きません。半年に一度の方は、移転を知らないまま前の場所に行くことになります。ですから連絡先を持っている方には、必ず個別に伝えてください。前の場所に移転の案内を出せるかも、大家に確認しておきます。

VANNAでできること

VANNAでは、顧客ごとの記録から来店の傾向を確認でき、料金や営業時間の変更も管理画面から反映できます。移転の告知をサイト上に掲載して、道順の説明を差し替えることもできます。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。

一方で物件を比較したり、移転の費用を試算したりする機能はありません。判断と計算は、別に行うことになります。この点は把握しておいてください。

料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。

比べる前に出す三つの数字

これだけ、用意してください。月に断っている予約の件数。いまの家賃と、移転先の家賃の差額。そして、任せられる人がいるかどうか。この三つで、どちらが向いているかはほぼ決まります。出すのに、1日もかかりません。

よくある質問

2店舗目以外に方法はありますか

移転して広い場所へ移る選択があります。店は1つのまま、席が増えます。同じ資金でも、その後の運営がまったく違います。

移転が向いているのはどんなときですか

席が慢性的に埋まっている、断る予約が毎月ある、いまの立地に満足されている、近くに広い物件がある。この四つが揃うときです。

2店舗目が向いているのは

いまの立地でこれ以上の商圏が取れない、別の地域に来てほしい層がいる、任せられる人がいる、いまの店を離れても回る。これらが揃うときです。

最も大きな違いは

管理の手間です。店が2つになると、シフト、在庫、掲示、教育がすべて2つになり、移動の時間も発生します。移転なら増えません。

家賃はどう違いますか

移転なら増えるのは差額だけです。20万円から30万円なら、増えるのは10万円です。2店舗目なら、その店の家賃が全額増えます。

人員はどう違いますか

移転なら、増えた席の分だけです。2店舗目なら、受付から施術まで一式が必要になります。一人では回せません。

移転で失うものは

いまの立地に慣れた方の一部が離れます。看板や内装の作り直し、営業を止める期間も発生します。これらを計算に入れてください。

どのくらい離れますか

1割から2割を想定してください。顧客の住所を並べて、距離が伸びる方の人数を確認してください。徒歩で来ていた方は離れやすくなります。

告知はいつ出しますか

3か月前からです。新しい場所、移転の日、道順。来店のたびに口頭でも伝え、紙を渡す方法も有効です。遅いと、気づかず離れる方が出ます。

休業の期間は

内装の工事と引っ越しの期間、収入がありません。前の店と新しい店の契約が重なる期間も出ます。二重の家賃を計算に入れてください。

どこへ移ればよいですか

いまの商圏の中です。大きく外れると、ほとんどの方が離れ、実質的に新規の開店と同じになります。

席を増やせば売上は増えますか

いまの需要が、増えた席を埋めるかを確認してください。断りが月に数件なら、席を増やしても埋まりません。

他に増やす方法はありますか

営業の時間を延ばす、定休日を減らす、施術の時間を短くして回転を上げる、単価を上げる。いずれも移転より費用がかかりません。

単価を上げるのは有効ですか

席が埋まっている状態は、値上げができる状態です。1割上げると、同じ席数で売上が1割増えます。離れる方が出ても、空きは埋まります。

移転先で確認することは

電気と水道の容量、排水と換気、看板を出せるか。美容所の登録が必要な業種では、その要件も確認してください。契約の前に所管の窓口へ。

移転にはどのくらいかかりますか

物件の契約に1〜3か月、内装に1〜2か月、届出に数週間。合計で半年を見込んでください。告知の期間も、この中に含めます。

移転を機に他も変えてよいですか

メニュー、営業時間、予約の受け方、設備。違和感が出にくい機会です。ただし、一度に多く変えすぎると、離れる方が増えます。

いまの契約はどうなりますか

期間が残っていると、違約金が発生する場合があります。解約の予告の期間と、原状回復の費用も確認してください。移転の費用に加わります。

資金はどう比べますか

移転は物件の初期費用、内装、引っ越し、原状回復、違約金、休業の損失。2店舗目は物件、内装、設備、人員、運転資金。両方を書き出してください。

どちらが安く済みますか

移転のほうが安く済む場合が多くあります。2店舗目は、運転資金の分だけ大きくなります。

どちらも選ばない選択はありますか

あります。いまの規模で利益が出ているなら、無理に広げる必要はありません。利益の額が、規模に比例するとは限りません。

決める順番は

需要の確認、費用のかからない方法を試す、資金を比べる、任せられる人がいるかを確認する。この順です。

まず何を出しますか

月に断っている予約の件数、家賃の差額、任せられる人がいるかどうか。この三つで、どちらが向いているかがほぼ決まります。

出典

本記事は2026年7月時点の一般的な情報の整理です。適した判断は、業種、立地、規模、資金の状況によって変わります。賃貸契約の条件については、契約書と専門家にご確認ください。VANNAの料金・機能・キャンペーン条件は変更される場合があります。