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開業・業種別・季節

母の日・記念日のギフト券/回数券をオンライン販売する方法|エステ・リラクで"贈り物として売れる"設計と資金決済法・特商法の注意点

公開: 2026年6月29日最終更新: 2026年7月27日

Summary

母の日・記念日に向けて、エステ・リラクのギフト券をオンライン販売する手順を、受注締切・発券の段取りと法務(資金決済法/特商法/返金)まで例文付きで解説。Stripe手数料は店負担で別途です。

母の日や誕生日、結婚記念日が近づくと、「お母さんに、いつも頑張っている人に、何かしてあげたい」と考える人が確実に増えます。エステやリラクのコースは、こうした贈り物としての体験と相性のよいサービスです。ところが多くの個人サロンは、ギフト券を店頭の手売りや口頭案内だけに頼っていて、在店していないお客さまや、遠方にいる贈りたい人を取りこぼしています。

本記事は、母の日・誕生日・記念日という時期と贈答需要に振り切って、来店不要でギフト券をオンライン販売するための段取りと法務を、エステ・リラクの個人から零細のサロン向けに解説します。

この記事の対象は売り手であるサロンオーナーです。贈り手の方には、お近くのサロンのギフト券販売ページや予約ページをご確認いただくのが近道です。

記事全体の俯瞰マップ(時期設計→形態選び→段取り→法務→販売→告知→運用→転換)
記事全体の俯瞰マップ(時期設計→形態選び→段取り→法務→販売→告知→運用→転換)

なお、年間を通じた定番メニューとしての回数券やサブスクの設計は回数券・サブスクの導入とオンライン販売にまとめています。本記事と重複しないよう、常設の設計はそちらをご覧ください。

贈り物として売れる季節

季節ギフトが効くのは、購入者が自分のためではなく贈る相手のためにお金を使うからです。自分用なら今月は我慢しようとなりがちな施術も、お母さんに楽をしてもらいたいという動機なら、予算の判断がゆるやかになりやすい傾向があります。エステやリラクは形のある物より体験そのものを贈れるため、体験ギフトとして選ばれやすいカテゴリです。

店頭での手売りや口頭案内には構造的な限界があります。お客さまが在店しているときしか案内できず、離れて暮らす母に贈りたい、友人にプレゼントしたいという、店に来ていない贈り主には届きません。オンライン販売は、この贈りたいけれど店に来られない人に直接届ける手段です。

打ち出しの時期と、相性のよいメニューの目安です。

記念日時期の目安相性のよい打ち出し
母の日5月第2日曜日頃の感謝を伝える、ゆったり長めのリラクやフェイシャル
誕生日・誕生月通年本人の好みに合わせた指名・コース選択型
結婚記念日通年ペア利用や特別感のあるコース
敬老の日9月第3月曜負担の少ない、体を休めるメニュー
ホワイトデー・クリスマス3月・12月短納期やデジタル発券のニーズが高い
記念日 × メニュー × 単価帯の早見表
記念日 × メニュー × 単価帯の早見表

贈る人と使う人が違うという前提

通常の予約販売は買う人と使う人が同じですが、ギフトは贈り主と受贈者が別人です。これが集客導線・予約導線、そして後述する法務、たとえば返金は誰に対して行うのかを通常とは変えます。本記事の設計は、この贈り主と受贈者が別人という一点から組み立てます。

何を売るか

贈答を前提にすると、売る対象の選び方が変わります。本記事の主役は第三者に渡るギフト券とギフトチケットです。

種類内容向いている場面
ギフト券。金額指定「5,000円分」のように金額で渡す受贈者にメニューを選んでほしいとき
ギフトチケット。メニュー指定「フェイシャル60分1回」を渡す体験内容を贈り主が決めたいとき
回数券同一メニューを複数回主に自家消費向け。贈答は稀

贈答用ならではの設計項目は4つです。贈り主が一言添えられるメッセージやのし。贈った人が使える十分な期間を確保する有効期限。受贈者がどう予約し何を提示すれば使えるかという利用者への案内。そして受け取った人がさらに別の人に渡せるかという譲渡の可否です。

ギフト券が自店だけで使えるものか、他店や譲渡先でも使えるものかによって、資金決済法上の扱いが変わります。詳しくは後述します。

記念日に間に合わせる段取り

ここが季節記事ならではの中心です。母の日は5月第2日曜という固定ゴールがあるため、そこから逆算してスケジュールを組みます。

先に、できることとできないことを整理します。VANNAのネット通販は、商品名・価格・写真・受け渡し方法を前提とした物販ECです。コードやPDFを自動発行するデジタル発券、到着日指定、のしやメッセージカードなどは、現時点で機能として確認できません。そのため発券・有効期限の案内・予約消化の管理は、当面メールと台帳による手運用を前提に組み立てるのが現実的です。自動化したい場合は、外部の専用サービスの併用も含め、契約前に必ず仕様をご確認ください。

母の日から逆算する

おおよその目安です。自店の発送体制に合わせて調整してください。

  1. 告知開始。4月上旬から中旬に、サイト・SNS・既存客へ案内します
  2. 受注締切。物理発券は連休前まで、デジタルは前日から当日まで。配送のリードタイムから逆算します
  3. 発券と発送。郵送なら到着日に余裕を持ちます
  4. 利用予約の受付。受贈者が予約する期間を確保します
母の日逆算スケジュール図(告知→受注締切→発券→利用予約)
母の日逆算スケジュール図(告知→受注締切→発券→利用予約)

郵送は形が残る良さがある一方、印刷・封入・配送のリードタイムがかかります。デジタルは当日対応も可能ですが、前述のとおり自動発券は確認できないため、当面は手作業での発行と送信を想定してください。

受贈者が予約で困らない導線

繁忙期は予約枠が埋まりやすく、もらったのに使いたい日に予約が取れないという不満が起きがちです。ギフト券に予約方法を明記し、ネット予約への導線を用意します。

このたびは○○サロンのギフトをお受け取りいただきありがとうございます。ご予約は[予約URL]からお願いいたします。ご来店時にこのギフトコードをご提示ください。母の日前後は混み合いますので、お早めのご予約をおすすめします。

希望日が取れない受贈者への代替提案の例です。

あいにくご希望日は満席となっております。○日・○日でしたらご案内可能です。また平日午前は比較的お取りしやすくなっております。

明日が母の日なのに何も用意していないという駆け込み層には、即時に渡せるデジタル発行が刺さります。ただし自動発券は手運用が前提のため、受付できる時間帯と発行にかかる時間を販売ページに明記しておきます。予約まわりはネット予約とドタキャン対策で扱っています。

資金決済法の要点

ギフト券は前払い、つまり先にお金を受け取り後でサービスを提供するため、資金決済法上の前払式支払手段に該当しうる重要な領域です。とくに第三者に渡るギフト券は、自家消費の回数券より論点が重くなります。

自家型は自店だけで使えるギフト券、第三者型は他店や譲渡先でも広く使えるものです。ギフトは他人に渡す前提のため、利用できる範囲を自店に限定しているかを意識的に設計する必要があります。

基準日、たとえば3月末や9月末の時点で未使用残高が一定額を超えると、供託や報告等の義務が生じうるとされます。個人サロンは下回ることが多いものの、まだ使われていないギフト券の残高を常に把握する習慣は持ってください。

発行から有効期限が6か月以内のものは、規制の一部について適用除外となりうる整理があります。ただし短ければよいという話ではありません。贈答は使ってもらってこそのものなので、極端に短い期限は受贈者の利用機会を奪い、本末転倒です。

基本的な考え方は回数券・サブスクの導入、決済まわりは事前決済の導入手順で扱っています。

オンライン販売には特商法の表示が必要

ネットでギフト券を売る行為は通信販売に当たり、特定商取引法に基づく表示が必要です。求められる主な項目は次のとおりです。

  • 事業者名。個人事業なら氏名
  • 所在地と連絡先
  • 販売価格の税込総額と送料
  • 代金の支払時期と方法
  • サービスの提供時期
  • 返品・返金・解約の条件と期限
  • 有効期限と利用条件

販売ページの例です。角括弧を自店の情報に置き換えてください。

【商品名】○○サロン ギフト券(金額指定/5,000円分) 【価格】5,000円(税込)/送料:[ ]円 【有効期限】ご購入日から[ ]か月 【利用条件】当店でのご利用に限ります。ご来店時にギフト券またはギフトコードをご提示ください。 【返金について】[返金の可否と条件。専門家の監修を受けて確定してください] 【特定商取引法に基づく表記】[特商法表記ページへのリンク]

返金は3つの法律が緊張関係に立つ

ギフト券の返金は、返金できないと書けば安心、というものではありません。

観点原則の方向
資金決済法前払式支払手段は原則として払戻し禁止とされる
特商法・消費者契約法一方的に返金一切不可とすると無効や不利条項のリスク
景品表示法返金条件の表示が実態と異なると誤認のリスク
払戻し原則禁止 × 特商法/消費者契約法の返金 × 景表の緊張関係マトリクス
払戻し原則禁止 × 特商法/消費者契約法の返金 × 景表の緊張関係マトリクス

さらに贈答固有の論点として、返金するなら贈り主か受贈者か、受贈者が使う前の解約はどうするか、到着前の贈り主によるキャンセルはどうか、ギフト券の名義と譲渡の可否をどうするかを整理する必要があります。

消費者契約法は、解約金や違約金のうち平均的な損害の額を超える部分を無効とする9条、一方的に不利な条項を無効とする10条に加え、重要事項の不実告知や不利益事実の不告知を扱う4条にも注意が必要です。これらの条項の有効性は個別事情により判断が分かれるため、断定せず、必ず専門家の監修のうえで確定してください。

表記の作り方はサロンEC・通販の特商法表記、規約はキャンセルポリシー・規約の作り方へ。

オンライン販売の作り方

売り方内容補足
物販ECでギフト商品を販売金額固定のギフトを商品として単品販売ギフト券の専用機能とデジタル発券は確認できません。発券・期限・消化は手運用が現実的です
予約時の事前決済コース料金を予約と同時に前払い受贈者自身が予約する形に向きます
定期課金継続的な前払い顧客向けの定期課金は機能として確認できません。贈答では基本的に対象外です

現実的な本線は、物販ECで金額固定のギフト商品を単品販売し、発券・有効期限・予約消化はメールと台帳で手運用する、という形です。

販売ページには、特商法の項目に加えて、贈答向けに到着日の目安、利用方法、のしやメッセージの可否を明記します。

決済はStripeを利用し、売上は店のStripe口座へ直接入金されます。VANNAは仲介手数料を取りませんが、決済代行の手数料は店負担で別途かかります。お金の流れは事前決済の手数料・入金・返金の実務、EC全般は店販をネットで売るECの始め方で扱っています。

価格の考え方

下記はあくまで設計上の考え方であり、相場の断定ではありません。

贈る相手予算帯の考え方設計のヒント
母や家族既存の人気コース1回分前後ちょうど1回受けられる金額固定が選ばれやすい
友人や同僚手頃な短時間メニュー1回分気軽に贈れる価格を用意する
特別な記念日ペアや上位コース特別感を価格と内容で表現する

価格表示では、根拠のない「通常価格○円が特別価格」という二重価格や、「最安」「No.1」といった最上級表現は景品表示法上のリスクがあるため使いません。

見せ方と告知

サイト・ブログ・SNS・既存客へのメールやLINEで告知します。贈答固有の季節コピーの例です。

  • 「いつもありがとう。を、ゆっくりほどける時間に。」
  • 「離れていても贈れる、お母さんへのおやすみ時間。」
  • 「予約は受け取った方のタイミングで。母の日に間に合うご注文は○月○日まで。」
ギフトらしい見せ方のビジュアル指針(リボン・メッセージ・受け取りイメージ)
ギフトらしい見せ方のビジュアル指針(リボン・メッセージ・受け取りイメージ)
避ける表現言い換え
痩せる・シミが消える・治るお手入れ、ケア、美容を目的とした
最安・No.1使わない。事実のみを書く
効果を保証リラクゼーションの時間をお過ごしいただけます

薬機法やあはき法に触れる効能効果の断定、成果保証は全面的に避けます。

配信とステマのルールも押さえてください。販促メールとLINEは、配信同意、送信者の氏名や名称の表示、配信停止の連絡先が前提です。LINEの友だち追加が配信同意とは限りません。

受贈者の口コミやSNS投稿を販促に使う場合、対価を渡したりサロン側が依頼して投稿させたりするのに、事業者の表示であることを隠すと、第三者を装う不当表示としてステマ規制に抵触します。関係性と事業者であることを明示してください。

運用と次の一手

発券後は、予約から消化、残高と期限の記録までを台帳か電子カルテで管理し、どんぶり勘定を防ぎます。電子カルテは来店記録の管理に使えますが、ギフト券の残回数や有効期限の自動管理は機能として確認できないため、当面は台帳での手運用を前提にします。

期限切れは、もらったのに使えなかったという不満につながります。期限前に案内を送ります。配信は同意が前提です。贈り主への発送完了通知の例です。

ご注文いただいたギフト券を本日発送いたしました。お届け予定は○月○日頃です。受け取られた方のご予約方法は同封の案内に記載しております。

最大の狙いは、贈られて初来店した受贈者を自店の常連に転換することです。初回来店時に次回予約を提案し、満足度の高い体験で2回目につなげます。設計はリピート率を上げる仕組み次回予約をその場で取るコツへ。

できる範囲とできない範囲

一体化できる範囲と、手運用や要確認の範囲を正直に分けます。すべてが一気通貫とは言いません。

業務できること補足
予約・事前決済ネット予約は全プラン。カレンダー予約と事前決済はMax売上は店のStripe口座へ直接入金
顧客管理顧客台帳と電子カルテ。カルテはMax来店記録の管理
配信誕生日・休眠メール。Max事前同意が前提
可視化経営ダッシュボード。Max
ギフト券の発券・期限や残回数の管理機能として確認できないメールと台帳での手運用、または外部サービスの併用

ギフト関連で使う通販・配信・カルテはMaxプランが前提です。

導入前に知っておきたい制約もお伝えします。申込時にカード登録が必須です。電話サポートはなくメール中心です。既存データの自動移行はなくCSVでの取り込みが必要です。SMSには対応していません。無料プランはありません。

料金はVANNAとは?料金プラン、比較はサロン予約システム比較へ。

よくある質問

母の日に間に合う最終受注はいつですか

物理発券は配送のリードタイムから逆算した連休前、デジタル発行は手作業の所要時間を見込んだ前日から当日が目安です。自店の体制に合わせて販売ページに明記してください。

ギフト券はいくらが目安ですか

人気コース1回分を金額固定にすると選ばれやすい傾向です。相場の断定は避け、自店の実績に置き換えてください。

ギフト券の販売は資金決済法で違法ですか

違法ではありませんが、前払式支払手段として把握すべき論点があります。数値や該当性は断定できないため、金融庁の一次情報と専門家の確認が前提です。

有効期限は何か月にすべきですか

6か月以内で規制の一部が適用除外となりうる整理がありますが、短すぎると受贈者が使えず本末転倒です。利用機会の確保と両立させ、専門家の監修を受けてください。

贈った人が返金してほしいと言ったら

払戻しを原則禁止とする資金決済法と、返金請求を扱う特商法や消費者契約法が緊張関係に立ち、贈り主か受贈者かでも変わります。専門家にご相談ください。

手数料は本当に0円ですか

VANNAの仲介手数料は0で、売上は店のStripe口座へ直接入金されます。ただし決済代行の手数料は店負担で別途かかります。

ギフト券を他店でも使えますか

他店でも使える設計は第三者型の論点に踏み込みます。自店限定にするのが基本です。

ギフト券の会計処理はどうなりますか

ギフト券は受取時に前受金として処理し、利用時に売上計上します。失効分の扱いやインボイスの交付タイミングは税理士の確認が前提です。

まとめ

導入前のチェックリストです。

  • 受注締切を母の日から逆算した
  • ギフトの形態を、金額指定かメニュー指定かで選んだ
  • 資金決済法の該当性を確認した
  • 特商法の表示と返金規約を、専門家の監修を受けて整えた
  • 効能効果・最上級表現・二重価格を使っていない
  • 配信は事前同意を得て、ステマ規制の明示も守っている

実機で確かめてから判断するのが確実です。始め方はVANNAの始め方へ。

注記

  • 本記事は資金決済法・特定商取引法・消費者契約法・特定電子メール法・景品表示法・薬機法・あはき法等に関する一般的な情報であり、個別の法的助言や税務助言ではありません。前払式支払手段、通信販売の表示、返金、税務の取り扱いは、公開前に有資格の専門家の監修を受けてください。資金決済法に明るい専門家を含めることをおすすめします。
  • 本記事中のVANNAの活用イメージは使い方の一例です。実機の挙動と最新仕様は契約前に必ずご確認ください。
  • 単価帯や予算帯の記述は、自店で設計するときの考え方の例であり、相場を断定するものではありません。
  • 本文で「手数料0」と書く場合、VANNAが受け取る仲介手数料が0という意味です。決済代行の手数料は店のご負担で別途かかり、料率は変動しうるため最新はStripe公式でご確認ください。
  • 月額は税込でPro 3,300円・Max 5,500円・Max+ 11,000円です。無料プランはなく、無料トライアルは2026年7月31日までの申込みで2か月無料、以降は1か月です。申込時にカード登録が必須で、無料期間終了後は自動で課金が開始されます。支払いはカードのみで、無料期間内に解約すれば課金はありません。2026年6月29日時点の情報のため、最新の条件は申込ページでご確認ください。
  • 他社サービスの比較に触れる際は、事実に基づく客観的な比較にとどめ、断定的に貶める表現は用いません。

出典