2店舗目の資金繰り|黒字化までの現金が、1店舗目を潰す
公開: 2026年7月29日最終更新: 2026年8月1日
Summary
2店舗目を出すときの資金計画を整理します。初期費用と運転資金の違い、黒字までの期間の見積もり、毎月の不足の計算、1店舗目の現金に手を付けない線引き、借入と返済開始の時期、資金繰り表の作り方、撤退の費用を扱います。
2店舗目の初期費用は用意しました。開けてから半年、1店舗目の利益がすべて2店舗目に流れています。
潰れるのは、たいてい2店舗目ではなく1店舗目です。開店の費用より、黒字になるまでの現金のほうが重要です。

初期費用と、運転資金は別
まず、ここを分けてください。初期費用は、開けるまでにかかる費用です。内装、設備、敷金、備品。対して運転資金は、開けてから黒字になるまでの毎月の不足を埋める現金になります。
初期費用だけを用意して開けると、数か月で現金が尽きます。必要なのは、この二つの合計です。ところが多くの計画で、後者が抜けています。
黒字になるまでの期間を見積もる
短く、見積もらないでください。1店舗目のときに何か月かかったかを、思い出してください。2店舗目でも、同じかそれ以上かかります。名前が知られていても、その場所では新しい店だからです。半年から1年を、見込んでください。見込みより早く黒字になれば、資金が残るだけです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 初期費用 | 内装・設備・敷金・備品 |
| 運転資金 | 黒字までの毎月の不足×月数 |
| 予備 | 想定外の遅れの分 |

毎月の不足を計算する
ここは、具体的に出してください。2店舗目の毎月の固定費を、書き出します。家賃、人件費、水道光熱費、通信費、返済。これが、売上がゼロでも出ていく金額です。想定の売上から材料費を引いた額と、比べてください。その差が、毎月の不足になります。
不足に月数を掛ける
これが、運転資金です。毎月の不足が30万円で黒字まで8か月なら、240万円になります。この金額を、開ける前に用意してください。用意できないなら、開ける時期ではありません。借りて用意する場合は、返済も固定費に含めます。返済を含めると、不足がさらに増えます。
1店舗目の利益を当てにしない
これが、最も危うい前提です。1店舗目の利益で2店舗目を支える計画は、成立する場合もあります。ただし1店舗目の売上が落ちた瞬間に、崩れます。しかも2店舗目を開ける準備で、1店舗目に手が回らなくなるのが実情です。近い場所なら、客も分かれます。判断は、2店舗目をどこに出すかで整理しています。
1店舗目の利益は、予備として扱ってください。計画の前提にしないでください。
1店舗目の現金に手を付けない
ここに、線を引いてください。1店舗目の運転資金を、2店舗目に回さないことです。1店舗目にも、3か月分の運転資金が要ります。その分を残したうえで、余った現金だけを使ってください。口座を分けると、この線が守りやすくなります。事業用と私用の分け方は、事業用と私用を分けるで整理しています。
借りる場合の考え方
自己資金だけで足りないことは、多くあります。借りること自体は、問題ありません。ただし返済の額を、毎月の固定費に含めて計算してください。据置の期間があるかも、確認します。そのうえで、返済が始まる時期と黒字になる時期を比べてください。返済のほうが先に来る場合、その期間の資金が別に要ります。
借入の相談は早めに
これは、時間がかかります。申し込みから実行まで、1か月以上かかる場合があるためです。物件を契約してから相談すると、間に合いません。事業の計画を作ってから、相談してください。2店舗目の場合、1店舗目の実績が資料になります。決算の書類と月ごとの試算表を、用意しておいてください。
開店の月に費用が集中する
ここは、見落とされます。保証金、仲介の手数料、内装の残金、備品、広告。これらが、同じ月に出ていきます。一方で売上は、その月にはほとんど立ちません。開店の月だけで、数か月分の費用が出る場合もあります。月ごとの資金の出入りを、表にしてください。
月ごとの資金繰り表を作る
12か月分で、足ります。各月の入金と出金を、書いてください。残高がどの月に最も少なくなるかを、見ます。その月を越えられるかが、判断の基準です。残高がマイナスになる月があるなら、開ける時期を遅らせてください。作り方は、サロンの経費管理を月末30分で回すで整理しています。

入金の時期がずれる
これは、現金の話です。売上が立った日と、入金される日は違います。カードや電子的な決済は、数週間後の入金になる場合があるためです。売上があっても、手元に現金がない状態が起きます。入金の時期を確認して、資金繰りの表に反映してください。
想定より遅れた場合の線
ここも、先に決めてください。「6か月で黒字にならなければ、こうする」。その内容を、開ける前に決めておきます。営業の時間を減らす。人員を減らす。閉める。決めていないと、判断できずに現金を使い続けることになります。判断の期限を、紙に書いてください。
費用を後ろに倒す
ここには、工夫の余地があります。設備を、購入ではなく借りる形にする。内装を、最小限で開けて、後から足す。備品を、1店舗目から回す。広告を、開店の直後に集中させず、分ける。初期費用が減れば、その分を運転資金に回せます。
人件費が最も重い
人件費は、固定費の中で最大になります。開店の直後は、来客が少ない状態です。その状態で満席を前提にした人数を置くと、費用だけが出ていきます。最初は少ない人数で始めて、来客に応じて増やしてください。ただし少なすぎると、来店された方を待たせます。人員の手配は、2店舗目の人員をどう用意するかで整理しています。
家賃の交渉
これは、契約の前にしかできません。フリーレントと呼ばれる、開店前の賃料が免除される期間があり、交渉できる場合があります。内装の工事の期間に賃料が発生すれば、その分がまるごと費用です。契約の前に、条件を確認してください。契約した後では、変えられません。
開店の広告に使いすぎない
これは、配分の問題です。開店の告知に費用をかけても、その効果が続くとは限りません。その費用を運転資金として持つほうが、安全な場合もあります。無料でできる告知を、先に済ませてください。地図の情報の整備、既存の顧客への案内、店頭の掲示。これらには、費用がかかりません。
開店の時期で必要額が変わる
ここは、季節の影響を受けます。閑散期に開けると、最初の数か月の売上がさらに低くなるためです。その分、運転資金が多く要ります。繁忙期に開けると初月の売上は立ちますが、準備の期間に1店舗目が忙しくなります。どちらを選んでも、影響を計算に入れてください。自店の繁忙と閑散は、過去1年の売上から分かります。
設備の支払い方で現金が変わる
同じ設備でも、現金の出方が違います。一括で購入すればその月に大きく出ますが、分割や賃借にすれば毎月に分かれます。現金が少ない時期は、分けるほうが安全です。ただし総額は、分けるほうが高くなる場合があります。現金の余裕と総額の差を比べて、判断してください。
売上の見込みを二通り作る
一つだけだと、危険です。想定通りに進んだ場合と、7割にとどまった場合。この二つで、資金繰りの表を作ってください。7割の場合でも現金が持つなら、開けられます。持たないなら運転資金を増やすか、時期を遅らせてください。現実には、想定を下回ることのほうが多く起こります。
数字を店ごとに分ける
ここも、合算しないでください。売上、費用、利益を、店ごとに出します。合算すると、2店舗目の赤字が1店舗目の黒字に隠れてしまうためです。隠れている間に、現金が減ります。月ごとに、店別の残高を確認してください。
撤退の費用も計算しておく
閉めるにも、費用がかかります。原状回復の工事、違約金、備品の処分。これらの金額を、開ける前に確認してください。撤退の費用が用意できない状態だと、赤字でも続けるしかなくなります。閉める手続きは、サロンを閉めるときの手続きで整理しています。
VANNAでできること
VANNAでは、店舗ごとに予約と売上の記録を分けて持てるため、店別の数字を確認する材料が蓄積されます。事前決済に対応している場合、入金の時期も記録から追えます。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。
資金繰りの表を作成したり、融資の申し込みを支援したりする機能はありません。資金の計画と管理は、別に行うことになります。この点は把握しておいてください。
料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。
開ける前に出す三つの数字
これだけは、計算してください。初期費用の合計。毎月の不足と、黒字までの月数を掛けた運転資金。1店舗目に残す3か月分の運転資金。この三つを足した額が手元にあるかを、確認します。なければ、まだ時期ではありません。
よくある質問
初期費用があれば開けられますか
初期費用と運転資金は別です。開けてから黒字になるまでの毎月の不足を埋める現金が、別に必要です。多くの計画で、これが抜けています。
黒字までどのくらいかかりますか
半年から1年を見込んでください。名前が知られていても、その場所では新しい店です。1店舗目にかかった期間が目安になります。
運転資金はどう計算しますか
2店舗目の毎月の固定費から、想定の売上から材料費を引いた額を差し引いてください。その不足に、黒字までの月数を掛けます。
1店舗目の利益を当てにしてよいですか
予備として扱ってください。1店舗目の売上が落ちた瞬間に崩れます。2店舗目の準備で手が回らなくなることも起きます。
1店舗目の現金は使えますか
1店舗目にも3か月分の運転資金が必要です。その分を残したうえで、余った現金だけを使ってください。口座を分けると守りやすくなります。
借りてもよいですか
問題ありません。ただし、返済の額を毎月の固定費に含めて計算してください。返済が黒字より先に始まる場合、その期間の資金が別に要ります。
借入の相談はいつしますか
申し込みから実行まで1か月以上かかる場合があります。物件を契約してからでは間に合いません。事業の計画を作ってから相談してください。
開店の月に気をつけることは
保証金、仲介の手数料、内装の残金、備品、広告が同じ月に出ます。売上はほとんど立ちません。数か月分の費用が一度に出る場合があります。
資金繰りの表は必要ですか
12か月分で足ります。各月の入金と出金を書き、残高が最も少なくなる月を見てください。その月を越えられるかが判断の基準です。
売上があれば現金はありますか
売上が立った日と入金される日は違います。カードや電子的な決済は、数週間後の入金になる場合があります。
想定より遅れたらどうしますか
「6か月で黒字にならなければこうする」と、開ける前に決めてください。決めていないと、判断できずに現金を使い続けます。
初期費用を減らす方法は
設備を借りる、内装を最小限で開けて後から足す、備品を1店舗目から回す、広告を分ける。減った分は運転資金に回せます。
人員は最初から揃えますか
開店の直後は来客が少ない状態です。満席を前提にした人数を置くと、費用だけが出ます。少ない人数で始めて、来客に応じて増やしてください。
家賃は交渉できますか
契約の前だけです。開店前の賃料が免除される期間を、交渉できる場合があります。契約した後では変えられません。
開店の広告にいくらかけますか
かけても続くとは限りません。無料でできる告知を先に済ませてください。地図の情報の整備、既存の顧客への案内、店頭の掲示です。
開ける時期で必要額は変わりますか
変わります。閑散期に開けると最初の数か月の売上がさらに低くなり、運転資金が多く要ります。繁忙期なら準備の期間に1店舗目が忙しくなります。
設備は一括で買いますか
現金が少ない時期は、分割や賃借で毎月に分けるほうが安全です。ただし総額は高くなる場合があります。現金の余裕と総額の差を比べてください。
売上の見込みはどう置きますか
想定通りの場合と、7割にとどまった場合の二通りで表を作ってください。7割でも現金が持つなら開けられます。想定を下回ることのほうが多く起こります。
数字は合算しますか
しないでください。合算すると、2店舗目の赤字が1店舗目の黒字に隠れます。隠れている間に現金が減ります。
撤退の費用も要りますか
原状回復の工事、違約金、備品の処分。開ける前に金額を確認してください。用意できないと、赤字でも続けることになります。
何が一番の失敗ですか
運転資金を用意せずに開けることです。潰れるのは、たいてい2店舗目ではなく1店舗目です。
開ける前に出す数字は
初期費用の合計、運転資金、1店舗目に残す3か月分。この三つを足した額が手元にあるかを確認してください。
足りない場合は
時期ではありません。1店舗目の利益を積み上げるか、借入で補うか。どちらも、計画を作ってから判断してください。
出典
本記事は2026年7月時点の一般的な情報の整理です。必要な資金の額や黒字までの期間は、業種、立地、規模によって大きく変わります。資金計画や融資の判断は、金融機関や税理士などの専門家にご相談ください。VANNAの料金・機能・キャンペーン条件は変更される場合があります。



