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多店舗展開・事業承継

2店舗目の資金繰り|黒字化までの現金が、1店舗目を潰す

最終更新: 2026年7月29日

2店舗目の初期費用は用意しました。開けてから半年、1店舗目の利益がすべて2店舗目に流れています。

潰れるのは、たいてい2店舗目ではなく1店舗目です。開店の費用より、黒字になるまでの現金のほうが重要です。

2店舗目に必要な資金を、初期費用・運転資金・1店舗目に残す分・撤退の費用の四行で整理した図
2店舗目に必要な資金を、初期費用・運転資金・1店舗目に残す分・撤退の費用の四行で整理した図

初期費用と、運転資金は別

まず、ここを分けてください。

初期費用は、開けるまでにかかる費用です。内装、設備、敷金、備品。

運転資金は、開けてから黒字になるまでの、毎月の不足を埋める現金です。

初期費用だけを用意して開けると、数か月で現金が尽きます。

必要なのは、この二つの合計です。

多くの計画で、後者が抜けています。

黒字になるまでの期間を見積もる

短く見積もらないでください。

1店舗目のときに、何か月かかったかを思い出してください。

2店舗目でも、同じかそれ以上かかります。

名前が知られていても、その場所では新しい店です。

半年から1年を見込んでください。

見込みより早く黒字になった場合、資金が残るだけです。

項目内容
初期費用内装・設備・敷金・備品
運転資金黒字までの毎月の不足×月数
予備想定外の遅れの分
黒字までの期間で注意する三点を、半年から1年・返済の開始・入金のずれに整理した図
黒字までの期間で注意する三点を、半年から1年・返済の開始・入金のずれに整理した図

毎月の不足を計算する

具体的に出してください。

2店舗目の毎月の固定費を書き出してください。

家賃、人件費、水道光熱費、通信費、返済。

これが、売上がゼロでも出ていく金額です。

想定の売上から、材料費を引いた額と比べてください。

差が、毎月の不足です。

不足に月数を掛ける

これが運転資金です。

毎月の不足が30万円で、黒字まで8か月なら、240万円です。

この金額を、開ける前に用意してください。

用意できないなら、開ける時期ではありません。

借りて用意する場合、返済も固定費に含めてください。

返済を含めると、不足が増えます。

1店舗目の利益を当てにしない

これが最も危うい前提です。

1店舗目の利益で2店舗目を支える計画は、成立する場合もあります。

ただし、1店舗目の売上が落ちた瞬間に崩れます。

2店舗目を開ける準備で、1店舗目に手が回らなくなります。

近い場所なら、客が分かれます。判断は、2店舗目をどこに出すかで整理しています。

1店舗目の利益は、予備として扱ってください。計画の前提にしないでください。

1店舗目の現金に手を付けない

線を引いてください。

1店舗目の運転資金を、2店舗目に回さないでください。

1店舗目にも、3か月分の運転資金が必要です。

その分を残したうえで、余った現金だけを使ってください。

口座を分けると、線が守りやすくなります。

事業用と私用の分け方は、事業用と私用を分けるで整理しています。

借りる場合の考え方

自己資金だけで足りないことは、多くあります。

借りること自体は、問題ありません。

返済の額を、毎月の固定費に含めて計算してください。

据置の期間があるかを、確認してください。

返済が始まる時期と、黒字になる時期を比べてください。

返済のほうが先に来る場合、その期間の資金が別に要ります。

借入の相談は早めに

時間がかかります。

申し込みから実行まで、1か月以上かかる場合があります。

物件を契約してから相談すると、間に合いません。

事業の計画を作ってから、相談してください。

2店舗目の場合、1店舗目の実績が資料になります。

決算の書類と、月ごとの試算表を用意してください。

開店の月に費用が集中する

見落とされます。

保証金、仲介の手数料、内装の残金、備品、広告。

これらが同じ月に出ます。

売上は、その月にはほとんど立ちません。

開店の月だけで、数か月分の費用が出る場合があります。

月ごとの資金の出入りを、表にしてください。

月ごとの資金繰り表を作る

12か月分で足ります。

各月の入金と、出金を書いてください。

残高が、どの月に最も少なくなるかを見てください。

その月を越えられるかが、判断の基準です。

残高がマイナスになる月があるなら、開ける時期を遅らせてください。

作り方は、サロンの経費管理を月末30分で回すで整理しています。

開ける前に決めておく項目を、撤退の線・資金繰り表・人件費・店別の数字の四つに分けた図
開ける前に決めておく項目を、撤退の線・資金繰り表・人件費・店別の数字の四つに分けた図

入金の時期がずれる

現金の話です。

売上が立った日と、入金される日は違います。

カードや電子的な決済は、数週間後の入金になる場合があります。

売上があっても、手元に現金がない状態が起きます。

入金の時期を確認して、資金繰りの表に反映してください。

想定より遅れた場合の線

先に決めてください。

「6か月で黒字にならなければ、こうする」

その内容を、開ける前に決めてください。

営業の時間を減らす。人員を減らす。閉める。

決めていないと、判断できずに現金を使い続けます。

判断の期限を、紙に書いてください。

費用を後ろに倒す

工夫の余地があります。

設備を、購入ではなく借りる形にする。

内装を、最小限で開けて、後から足す。

備品を、1店舗目から回す。

広告を、開店の直後に集中させず、分ける。

初期費用が減れば、運転資金に回せます。

人件費が最も重い

固定費の中で最大です。

開店の直後は、来客が少ない状態です。

その状態で、満席を前提にした人数を置くと、費用だけが出ます。

最初は少ない人数で始めて、来客に応じて増やしてください。

ただし、少なすぎると、来店された方を待たせます。

人員の手配は、2店舗目の人員をどう用意するかで整理しています。

家賃の交渉

契約の前にしかできません。

フリーレントと呼ばれる、開店前の賃料が免除される期間があります。

交渉できる場合があります。

内装の工事の期間に賃料が発生すると、その分が費用です。

契約の前に、条件を確認してください。

契約した後では、変えられません。

開店の広告に使いすぎない

配分の問題です。

開店の告知に費用をかけても、続くとは限りません。

その費用を、運転資金として持つほうが安全な場合があります。

無料でできる告知を、先に済ませてください。

地図の情報の整備、既存の顧客への案内、店頭の掲示。

これらは費用がかかりません。

開店の時期で必要額が変わる

季節の影響を受けます。

閑散期に開けると、最初の数か月の売上がさらに低くなります。

その分、運転資金が多く要ります。

繁忙期に開けると、初月の売上は立ちますが、準備の期間に1店舗目が忙しくなります。

どちらを選んでも、影響を計算に入れてください。

自店の繁忙と閑散は、過去1年の売上から分かります。

設備の支払い方で現金が変わる

同じ設備でも、出方が違います。

一括で購入すると、その月に大きく出ます。

分割や賃借にすると、毎月に分かれます。

現金が少ない時期は、分けるほうが安全です。

ただし、総額は分けるほうが高くなる場合があります。

現金の余裕と、総額の差を比べて判断してください。

売上の見込みを二通り作る

一つだけだと、危険です。

想定通りに進んだ場合と、7割にとどまった場合。

この二つで、資金繰りの表を作ってください。

7割の場合でも現金が持つなら、開けられます。

持たないなら、運転資金を増やすか、時期を遅らせてください。

想定を下回ることのほうが、多く起こります。

数字を店ごとに分ける

合算しないでください。

売上、費用、利益を、店ごとに出してください。

合算すると、2店舗目の赤字が1店舗目の黒字に隠れます。

隠れている間に、現金が減ります。

月ごとに、店別の残高を確認してください。

撤退の費用も計算しておく

閉めるにも費用がかかります。

原状回復の工事、違約金、備品の処分。

これらの金額を、開ける前に確認してください。

撤退の費用が用意できない状態だと、赤字でも続けることになります。

閉める手続きは、サロンを閉めるときの手続きで整理しています。

VANNAでできること

VANNAでは、店舗ごとに予約と売上の記録を分けて持てるため、店別の数字を確認する材料が蓄積されます。事前決済に対応している場合、入金の時期も記録から追えます。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。

資金繰りの表を作成したり、融資の申し込みを支援したりする機能はありません。資金の計画と管理は、別に行うことになります。この点は把握しておいてください。

料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。

開ける前に出す三つの数字

これだけ計算してください。

初期費用の合計。

毎月の不足と、黒字までの月数を掛けた運転資金。

1店舗目に残す3か月分の運転資金。

この三つを足した額が、手元にあるかを確認してください。

なければ、時期ではありません。

よくある質問

初期費用があれば開けられますか

初期費用と運転資金は別です。開けてから黒字になるまでの毎月の不足を埋める現金が、別に必要です。多くの計画で、これが抜けています。

黒字までどのくらいかかりますか

半年から1年を見込んでください。名前が知られていても、その場所では新しい店です。1店舗目にかかった期間が目安になります。

運転資金はどう計算しますか

2店舗目の毎月の固定費から、想定の売上から材料費を引いた額を差し引いてください。その不足に、黒字までの月数を掛けます。

1店舗目の利益を当てにしてよいですか

予備として扱ってください。1店舗目の売上が落ちた瞬間に崩れます。2店舗目の準備で手が回らなくなることも起きます。

1店舗目の現金は使えますか

1店舗目にも3か月分の運転資金が必要です。その分を残したうえで、余った現金だけを使ってください。口座を分けると守りやすくなります。

借りてもよいですか

問題ありません。ただし、返済の額を毎月の固定費に含めて計算してください。返済が黒字より先に始まる場合、その期間の資金が別に要ります。

借入の相談はいつしますか

申し込みから実行まで1か月以上かかる場合があります。物件を契約してからでは間に合いません。事業の計画を作ってから相談してください。

開店の月に気をつけることは

保証金、仲介の手数料、内装の残金、備品、広告が同じ月に出ます。売上はほとんど立ちません。数か月分の費用が一度に出る場合があります。

資金繰りの表は必要ですか

12か月分で足ります。各月の入金と出金を書き、残高が最も少なくなる月を見てください。その月を越えられるかが判断の基準です。

売上があれば現金はありますか

売上が立った日と入金される日は違います。カードや電子的な決済は、数週間後の入金になる場合があります。

想定より遅れたらどうしますか

「6か月で黒字にならなければこうする」と、開ける前に決めてください。決めていないと、判断できずに現金を使い続けます。

初期費用を減らす方法は

設備を借りる、内装を最小限で開けて後から足す、備品を1店舗目から回す、広告を分ける。減った分は運転資金に回せます。

人員は最初から揃えますか

開店の直後は来客が少ない状態です。満席を前提にした人数を置くと、費用だけが出ます。少ない人数で始めて、来客に応じて増やしてください。

家賃は交渉できますか

契約の前だけです。開店前の賃料が免除される期間を、交渉できる場合があります。契約した後では変えられません。

開店の広告にいくらかけますか

かけても続くとは限りません。無料でできる告知を先に済ませてください。地図の情報の整備、既存の顧客への案内、店頭の掲示です。

開ける時期で必要額は変わりますか

変わります。閑散期に開けると最初の数か月の売上がさらに低くなり、運転資金が多く要ります。繁忙期なら準備の期間に1店舗目が忙しくなります。

設備は一括で買いますか

現金が少ない時期は、分割や賃借で毎月に分けるほうが安全です。ただし総額は高くなる場合があります。現金の余裕と総額の差を比べてください。

売上の見込みはどう置きますか

想定通りの場合と、7割にとどまった場合の二通りで表を作ってください。7割でも現金が持つなら開けられます。想定を下回ることのほうが多く起こります。

数字は合算しますか

しないでください。合算すると、2店舗目の赤字が1店舗目の黒字に隠れます。隠れている間に現金が減ります。

撤退の費用も要りますか

原状回復の工事、違約金、備品の処分。開ける前に金額を確認してください。用意できないと、赤字でも続けることになります。

何が一番の失敗ですか

運転資金を用意せずに開けることです。潰れるのは、たいてい2店舗目ではなく1店舗目です。

開ける前に出す数字は

初期費用の合計、運転資金、1店舗目に残す3か月分。この三つを足した額が手元にあるかを確認してください。

足りない場合は

時期ではありません。1店舗目の利益を積み上げるか、借入で補うか。どちらも、計画を作ってから判断してください。

出典

本記事は2026年7月時点の一般的な情報の整理です。必要な資金の額や黒字までの期間は、業種、立地、規模によって大きく変わります。資金計画や融資の判断は、金融機関や税理士などの専門家にご相談ください。VANNAの料金・機能・キャンペーン条件は変更される場合があります。