サロンのシフト作成の基本|先に固定する5つの制約と、組む順序
公開: 2026年7月28日最終更新: 2026年8月7日
Summary
シフト作成に月3〜5時間かけているなら、作り方が決まっていないのが原因です。先に固定する5つの制約、洗い出しと埋めを分ける順序、希望の集め方、労働時間で見落としやすい点を整理します。
スタッフが2人、3人と増えると、シフト作成が毎月の重荷になります。希望を集めて、埋まらない日を埋めて、直前の変更に対応して。この作業に月3時間から5時間かけているサロンは、珍しくありません。
負担が大きいのは、作り方が決まっていないからです。順序と制約を先に決めておくことで、作業は半分以下になります。

先に決めておく5つの制約
シフトを組む前に、次の5つを固定してください。毎月これを考え直しているから、時間がかかるのです。
第一に、営業日と営業時間。定休日、営業開始と終了、繁忙期に延長する日を決めます。
第二に、1日に必要な人数。曜日と時間帯ごとに、最低何人いれば回るかを書き出してください。土曜の午後は3人、平日の午前は1人、といった形です。
第三に、各スタッフの契約上の勤務条件。週の所定労働日数と時間、勤務できない曜日、扶養の範囲内で働く場合の上限。これらは本人の希望ではなく契約で決まっている条件のため、毎月変わりません。
第四に、休憩の取り方。労働時間が6時間を超えれば45分以上、8時間を超えれば1時間以上の休憩を与える必要があります。予約が詰まると休憩が飛びやすいため、枠として先に確保してください。
第五に、希望を出す締切。月末の何日までに翌月分を出してもらうかを決めて、遅れた場合の扱いも決めておきます。
| 決めること | 決めておかないと |
|---|---|
| 営業日と営業時間 | 毎月ゼロから考えることになる |
| 時間帯ごとの必要人数 | 過剰配置と手薄が同時に起きる |
| 契約上の勤務条件 | 法定の上限を超える組み方をしてしまう |
| 休憩の確保 | 予約に押し出されて休憩が取れない |
| 希望提出の締切 | 作成が始められない |
作る順序
制約が決まっていれば、あとは順に埋めるだけになります。
- 固定で決まっている勤務を先に置く。週◯曜は必ず出勤、という取り決めがある場合
- 提出された休み希望を反映する
- 必要人数に足りない枠を洗い出す
- 足りない枠を、勤務可能な人で埋める
- 各人の労働時間を合計し、契約と法定の範囲に収まっているか確認する
- 休憩の枠を入れる
- 公開する
ここでの要点は、3番と4番を分けること。まとめてやろうとすると、埋めた後で別の日が足りなくなりやり直しになるためです。足りない枠を全部洗い出してから埋めることで、調整が一度で済みます。

希望の集め方を仕組みにする
シフト作成の手間の半分は、希望を集める段階にあります。個人的なメッセージでばらばらに届くと、集約するだけで時間がかかるためです。
次の3点を決めるだけで、大きく変わります。
まず、提出の様式を統一してください。日付と、休みたいのか出勤できるのかを書く形にします。「この日は無理かもしれません」といった曖昧な回答が来ないよう、選択肢を絞ってください。
次に、提出先を1か所にします。人によってメッセージだったり口頭だったりすると、抜けが出るためです。
そして、締切を過ぎた場合の扱いを決めてください。締切後に出された希望は反映しない、と決めておくことで遅れが減ります。
なお希望が集中する日については、あらかじめ順番のルールを決めておくことで揉めずに済みます。前回優先された人は次回は後回しにする、といった形です。
人数の決め方を予約から逆算する
「何人いれば回るか」を感覚で決めていると、過剰配置と手薄が同時に起きます。ですから、予約の実績から逆算してください。
やり方は、単純です。過去3か月分の予約を、曜日と時間帯ごとに集計してください。1時間ごとに何件の施術が重なっていたかを数えて、そのピークに対応できる人数を出します。
| 曜日・時間帯 | 同時施術のピーク | 必要人数 |
|---|---|---|
| 平日 午前 | 1件 | 1人 |
| 平日 午後 | 2件 | 2人 |
| 土曜 午前 | 2件 | 2人 |
| 土曜 午後 | 3件 | 3人 |
| 日曜 終日 | 2件 | 2人 |
この表が手元にあることで、シフト作成が「必要人数を満たすように配置する」という単純な作業になります。感覚で「土曜は忙しいから多めに」と決めていたのが、根拠のある配置に変わります。
なお集計すると、思っていたのと違う結果が出ることもあります。忙しく感じていた曜日が実は平均的で、静かだと思っていた時間帯にピークがある。体感と実績は、ずれるものです。
ただしピークに合わせて常に人を置くと、人件費が膨らみます。ピークが週に1、2回しかないなら、その時間帯だけ勤務してもらう形も検討してください。
一人サロンの「シフト」は自分の稼働設計
スタッフがいない場合でも、自分の稼働時間を決める意味は変わりません。むしろ決めないと、営業時間が際限なく伸びるためです。
決めることは、3つです。
第一に、予約を受けない日。定休日を設けず「予約が入れば出る」という運用にすると、休みが消えます。カレンダー上で、先に閉じてください。
第二に、予約を受けない時間帯。1日の最終受付を、何時にするか。片付けと事務の時間を確保しないと、閉店後の作業が深夜に及びます。
第三に、施術以外の時間。仕入れ、経理、SNSの更新、掃除。これらを予約の合間にやろうとすると、常に追われることになります。週のどこかにまとめて、枠を取ってください。
一人サロンは自分が休むと売上がゼロになるため、休みを取りづらい構造にあります。だからこそ先に休みを入れてから予約を受ける順序に、してください。
なお、当日に急な欠勤が出た場合の動き方はスタッフが急に休んだ日で扱っています。
直前の変更にどう備えるか
シフトは、組んだ後が本番です。体調不良や急な用事は、必ず起きます。
備え方は、3つあります。
第一に、代わりを頼む手順を決めておくこと。誰が誰に連絡するのか、どこまで本人が探すのか、店が調整するのか。これを決めていないと、当日の朝に混乱します。
第二に、予約の枠を少し余らせておくこと。全枠を埋めきると、1人欠けた時点で予約の変更をお願いすることになるためです。
第三に、お客様への連絡文を用意しておくこと。担当者が変わる場合、施術を別日にお願いする場合。それぞれの文面を先に作っておくことで、慌てて書かずに済みます。
なお労働条件として決めた勤務日を店の都合で減らす場合、休業手当の扱いが問題になることがあります。予約が少ないから帰ってもらう、という運用を続けているなら社会保険労務士に確認してください。
公開したシフトを変えるとき
一度公開したシフトを店の都合で変える場合、扱いに注意が必要になります。
出勤日を休みに変える場合、店の都合による休業として休業手当の対象になりうるとされています。予約が少ないから来なくてよい、という運用を続けているなら確認が要ります。
休みの日を出勤日に変える場合は、本人の同意が必要になります。シフトとして公開した時点で、その日は休みであるという前提で予定を立てているためです。
時間を延ばす場合は、時間外労働として割増賃金の対象になることがあります。1日8時間、週40時間を超える部分については労使協定の締結と届出が必要です。
| 変更の内容 | 注意する点 |
|---|---|
| 出勤日を休みにする | 休業手当の対象になりうる |
| 休みを出勤日にする | 本人の同意が必要 |
| 終了時刻を延ばす | 法定労働時間を超えれば割増賃金と労使協定 |
| 担当を入れ替える | 指名予約が入っている場合はお客様への連絡が要る |
変更が頻繁に起きるなら、シフトの組み方そのものに無理があります。必要人数の見積もりが甘い、希望の集め方が機能していない。そうした原因を、探してください。
労働時間の管理で見落としやすいこと
シフトを組む側が見落としやすい点を、挙げます。
まず、開店前の準備と閉店後の片付けは労働時間になります。「10時開店だから10時から」としていても、実際に9時30分に来て準備しているならその時間も労働時間として扱う必要があります。
移動時間の扱いも、確認してください。訪問での施術がある場合、移動が労働時間に含まれるかは状況によって判断が変わります。
そして法定労働時間を超えた分については、割増賃金が必要です。1日8時間、週40時間が原則で、これを超える場合は時間外労働に関する労使協定が必要になります。
| 見落としやすい時間 | 扱い |
|---|---|
| 開店前の準備 | 指示があれば労働時間 |
| 閉店後の片付けと清掃 | 同上 |
| 講習会や勉強会 | 参加が実質的に強制なら労働時間になりうる |
| 待機している時間 | 業務から離れられないなら労働時間 |
これらを労働時間に含めずに運用していると、後から遡って請求される可能性があります。記録を残して、含めるかどうかを明確にしてください。
年次有給休暇の扱いを組み込む
シフトを組むとき、有給休暇を考慮に入れていないサロンもあります。しかし条件を満たすスタッフには有給休暇を与える義務があるため、シフト作成の前提になります。
雇い入れの日から6か月継続して勤務し、所定労働日の8割以上出勤したスタッフには年次有給休暇を与える必要があります。週の所定労働日数が少ないパートの場合も、日数に応じて比例的に付与されます。
さらに年10日以上の有給休暇が付与されるスタッフについては、そのうち年5日を確実に取得させる義務があります。本人が申し出ないから取得しない、という状態は放置できません。
シフト作成の実務としては、次のように組み込んでください。
- 各人の有給休暇の残日数を把握しておく
- 年5日の取得義務がある人については、取得の予定を年の前半に置く
- 希望を集める際、有給を使うかどうかを併せて確認する
- 繁忙期に集中しないよう、早めに調整する
取得の時季については、事業の正常な運営を妨げる場合に変更を求められる仕組みがありますが、単に忙しいというだけで一律に断れるものではありません。判断に迷う場合は、社会保険労務士に確認してください。
シフトと予約枠は連動させる
シフトを作っても、予約の受付枠に反映されていなければ意味がありません。誰も出勤していない時間に予約が入る、指名したスタッフが休みの日に指名予約が入る。そうしたことが、起きます。

VANNAでは、スタッフごとに対応可能な時間を設定することで、その人が出勤している時間だけが予約の空き枠として表示されます。指名予約を受ける場合は、指名した人の空いている時間だけが提示されます。メニューごとに所要時間を登録しておけば、施術にかかる時間を含めて空き枠が自動計算されます。これらは、Maxプランのカレンダー予約の機能です。
来店前のメールリマインドは全プランで使えます。管理画面に入るユーザーはプランごとに上限があり、Proは2名、Max以上はより多くの人数を登録できます。
一方でシフト表そのものを作る機能はないため、勤務の希望を集めて組む作業は別の方法で行うことになります。組んだ結果を予約枠に反映する部分が自動化される、という位置づけです。
料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。決済を使う場合のStripe決済手数料は店舗負担で別途かかります。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。
よくある質問
シフトは何日前までに公開すべきですか
法律で一律の日数が決まっているわけではありませんが、生活の予定を立てられる長さが必要です。前月の中旬までに翌月分を公開する運用が一般的です。就業規則や労働条件通知書に定めがある場合は、それに従ってください。
希望どおりにならなかった人にどう説明しますか
決め方のルールを先に共有しておくことが説明の土台になります。「前回優先された人は次回後回し」といったルールがあれば、個別の判断ではなく仕組みとして説明できます。
予約が少ない日に早く帰ってもらってよいですか
店の都合で所定の労働時間を短くする場合、休業手当の支払いが必要になることがあります。運用として続けているなら、社会保険労務士に確認してください。
アルバイトでも休憩は必要ですか
必要です。労働時間が6時間を超えれば45分以上、8時間を超えれば1時間以上の休憩を与える必要があり、雇用の形態によって変わるものではありません。
勉強会への参加は労働時間になりますか
参加が実質的に強制されている場合、労働時間として扱われうるとされています。任意参加であっても、参加しないと不利益がある状況なら同様です。判断に迷う場合は労働基準監督署に確認してください。
一人サロンでもシフトを作る意味はありますか
自分の稼働時間を決めておく意味はあります。予約を受ける時間を決めずにいると、営業時間が際限なく伸びます。休む日と、予約を受けない時間帯を先に決めてください。
出典
本記事は2026年7月時点の一般的な情報の整理であり、個別の法的助言ではありません。労働時間の算定、休業手当の要否、労使協定の締結については、社会保険労務士等の専門家、または労働基準監督署にご確認ください。VANNAの料金・機能・キャンペーン条件は変更される場合があります。



