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エステサロン運営ガイド

エステのホームケア物販|扱える商品の見極めと、押し売りにならない提案順序

最終更新: 2026年7月28日

Summary

商品を仕入れる前に分類を確認しないと、説明のしようがない在庫を抱えます。化粧品と健康食品で言えることの違い、提案する4つの順序、在庫と資金の見方、表示で守ることを整理します。

エステの施術は、来店時にしか提供できません。次の来店までの数週間、お客様が自宅で何をするかは店の手を離れます。

ホームケア商品を扱う理由はここにあります。ただし、売ることを目的にすると押し売りになり、扱う商品を間違えると法令の問題になります。

商品の分類ごとに説明できる範囲
商品の分類ごとに説明できる範囲

何を扱えるかを先に確認する

サロンで扱う商品は、法令上の分類によって言えることが変わります。ここを理解せずに仕入れると、説明のしようがない商品を抱えることになります。

化粧品は、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、皮膚や毛髪を健やかに保つために使うものとされています。表示できる効能の範囲が定められており、その範囲を超える説明はできません。

医薬部外品は、化粧品より踏み込んだ表現が認められる場合がありますが、承認された効能の範囲内に限られます。

健康食品は、食品であって医薬品ではありません。身体の特定の部位に作用するといった説明や、疾病の治療や予防を示す説明はできません。

医療機器や医薬品にあたるものは、そもそも扱いに資格や許可が必要な場合があります。

分類説明できる範囲
化粧品定められた効能の範囲内
医薬部外品承認された効能の範囲内
健康食品食品としての説明。身体への作用は言えない
医薬品・医療機器扱いに資格や許可が要る場合がある

仕入れる前に、その商品がどの分類にあたるかを必ず確認してください。仕入先が示す説明文をそのまま使えるとは限りません。表示の責任は、販売する側にも及びます。

仕入れる前に確認すること

商品を選ぶ段階で確認しておくと、後の運用が楽になります。

最低発注量を確認してください。まとめてしか買えない商品は、試すつもりで仕入れると在庫を抱えます。

掛け率を確認してください。仕入価格が売価の何割かで、粗利が決まります。この数字は仕入先と条件によって変わります。

返品や交換の可否を確認してください。売れ残った場合に引き取ってもらえるか、不良品の交換に応じてもらえるか。条件を書面で確認してください。

供給が安定しているかを確認してください。お客様が気に入って続けたいときに、入手できない状態は避けたいところです。

販売できる場所の制限を確認してください。ネットでの販売を認めていない商品があります。店頭のみという条件なら、通信販売はできません。

サンプルの有無を確認してください。試していただけると、購入の判断がしやすくなります。

確認することなぜ
最低発注量試すつもりで在庫を抱えない
掛け率粗利が決まる
返品と交換売れ残りと不良品の扱い
供給の安定性続けたい方に届けられるか
販売場所の制限ネット販売の可否
サンプルの有無購入の判断がしやすくなる

売れない理由は提案の順序にある

商品を仕入れたものの、棚に並べたまま動かない。この状態になるサロンは多くあります。

原因は、提案する場面を決めていないことです。会計のときに「よかったらどうぞ」と声をかけるだけでは、お客様は判断できません。

有効な順序は次のとおりです。

施術中に、いまの状態を伝えます。「今日は少し乾燥が気になりました」といった観察です。ここでは商品の話をしません。

次に、来店の間隔に触れます。「次のご来店まで3週間ありますね」と、期間を意識してもらいます。

そのうえで、自宅でできることを伝えます。ここではじめて商品が出てきます。「この期間はこういうケアをしていただくとよいです」という文脈です。

最後に、買うかどうかは相手に委ねます。「使っていらっしゃるものがあれば、それで大丈夫です」と添えると、押し売りにならず、断りやすくなります。

ホームケア商品を提案する4つの順序
ホームケア商品を提案する4つの順序

この順序を守ると、商品を売る会話ではなく、次回までの過ごし方の相談になります。

扱う商品を絞る

種類を増やすと、説明が浅くなります。加えて在庫の負担も増えます。

絞る基準を挙げます。

自分が使っているものだけを扱ってください。使っていない商品を勧めると、質問に答えられません。

施術と関係のあるものにしてください。フェイシャルを提供しているなら顔まわり、ボディなら身体まわり。関係のない商品は、なぜ置いているのか説明できません。

価格帯を分けてください。同じような価格の商品ばかりだと選びにくくなります。試しやすいものと、続けて使うものを用意します。

在庫として抱えられる量にしてください。使用期限があるものは、売れ残ると廃棄になります。

種類は3つから5つで十分です。多すぎると、お客様も選べません。

説明の言葉を先に用意する

その場で考えて話すと、表現が毎回変わります。使ってよい言い方を先に決め、それだけを使ってください。

用意するのは3つです。

どういう方に向いているかです。「乾燥が気になる方に」といった形で、状態に対応させます。効果ではなく用途を伝えます。

使い方です。いつ、どれくらい、どの順番で使うか。ここが曖昧だと、買っても使われません。

注意点です。合わない場合があること、異常を感じたら使用を止めること、保管の方法。これらは必ず伝えてください。

言ってはいけない表現も一覧にしておきます。効果を断定する語、最上級の語、医薬品のような作用を示す語。スタッフがいる場合、この一覧を共有してください。

用意するもの
向いている方乾燥が気になる方に
使い方朝晩の洗顔後に、2プッシュを顔全体へ
注意点合わない場合があります。異常を感じたら使用を中止してください
使わない表現消える、治る、必ず、日本一

仕入先が用意した販促資料をそのまま使わないでください。効果を断定する表現が含まれていることがあり、それを使えば自店の表示になります。

在庫と資金の管理

物販は在庫を持つ商売です。施術と違い、仕入れた時点で資金が出ていきます。

管理の要点を挙げます。

発注の単位を確認してください。まとめて仕入れると単価は下がりますが、売り切るまでの期間が延びます。

使用期限を記録してください。化粧品には期限があります。期限が近いものから使う運用にしてください。

回転の速さを見てください。1つの商品が売り切れるまでの期間を測り、遅いものは仕入れを止めます。

保管の環境を整えてください。高温や直射日光を避ける必要がある商品があります。表示に従って保管してください。

見る数字出し方
在庫の金額仕入単価 × 残数
回転の期間仕入れてから売り切るまでの日数
粗利率(売価 − 仕入単価)÷ 売価
廃棄の額期限切れで処分した分の仕入額

粗利率だけを見て高い商品を仕入れると、回転が遅く資金が寝ることがあります。粗利率と回転の両方で判断してください。

表示と説明で守ること

商品を販売するにあたって、守る点を整理します。

効果を断定しないでください。「シミが消える」「必ず痩せる」といった説明は、化粧品でも健康食品でも使えません。個人差がある旨を添えてください。

他社製品との比較で優位を示す場合、根拠が必要です。根拠を示せない比較は避けてください。

体験談を使う場合、実際のものに限ります。作られた体験談を掲載することは、実際のものより著しく優良と誤認させる表示にあたるおそれがあります。

事業者の表示であることを明示してください。お客様に投稿を依頼する場合、それが事業者の依頼によるものと分かる形にする必要があります。

通信販売として販売する場合、特定商取引法に基づく表示が必要になります。店頭での販売と、ネットでの販売では扱いが異なります。

在庫の見方と表示で守ること
在庫の見方と表示で守ること

売り場の作り方

商品を置く場所と見せ方も、動くかどうかに影響します。

目に入る位置に置いてください。カウンターの下や棚の奥では、存在に気づかれません。会計のときに視界に入る位置が基本です。

触れる状態にしてください。手に取れないと、質感や香りが分かりません。試せるものは試せる形にしてください。

価格を表示してください。値札がないと、聞くのが気まずくて素通りされます。総額で表示してください。

説明を添えてください。どういう方に向いているかを1行書いた札を置くと、声をかけなくても伝わります。

数を絞って並べてください。棚一面に並べると、どれを選べばよいか分かりません。3種類なら3種類だけを見やすく置きます。

清潔に保ってください。ほこりをかぶった商品は、それだけで買う気が失せます。動きの遅い商品ほど、定期的に拭いてください。

ネットでも売る場合

店頭だけでなくネットで販売する場合、追加で必要になることがあります。

特定商取引法に基づく表示を用意してください。事業者の氏名または名称、住所、連絡先、販売価格、送料、支払方法、引渡しの時期、返品の可否と条件。これらの記載が求められます。

返品の条件を明示してください。記載がない場合、一定期間の返品を受ける扱いになることがあります。

定期購入の形で販売する場合、条件の表示にとくに注意が必要です。総額、解約の方法、次回の発送日。誤認を招く表示は問題になります。

在庫の連動も考えてください。店頭とネットで在庫を分けていないと、売り切れているのに注文が入ることがあります。

VANNAでは、店販の商品をネットで販売する機能があります。売上は店のStripe口座へ直接入金され、VANNA側の販売手数料は0円です。Stripeの決済手数料は店舗負担で別途かかります。特定商取引法に基づく表示を掲載する場所も用意されています。

在庫の数量を管理する機能や、店頭とネットの在庫を連動させる機能はありません。この点は導入前に把握しておいてください。

料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。

物販の売上をどう見るか

施術の売上と物販の売上は、分けて見てください。混ぜると、どちらが伸びているか分かりません。

見る数字を挙げます。

物販の売上と、その粗利。売価から仕入単価を引いた額です。施術と違い、原価の割合が大きくなります。

購入率です。来店した方のうち、何割が買ったか。この数字が低いなら、提案の場面が作れていません。

1人あたりの購入額です。買った方が平均していくら使っているか。

継続率です。同じ商品を2回目以降も買っている方の割合。ここが低いなら、商品が合っていないか、使い方が伝わっていません。

見る数字低いときに考えること
購入率提案する場面ができていない
1人あたり購入額価格帯の選択肢が足りない
継続率商品が合っていない、使い方が伝わっていない
粗利仕入条件か価格設定を見直す

物販の売上目標を立てる場合、施術の売上に対する割合で見る方法があります。ただし、割合を追いすぎると押し売りになります。目標は目安として置き、提案の質を落とさない範囲で運用してください。

買った後を見る

売れた時点で終わりにしないでください。次回の来店時に、使い心地を聞いてください。

聞くことは3つです。

使っているか。買ったまま使っていない方は珍しくありません。使い方が分かりにくいのか、面倒なのか、理由を確認します。

変化を感じるか。感じ方には個人差があるため、断定せずに聞きます。

続けたいか。次も必要かどうかを確認します。ここで無理に勧めないでください。

この確認をすると、次の提案の精度が上がります。また、合わなかった方に同じ商品を勧め続ける事態も防げます。

聞いた内容は記録に残してください。前回何を買ったか、どう感じたかが分かっていれば、次回の会話が変わります。

よくある質問

物販は必ずやるべきですか

必須ではありません。施術に集中する選択もあります。ただし、次の来店までの期間に何もできないという状態は、リピートの観点で不利になることがあります。商品を売らずに、自宅でできることを伝えるだけでも効果はあります。

仕入先はどう選べばよいですか

商品の分類が明確で、表示に関する情報を提供してくれるところを選んでください。効果を断定するような販促資料を渡してくる仕入先は、そのまま使うと問題になります。

粗利率はどれくらいが目安ですか

商品によって幅があります。一律の目安を追うより、粗利率と回転の期間を掛け合わせて、月にいくら残るかで判断してください。粗利率が高くても売れなければ意味がありません。

お客様に「効果がなかった」と言われたらどうしますか

まず使用状況を確認してください。使い方が違っていた可能性があります。そのうえで、感じ方には個人差がある旨を説明します。返品や返金の対応をするかどうかは、あらかじめ方針を決めておいてください。

SNSで商品を紹介してもよいですか

紹介できますが、効果を断定する表現は使えません。また、お客様に投稿を依頼する場合、事業者の依頼によるものと分かる形にしてください。

使用期限が近い商品はどうすべきですか

値引きして販売する方法がありますが、期限が近いことを伝えてください。伝えずに販売すると、後で問題になります。廃棄になる前に、自分で使うという選択もあります。

出典

本記事は2026年7月時点の一般的な情報の整理であり、個別の法的助言ではありません。商品の分類、表示できる効能の範囲、通信販売の表示義務については、専門家または所轄の窓口にご確認ください。VANNAの料金・機能・キャンペーン条件は変更される場合があります。

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