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経営・数値・利益

サロンEC・通販の特定商取引法に基づく表記の書き方|送料・返品・定期販売(サブスク)の整え方【テンプレ付】

公開: 2026年6月29日最終更新: 2026年7月27日

Summary

特商法表記の必須項目・自宅サロンの住所/電話の扱い・送料の正しい書き方・定期購入の最終確認画面表示を、サロン物販向けに穴埋めテンプレで解説。薬機NGと前払い境界も整理。

店販の化粧品やケア用品をお店のネットショップで売ると決めたあとに、必ず立ちはだかるのが法務と表記の壁です。特定商取引法に基づく表記、送料の書き方、返品の条件、そして定期便の表示。どれもなんとなくで埋めると、決済代行の審査に落ちたり、行政指導や信頼低下につながったりすることがあります。

この記事は、売ると決めた後の法務・表記・送料・定期販売を1ページに整える実装ガイドです。売り方や提案そのものはサロンの店販が売れない、ツール選定や始め方はサロンの店販をネットで売るECの始め方で扱います。本記事は表記そのものの作り方に集中します。

サロン通販の特商法表記と送料・定期販売を整える全体フロー
サロン通販の特商法表記と送料・定期販売を整える全体フロー

なぜ特定商取引法に基づく表記が必須になるのか

ネットで商品を売る行為は、特定商取引法上の通信販売に当たり得ます。店頭での手売りには通信販売の表示義務は直ちには生じませんが、ネットで申込みを受けて売る瞬間に表示義務が及び得る。この境界をまず押さえてください。

表記の漏れや不備は、脅しではなく実務上のリスクとして次につながります。行政からの指導や是正の対象になり得ること。連絡先や返品条件が不明だと買われにくく、購入者からの信頼が下がること。そしてStripeなどの決済代行の審査で特商法表記ページの掲載を求められることが多く、表記がないと決済が使えない場面があることです。

自店が表示義務に該当するかを確認する

次のいずれかに当てはまるなら、通信販売の表示義務が及ぶ前提で整えるのが安全です。最終判断は専門家にご確認ください。

  1. ネット上で申込みを受け、商品を発送する
  2. オンラインで前払いを受け取る
  3. ギフト券・回数券・チケットをネットで前売りする

店頭で手売りするだけで支払いも来店時の店頭のみであれば、通信販売の表示義務が直ちに生じるとは限りません。ただし運用次第で該当し得るため、断定はできません。

本記事は自店のネットショップを前提にします。モール出店は特商法の表示がモール側のルールや出店者表示の枠組みに従う部分が多く構造が別のため扱いません。SNS物販は、通信販売の該当性に加えて取引デジタルプラットフォーム消費者保護法などの射程が絡み得るため、これも扱いません。

店頭販売と通信販売で特商法の表示義務が変わる境界図
店頭販売と通信販売で特商法の表示義務が変わる境界図

必須項目とテンプレート

通信販売の広告では、次のような事項の表示が求められ得ます。

項目サロン物販での書き方の例
事業者の氏名屋号だけでなく、運営する個人名か法人名。省略できません
所在地事業の所在地
連絡先・電話番号連絡が取れる電話番号とメール
運営責任者運営の責任者名
販売価格商品ごとの税込価格。省略できません
送料・その他の費用送料、代引や決済の手数料、クール便等の追加費用
支払時期・支払方法「ご注文時にカード決済」など。省略できません
引渡時期「ご入金確認後○営業日以内に発送」など
返品の可否・条件返品の可否、期限、送料負担、不良品対応
その他必要な事項申込みの有効期限、数量限定がある場合の条件など
特商法に基づく表記ページの完成イメージ
特商法に基づく表記ページの完成イメージ

以下は穴埋め用の雛形です。そのまま公開せず、必ず専門家の監修を受けてください。

特定商取引法に基づく表記
■販売事業者名:○○(個人名 or 法人名)
■運営責任者:○○
■所在地:○○
■連絡先:電話 ○○/メール ○○(受付時間 ○○)
■販売価格:各商品ページに税込価格を表示
■商品代金以外の必要料金:送料、決済手数料 ○○
■支払方法・支払時期:クレジットカード(ご注文時に決済)
■引渡時期:ご注文(ご入金確認)後 ○営業日以内に発送
■返品・交換について:
 ・お客様都合の返品:商品到着後○日以内・未開封に限り可/返送送料はお客様負担
 ・不良品・誤発送:商品到着後○日以内にご連絡で、当店送料負担にて交換または返金
 ・化粧品など衛生上の理由で、開封後の返品はお受けできない場合があります

サロン物販に固有の注意点が3つあります。

発送のリードタイムは、一人運営だと毎日発送できないことがあります。「週○回発送」など実態に合う引渡時期を書きます。

不良品対応は、不良や誤発送を店側の送料負担とするのが一般的です。お客様都合の返品との切り分けを明記します。

化粧品の返品不可について、衛生上の理由による開封後の返品不可は、返品特約として明確に表示していることが前提です。書いていないと、購入者に有利なルールが適用される場面があり得ます。範囲と書き方は専門家にご確認ください。

「省略できる」を誤解しない

「個人だから住所や電話は省略できる」という話は、特商法11条但書と施行規則に基づく、通信販売広告の一部記載の省略を指します。前提条件があります。

  • 広告に「請求があれば遅滞なく開示する旨」を表示していること
  • 実際に請求があれば遅滞なく開示できる体制を持っていること
  • 氏名、販売価格、支払時期や方法などは省略できないこと

つまり、条件を満たせば一部の常時掲載を省略できる余地はあるが、無条件に非公開にできるわけではない、が正確な理解です。

自宅サロンの住所・電話・氏名

ここは自宅サロンオーナーの最大の痛点です。住所を出したくない気持ちと、特商法の所在地・電話の表示義務がぶつかります。

省略の条件を満たす場合、表記欄には次のように書きます。

■所在地:お客様からの請求があった場合、遅滞なく書面または電子メールにて開示いたします。
■電話番号:お客様からの請求があった場合、遅滞なく書面または電子メールにて開示いたします。
 (ご連絡はメール ○○ にて承ります)

注意点を整理します。この書き方をしても、請求があれば必ず開示する義務が残ります。開示しない運用はできません。氏名、販売価格、支払時期と方法は省略できず、屋号だけの表示は認められません。バーチャルオフィスや私書箱の利用可否は、提供事業者の規約と特商法上の適否の両面があり、本記事では断定しません。

そして重要な点として、予約の住所非公開運用とは別ルールです。予約は予約確定後にお客様へ住所を案内する運用が成り立ちます。しかし通販の特商法表記は別物で、上記の開示請求対応の枠組みに従う必要があります。予約で住所を隠せたから通販でも同じ、と混同しないでください。予約側の運用と制度の背景は自宅サロン開業の始め方で扱っています。

予約と通販で住所の扱いが違うことを示す対比図
予約と通販で住所の扱いが違うことを示す対比図

送料・手数料・総額表示

送料と総額の表示は、購入後のクレームが最も発生しやすい箇所です。

送料の方式は主に3つです。全国一律、地域別、そしてサイズや重量別です。サロン物販なら全国一律か地域別が分かりやすくおすすめです。

ネットショップの送料表と総額表示のイメージ
ネットショップの送料表と総額表示のイメージ

「送料無料」と書く場合は景品表示法に注意します。「○円以上で送料無料」のように無料の条件と根拠を明示してください。実際は商品価格に送料を上乗せしているのに無料と打ち出すと、有利誤認になり得ます。

総額表示は税込が原則です。決済手数料・代引手数料・クール便代など、後から乗る費用は最終確認画面までに明示します。そして商品代と送料と手数料の合計を、申込み確定前に見せます。

最終確認画面を整える

定期購入だけでなく、単品の通常物販でも、申込み内容を確認・訂正できる画面の整備が論点になります。あわせて、操作ミスによる誤発注の救済という観点からも、数量・金額・送付先を確認して戻って訂正できる導線を用意してください。

二重価格と打ち消し表示

二重価格、つまり「通常価格○円が○円」と書く場合、通常価格は実際に相当期間販売した実績が必要です。架空の通常価格は不当表示になります。「最安」「業界No.1」などの根拠なき断定も避けます。

打ち消し表示の明瞭性も重要です。「送料無料(条件あり)」「○%お得」といった注記は、同一視界・近接・同等の視認性で示します。小さな脚注に送るのは不適切です。

なお「手数料0」と送料・決済手数料は別問題です。VANNA通販の手数料0は仲介手数料を取らないという意味で、決済代行の手数料は店舗負担で別途発生します。送料と決済手数料を顧客負担にするか店負担にするかは、これとは別の販売設計の話です。

定期販売の強化された表示義務

2022年の特商法改正で、定期購入の表示が強化されました。消耗品の定期便や化粧品の定期コースを売るなら、最終確認画面で次の3点を明示する義務があります。

  1. 総額。初回だけでなく、2回目以降を含む支払総額、または各回の金額と継続前提
  2. 分量・引渡時期・回数。各回の数量、お届けの時期と周期、契約回数が無期限か回数縛りか
  3. 解約方法・解約条件・解約期限。どこから、いつまでに、どうやって解約できるか
【最終確認画面の表示例】
・初回 ○円(税込・送料 ○円)
・2回目以降 ○円(税込・送料 ○円)/○週ごとにお届け
・継続回数:回数縛り ○回(または「いつでも解約可」)
・お届け総額の目安:○円(○回継続の場合)
・解約方法:マイページ ○○ から、次回発送日の ○日前までにお手続き
定期購入の最終確認画面に必要な表示3点のワイヤーフレーム
定期購入の最終確認画面に必要な表示3点のワイヤーフレーム

解約させない設計はリスク

「いつでも解約」とうたいながら実際は解約が困難という表示と実態の不一致は、誤認を招く表示として指示や取消しの対象になり得ます。さらに、返金一切なしといった一方的に不利な条項は消費者契約法9条・10条で無効となり得ます。規約文言の考え方はキャンセルポリシー・解約条件の作り方を参照してください。

定期が前払いになる場合

定期便のうち、回数券やチケット、前売り的な設計になると、特商法だけでなく資金決済法の前払式支払手段の検討が別途必要になり得ます。特商法の前払式通信販売と資金決済法の前払式支払手段は、名前が似ているだけの別の法律です。前払い設計の深掘りは回数券・サブスクの導入とオンライン販売へ。

商品ページの落とし穴

本記事は表記が担当ですが、物販では必ず薬機法と衝突するため、境界として最小限カバーします。詳細な言い換えはエステ・痩身のHP表現へ。

化粧品で身体の変化や治療を断定する表現は使えません。化粧品が標榜できる範囲、いわゆる56項目を超えないようにします。

避ける表現言い換えの方向
シミが消える化粧品で標榜できる範囲の表現にとどめる。断定的な改善は不可
アンチエイジング、老化を防ぐ「うるおいを与える」など56項目の範囲内
美白で治る、シワがなくなる医薬部外品で承認された効能の範囲のみ承認文言で。化粧品では不可

これはあくまで方向性です。標榜可能な範囲は、厚生労働省や業界団体の適正広告ガイドライン最新版でご確認ください。

区分によって標榜できる範囲が変わります。化粧品は56項目の範囲のみで効能効果の断定は不可、医薬部外品は承認された効能のみ承認された文言で表現可、化粧品でも医薬部外品でもない雑品は身体への効能効果を標榜できず、美容機器は機器としての機能表現にとどめて医療機器的な効能標榜はできません。自店商品がどの区分かの判断は断定せず、製造販売元や専門家にご確認ください。

化粧品の区分別に標榜できる範囲の早見表
化粧品の区分別に標榜できる範囲の早見表

商品ページにレビューや口コミを載せる場合の最小ルールは2つです。報酬や無償提供などの対価を渡して書いてもらった口コミは、事業者の表示である旨を明示します。低評価だけ選んで非表示にするなど選択的な掲載は、有利誤認になり得ます。詳しくはステマ規制をご確認ください。

購入フローで漏れがちな点も2つあります。購入者の氏名・住所・送付先を取得するため、取得目的の明示とプライバシーポリシーへの導線が必要です。書き方はプライバシーポリシー必須項目テンプレへ。そして通販の領収書発行や、登録事業者のインボイス交付のタイミングは税理士にご確認ください。

表記をどう作って運用するか

予約・台帳・通販・配信が別々のツールに分かれていると、特商法表記の整合、つまり屋号・連絡先・返品条件もバラバラになりがちです。1つにまとめると、表記の整合と購入者管理がラクになります。

VANNAでは、ネット通販がMax以上で使えます。売上は、ネット通販と予約の事前決済に限り、店舗自身のStripe口座へ直接入金されます。VANNAは仲介手数料を取りませんが、決済代行の手数料は店舗負担で別途発生します。全売上が無条件に直接入金されるわけではなく、適用範囲は通販と事前決済に限られます。

独自ドメインはMaxで、ブランドECの受け皿になります。SEO設定で集客の土台を作れます。顧客台帳と電子カルテはMaxで購入者を管理でき、クーポン・誕生日メール・休眠メールもMaxで再販に使えます。これらの配信は、特定電子メール法の事前同意と配信停止の導線が前提です。

正直にお伝えすると、VANNA通販が特商法表記ページの専用入力欄、地域別やサイズ別の送料設定、定期課金に対応するかは、公開情報だけでは断定できません。契約前に必ずご確認ください。対応していない場合の現実的な代替は、特商法表記を固定ページで自作して掲載する、定期課金がなければ単品販売で運用するか外部の定期課金サービスを併用する、細かい送料設定がなければ全国一律送料で運用してから見直す、といった方法です。

導入前に知っておく制約もあります。申込時にカード登録が必須で、電話サポートはなくメール中心です。既存データの自動移行はなくCSVでの取り込みになり、SMSには非対応で、無料プランはありません。

予約・台帳・通販・配信を一体運用するイメージ
予約・台帳・通販・配信を一体運用するイメージ

よくある質問

個人サロンでもネットショップに特商法表記は必要ですか

通信販売に当たるため、必要になり得ます。まずは冒頭の3問チェックをご確認ください。

自宅の住所や電話を載せたくありません。省略できますか

請求があれば遅滞なく開示する旨の表示と、開示できる体制があることが前提なら、一部の常時掲載を省略できる余地があります。単純な非公開はできません。氏名・価格・支払時期は省略できません。

「送料無料」と書いていいですか

無料の根拠と条件が必要です。総額と条件を明示してください。

単品でも最終確認画面の整備は必要ですか

必要です。定期購入だけでなく、通常物販でも申込み内容を確認・訂正できる画面の整備が論点になります。

定期便で気をつけることは

最終確認画面で総額・回数・解約条件の明示が義務です。

化粧品で「シミが消える」と書けますか

効能効果の断定はできません。化粧品は56項目の範囲内にとどめます。

回数券やギフト券をネットで売るのは

前払式支払手段として資金決済法の検討が別途必要です。

領収書やインボイスは発行できますか。返品送料はどちらが負担ですか

領収書とインボイスの交付は税理士にご確認ください。返品送料は、お客様都合は購入者負担、不良や誤発送は店負担とするのが一般的で、返品特約に明記します。

手数料は本当に0円ですか

仲介手数料が0という意味です。決済代行の手数料は店舗負担で別途かかります。売上は通販と事前決済に限り店のStripe口座へ直接入金されます。

まとめ

公開前のチェックリストです。

  • 特商法の必須項目を埋めたか。氏名・所在地・連絡先・価格・送料・支払時期と方法・引渡時期・返品特約
  • 住所や電話を省略するなら、開示請求対応の文言と体制を整えたか
  • 送料・税込の総額表示・追加費用を最終確認画面まで明示したか
  • 通常物販でも申込み内容の確認・訂正画面を用意したか
  • 定期販売なら最終確認画面で総額・回数・解約条件を表示したか
  • 化粧品の効能効果の断定がないか、区分に合った表現か
  • 回数券や前払いの資金決済法の該当性を確認したか
  • 個人情報の取得目的の明示とプライバシーポリシーへの導線があるか
  • レビュー掲載時に、対価がある場合の事業者表示を整えたか
  • 領収書とインボイスを税理士に確認したか

表記・送料・定期販売の整え方が固まったら、実機で運用感を確かめるのが一番わかりやすいです。料金はVANNAとは?料金プラン、始め方はVANNAの始め方、比較はサロン予約システム比較へ。

注記

  • 本記事は特定商取引法・資金決済法・景品表示法・薬機法・特定電子メール法・個人情報保護法・消費者契約法にまたがる一般論であり、法的助言や成果の保証ではありません。条文の該当性・数値・最新ルールは、消費者庁・厚生労働省・金融庁・国税庁などの一次情報と、行政書士・弁護士・税理士の確認が必要です。
  • 本記事の雛形はそのまま公開せず、必ず専門家の監修を受けてください。
  • 本記事の数値や該当性は一般的な目安と例示であり、合法性・成果・効能効果を保証するものではありません。
  • 本文で「手数料0」と書く場合、VANNAが受け取る仲介手数料が0という意味です。決済代行の手数料は店舗のご負担で別途かかり、最新の料率はStripe公式でご確認ください。
  • 月額は税込でPro 3,300円・Max 5,500円・Max+ 11,000円で、通販はMax以上です。初期費用は0円です。無料トライアルはプレオープン特典として2026年7月31日までの申込みで2か月無料、締切後は1か月無料です。申込みにはカード登録が必須で、無料期間が終了すると自動的に月額課金が開始されます。支払いはカードのみで無料プランはありません。無料期間内に解約すれば課金されず、最低契約期間や縛りはありません。最新はVANNA公式の料金ページでご確認ください。