訪問美容を知ってもらう|探しているのは本人ではない
公開: 2026年8月5日
Summary
依頼が来るまでの動き方を整理します。探すのはご家族とケアマネジャーだという構造、地域包括支援センターへの案内のしかた、持って行く紙に書く内容、説明を3つに絞る理由、施設は組織として判断される点、断られた後の扱い、サイトに書く項目、費用のかからない順番、同業との関係、対応範囲を先に決めることを扱います。
訪問を始めたものの、依頼が来ません。求めている方はいるはずなのに、こちらの存在が届いていない状態です。
訪問美容では、本人が自分で店を探すとは限りません。探すのは、ご家族か、支援している側です。つまり、広告の届け先が店内とは違います。
なお、訪問できる条件や準備そのものはサロンの出張・訪問施術の扱いで扱っています。この記事は、知ってもらうための動き方に絞ります。

誰が探しているのか
まず、ここを間違えないでください。届け先が違えば、やることも変わります。
自分で検索して予約される方は、多くありません。外出が難しい状況にある方ほど、自分で探す余力がないためです。
代わりに探すのは、ご家族です。「母の髪をどうにかしたい」と考えて調べ始めるため、検索に出る形が要ります。
そして、相談を受けるのがケアマネジャーや施設の職員です。生活の困りごとを聞く立場にあるため、髪の話も自然に出てきます。
つまり、この2つの層に届けば依頼が来ます。本人向けの広告を出しても、届きにくい構造になっています。
| 届け先 | 探し方 | 効く手段 |
|---|---|---|
| ご家族 | 検索する | サイト・地図サービス |
| ケアマネジャー | 相談を受けて紹介先を探す | 直接の案内・資料 |
| 施設の職員 | 施設として業者を探す | 直接の案内・実績 |
地域包括支援センターとは何か
まず、この機関を知ってください。訪問美容の入口になります。
市区町村が設置している相談の窓口で、高齢の方やご家族から生活全般の相談を受けています。
つまり、髪や身だしなみの困りごともここに集まるため、訪問できる事業者を把握していれば紹介されることがあります。
そして、公的な機関なので、営業を目的に押しかける場所ではありません。あくまで、地域の資源のひとつとして知っていただく形になります。
行く前に、電話で確認してください。「訪問美容を行っているのですが、ご案内に伺ってもよろしいでしょうか」と聞けば、可否と方法が分かります。
何を持って行くか
手ぶらで説明すると、残りません。紙を1枚用意してください。
書くのは、対応できる範囲です。どの地域まで行けるか、何ができるか、料金はいくらか。この3つが最低限になります。
そして、対応できないことも書いてください。設備が要る施術はできない、この曜日は行けない。ここが書いてあると、相手も紹介しやすくなります。
連絡先は、大きく書いてください。紹介する側は、必要になったときに電話番号を探して困ることがあります。
なお、装飾は要りません。事実が整理されている紙のほうが、実務では使われます。

説明する内容を絞る
時間をいただく以上、短く済ませてください。相手は忙しくしています。
伝えるのは、3つで足ります。何ができるか、どこまで行けるか、どう連絡すればよいか。
技術の説明は、要りません。紹介する側が知りたいのは、頼めるかどうかだけです。
そして、その場で契約を求めないでください。案内するために伺った、という形で終えるほうが残ります。押すと、次から会っていただけなくなります。
5分で終える前提にしてください。長く話すほど、相手の負担になります。
施設への案内
施設は、また扱いが違います。組織として判断されます。
決めるのは、施設長や統括の方です。現場の職員が良いと思っても、その方だけでは決まらないためです。
そのため、窓口を確認してください。「外部の業者のご相談は、どなたにお伝えすればよろしいでしょうか」と聞けば分かります。
そして、既に別の業者が入っている場合があります。その場合、無理に割り込まないでください。
条件が合わずに探している段階なら、機会があります。断られたら、資料だけ置いて引いてください。数年後に連絡が来ることも、実際にあります。
断られた後の扱い
多くは、その場では決まりません。ここが前提になります。
必要になった時点で、初めて思い出されます。つまり、今すぐ結果が出るとは限らないということです。
だからこそ、資料を残す意味があります。手元に残っていれば、必要になったときに連絡していただけます。
そして、繰り返し訪ねないでください。1度案内すれば足ります。何度も来られると、印象が悪くなります。
半年から1年に1度、状況が変わったときに連絡する程度で構いません。「対応できる地域が広がりました」といった変更があれば、伝える理由になります。

サイトに何を書くか
ご家族が探すのは、検索です。ここは書き方で決まります。
地域名を入れてください。「◯◯市 訪問美容」で探されるため、地域が書かれていないと見つかりません。
そして、対応できる状態を具体的に書いてください。寝たきりでも可能か、車椅子はどうか。ご家族はここを確認したがっています。
料金も、明示してください。問い合わせないと分からない形にすると、そこで離れます。
なお、効果を約束する表現は使わないでください。表現の範囲は、美容サロンの効果表現とコンプライアンスで整理しています。
実績が信用になる
紹介する側は、失敗できません。ここを理解してください。
紹介した先で問題が起きると、紹介した側の責任になります。そのため、確実だと分かっている相手を選びます。
つまり、1件目を丁寧にやることが、次につながります。同じ施設から2件目、3件目と広がるのはこの構造です。
そして、時間を守ることが最も効きます。技術の評価より先に、扱いやすさが見られるためです。
なお、こちらから実績を数字で語る必要はありません。「◯件対応しています」と述べるより、目の前の1件を丁寧にするほうが伝わります。
費用をかけない方法から
広告に費用をかける前に、できることがあります。順番を守ってください。
まず、地図サービスへの登録です。無料で登録でき、地域名での検索に出るようになります。
次に、サイトへの記載です。既に店のサイトがあるなら、訪問についてのページを1つ足すだけで済みます。新しく作る必要はありません。
そして、地域包括支援センターへの案内です。ここまで、費用はほとんどかかりません。
有料の広告は、その後で構いません。この3つで依頼が来ないなら、広告を出しても同じ層に届かない可能性があります。
| 手段 | 費用 | 効き方 |
|---|---|---|
| 地図サービスの登録 | 無料 | ご家族の検索に出る |
| サイトへの記載 | ほぼ無料 | 地域名+訪問美容で見つかる |
| 地域包括への案内 | 交通費のみ | 相談から紹介される |
| 施設への案内 | 交通費のみ | 決まれば継続する |
VANNAでできること
VANNAでは、サイトに訪問についての案内を載せられます。対応できる地域や状態、料金を記載しておけば、ご家族が判断できます。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。
問い合わせを受ける窓口も設置できるため、電話以外の経路を作れます。日中に電話に出られない場合、この経路があると取りこぼしが減ります。
一方で、地域包括支援センターや施設への案内を行う機能はありません。ここは足を運ぶことになります。
料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。
同業との関係
同じ地域に、訪問をしている方がいる場合があります。ここは競うより、分けるほうが機能します。
対応できる範囲は、それぞれ違います。地域、曜日、対応できる状態。全部が重なることは、まずありません。
そのため、受けられない依頼を回し合える関係があると、双方の役に立ちます。断って終わるより、紹介できるほうが相手にも喜ばれます。
そして、自分が続けられなくなったときの受け皿にもなります。訪問は1人で抱えると止まる形なので、この関係は保険になります。
なお、顧客の情報は渡さないでください。紹介するのは、こちらの連絡先までです。
受けられる量を先に決める
依頼が来るようになってから困る、という順序を避けてください。
1週間に何件まで受けられるかを、先に計算してください。移動の時間を含めると、店内より少ない数字になります。
そして、その上限を超えたら断ってください。受けてから遅れるより、最初に断るほうが信用は保たれます。
紹介する側にも、対応できる件数を伝えておいてください。「週に3件までです」と言ってあれば、無理な依頼は来ません。
なお、店舗と並行している場合は、店の営業への影響も見てください。訪問を増やした分だけ、店内の枠が減ることになります。
医療機関との違いを説明できるようにする
紹介する側から、必ず聞かれることがあります。答えを用意してください。
「資格はありますか」は、頻繁に聞かれます。美容師免許を持っていること、訪問できる条件があることを、短く答えられる形にしておいてください。
そして、何ができて何ができないかも聞かれます。医療的な行為は行わない、体調の判断はしない。ここを明確にすると、安心して紹介していただけます。
保険の加入状況も、確認されることがあります。施術者賠償責任保険に入っているなら、そう伝えてください。制度の考え方は、サロンに必要な保険の種類と優先順位で整理しています。
こうした質問に詰まると、その場で信用が下がります。事前に答えを用意しておいてください。
続けられる形で始める
依頼が来ると、断りにくくなります。始める前に、範囲を決めておいてください。
対応できる地域を、地図で線を引いてください。「片道30分以内」といった基準があれば、遠い依頼はその場で判断できます。
曜日も決めてください。訪問の日を固定すると、まとめて回れるうえ、店内の営業も守れます。
そして、対応できる状態も決めてください。臥床のままは受けない、という判断も成り立ちます。無理に広げると、安全に行えない場面が出ます。
決めた範囲は、案内の紙に書いてください。書いてあれば、断る場面そのものが減ります。
今日やる一つ
自分の市区町村の地域包括支援センターを調べて、電話番号を控えてください。そして「訪問美容を行っているのですが、ご案内に伺ってもよろしいでしょうか」と1本かけてください。断られても、何も失いません。
よくある質問
誰に向けて案内しますか
ご家族と、ケアマネジャーや施設の職員です。外出が難しい状況にある方ほど、ご自身では探されません。本人向けの広告を出しても届きにくい構造です。
地域包括支援センターとは
市区町村が設置している相談の窓口で、生活全般の相談を受けています。髪や身だしなみの困りごとも集まるため、訪問できる事業者を把握していれば紹介されることがあります。
訪ねてよいですか
行く前に電話で確認してください。「訪問美容を行っているのですが、ご案内に伺ってもよろしいでしょうか」と聞けば、可否と方法が分かります。営業を目的に押しかける場所ではありません。
何を持って行きますか
紙を1枚用意してください。対応できる地域、できること、料金。この3つが最低限です。できないことも書くと、相手が紹介しやすくなります。連絡先は大きく書いてください。
施設への案内は何が違いますか
組織として判断されるため、決めるのは施設長や統括の方です。「外部の業者のご相談は、どなたにお伝えすればよろしいでしょうか」と窓口を確認してください。既に業者が入っている場合は、無理に割り込まないでください。
すぐに依頼は来ますか
多くは、その場では決まりません。必要になった時点で思い出されるため、資料を残す意味があります。繰り返し訪ねないでください。半年から1年に1度、状況が変わったときの連絡で足ります。
サイトには何を書きますか
地域名、対応できる状態(寝たきりや車椅子が可能か)、料金です。問い合わせないと料金が分からない形にすると、そこで離れます。効果を約束する表現は使わないでください。
同業とは競合になりますか
対応できる地域・曜日・状態がそれぞれ違うため、全部が重なることはまずありません。受けられない依頼を回し合える関係があると双方の役に立ちますし、自分が続けられなくなったときの受け皿にもなります。ただし顧客の情報は渡さないでください。
受けられる件数はどう決めますか
1週間に何件までかを先に計算してください。移動の時間を含めると、店内より少なくなります。上限を超えたら断るほうが、受けてから遅れるより信用は保たれます。紹介する側にも「週に3件までです」と伝えておくと、無理な依頼は来ません。
紹介する側から何を聞かれますか
資格の有無、何ができて何ができないか、保険の加入状況です。医療的な行為は行わない、体調の判断はしないという線を明確にすると、安心して紹介していただけます。詰まると、その場で信用が下がります。
何から始めますか
費用のかからない順です。地図サービスへの登録、サイトへの記載、地域包括支援センターへの案内。この3つで依頼が来ないなら、有料の広告を出しても届かない可能性があります。
どこまでを対応範囲にしますか
地図で線を引いてください。「片道30分以内」といった基準があれば、遠い依頼をその場で判断できます。曜日も固定するとまとめて回れますし、店内の営業も守れます。決めた範囲を案内の紙に書いておけば、断る場面そのものが減ります。



