他店カラーのお直しを受けるか|基準を決めてから引き受ける
公開: 2026年8月4日最終更新: 2026年8月6日
Summary
他店で施術した髪のお直しを扱う方法を整理します。通常のカラーとの違い、受ける前に確認する5項目、断る3つの基準、段階を踏む提案、効果を約束しない説明、料金の決め方、前の店を批判しない対応、記録と同意、自店のやり直しとの区別を扱います。
「他店で染めたら思っていた色と違った」と、写真を見せられました。直せるかどうか、その場では分かりません。
お直しは、通常のカラーとは別の仕事です。受けるかどうかを、感情ではなく基準で決めてください。

通常のカラーと何が違うか
土台が見えないまま始まる点が、決定的に違います。何の薬剤が、どれだけ、いつ入っているか。これが分からない状態で、重ねることになるためです。
さらに、期待の水準も高くなります。すでに一度失敗している方は、次で解決すると思って来られるためです。ここで同じ結果になると、不満が二重になります。
時間も読めません。予想より明るくならない、色が入らない、途中で状態が変わる。通常の枠で受けると、後続が押します。
だから、同じメニューとして受けないでください。別のメニューとして、設計する必要があります。
受ける前に確認すること
カウンセリングで、事実を集めてください。責める調子にならないよう、事実だけを聞くことです。
| 確認すること | なぜ要るか |
|---|---|
| いつ施術したか | 直近ほど重ねられる余地が小さい |
| 何をしたか | カラーか、ブリーチか、パーマも入っているか |
| 何回重ねたか | 短期間に複数回なら、髪の余力が少ない |
| どうしたいか | 明るくしたいのか、暗くしたいのか |
| いつまでに必要か | 予定があるなら、段階を踏めない |
「どうしたいか」を、先に聞いてください。明るくする方向と暗くする方向では、できることが大きく違うためです。暗くするのは比較的やりやすく、明るくするのは負担が大きくなります。
断る基準を決めておく
すべてを受ける必要は、ありません。ただし基準がないと、その場の空気で引き受けることになります。
直近にブリーチをしている、髪が切れる状態にある、期日までに間に合わない。この3つのいずれかなら、断る判断を持ってください。
断ることは、その方を守る判断でもあります。「今の状態で薬剤を重ねると、切れる可能性があります」と伝えれば、多くの方は理解されます。
断る基準の作り方は、サロンで施術を断る基準で整理しています。

なお、ブリーチそのものを受けるかどうかの判断はブリーチを受けるかどうかで扱っています。お直しを断る基準と、最初から受けない基準は別に持ってください。
一度で直そうとしない
最も多い失敗が、1回で仕上げようとすることです。無理に重ねると、髪が耐えません。
段階を踏む提案を、先に出してください。「今日はここまで、2週間後にもう一段」という形です。この提案を最初にすると、当日の期待が過剰になりません。
段階を踏む場合は、その日の到達点を明示してください。「今日は◯◯までです」と伝え、鏡で確認していただきます。ここを曖昧にすると、その日の仕上がりが不満になります。
段階ごとの料金も、先に示してください。「合計でいくらか」が見えないまま進むと、後で問題になります。
効果を約束しない
お直しでは、断定を求められる場面が増えます。「これで直りますか」と正面から聞かれます。
ここで「直ります」と答えないでください。土台が読めない以上、結果は確約できません。
伝えるのは、やることと見込みです。「◯◯という施術で、今より◯◯の方向に近づける見込みです」「ただし1回では届かない可能性があります」。この形なら、事実の範囲を出ません。
写真を見せて「この色にしてほしい」と言われた場合も同じです。今の状態からその色に届くかを、正直に伝えてください。表現の線引きは、美容サロンの効果表現とコンプライアンスで整理しています。
料金をどう決めるか
通常のカラーと同じ料金では、合いません。時間も薬剤も、多く要るためです。
決め方は2つあります。お直し専用のメニューを作る形と、通常のカラーに追加をいただく形です。
専用のメニューにするなら、所要の時間を長めに取って価格もそれに合わせます。分かりやすい一方で、「お直し」という言葉を料金表に出すことになります。
追加にするなら、カウンセリングで金額を提示してください。当日に上がる形は、避けます。
いずれにしても、事前に金額を示してください。終わってから伝えると、それ自体が次の不満になります。

前の店の批判をしない
聞かされる話に、同調しないでください。「それはひどいですね」と言った一言が、後で伝わります。
事実の確認にとどめてください。「そういう状態なんですね」で足ります。前の店の技術や判断を評価する立場に、こちらは立てません。
そもそも、失敗とは限りません。伝え方の行き違いや、髪の状態による結果であることもあります。片方の話だけで判断しないでください。
記録に書くときも、同じです。「他店の施術が雑」といった所見は残さないでください。開示を求められたときに、そのまま出ることになります。
記録を厚く残す
お直しは、記録の価値が最も高い場面です。次に何ができるかが、ここで決まります。
施術前の状態を、写真と文字の両方で残してください。どの部分がどう違うのか。全体か、毛先だけか、まだらか。
使った薬剤と、その結果も残します。1回目でどこまで届いたかが分かれば、2回目の設計ができます。
本人の申告と、確認できた事実は分けて書いてください。「本人は3週間前と申告」と書けば、後で食い違っても経緯が追えます。記録の残し方は、カラー履歴の記録の残し方で整理しています。
予約の受け方
通常の予約と同じ入口で受けると、当日に困ります。所要の時間が読めないためです。
予約の画面に、お直しの項目を分けて置いてください。あわせて「一度カウンセリングにお越しいただく場合があります」と書いておきます。
カウンセリングだけの枠を作る方法もあります。15分で状態を見て、その場で判断する形です。この一手間で、当日の押し問答が消えます。
電話やメッセージだけで判断しないでください。写真を送られても、実物とは違います。「見てから判断させてください」が、正確な答えです。
スタッフがいる場合
誰が受けるかを、決めてください。技術と判断の両方が要る場面です。
新人に任せないでください。断る判断を求められる場面で、経験がないと受けてしまいます。受ける前に、必ず責任者が状態を見る形にしてください。
金額の提示も、責任者が行う形にしてください。人によって金額が変わると、それ自体が問題になります。
| 決めること | 内容 |
|---|---|
| 誰が受けるか | 責任者が状態を見てから判断する |
| 断る基準 | 直近のブリーチ・切れる状態・期日に間に合わない |
| 料金 | 事前に提示。当日に上げない |
| 記録 | 施術前の写真・薬剤・本人の申告を分けて残す |
期日がある方の扱い
結婚式や成人式を控えた方が、お直しに来られます。ここは、最も慎重な判断が要ります。
期日までの日数を、先に聞いてください。段階を踏む余地があるかどうかが、ここで決まります。1週間しかないなら、段階は踏めません。
間に合わないと判断したら、正直に伝えてください。無理に近づけようとして、当日により悪い状態になるほうが重い結果になります。
代わりの提案も、用意しておいてください。当日のセットで見え方を変える、部分的に色を入れる、髪飾りで隠す範囲を作る。完全な解決でなくても、選択肢があると受け止め方が変わります。
撮影と記録の同意
施術前の写真は、記録として不可欠です。ただし、撮ることと使うことは別です。
記録として保管するだけなのか、事例として公開するのかを分けて確認してください。お直しの事例は見せ方が難しく、前の状態を晒すことになります。
公開する場合は、前の店が特定されない形にしてください。地域や時期が分かる書き方は、避けることです。
同意の取り方は、サロンの写真と同意で整理しています。
問い合わせの段階で見分ける
来店前の連絡で「他店で失敗されて」と切り出される場面が、増えています。ここでの返し方が、当日の期待を決めます。
写真を送られても、その場で可否を答えないでください。画面の色は実物と違い、光の当たり方でも変わります。「実際に見てから判断させてください」が、正確な答えになります。
同時に、来店の目的も揃えてください。「見たうえで、できることとできないことをお伝えします」と書いておけば、施術前提で来られる状態を避けられます。
問い合わせへの返し方は、サロンの問い合わせ対応で整理しています。
セルフカラーの直しも増えている
他店ではなく、自分で染めた髪の相談も来ます。扱いは似ていますが、読みにくさは上です。
市販の薬剤は、残留の仕方が業務用と違います。何を使ったか本人も覚えていないことが多く、箱を持ってきていただけると判断が進みます。
回数も聞いてください。1回と3回では、髪の余力が違います。短期間に重ねている場合は、間を置く提案から入ってください。
責めないことも、他店の場合と同じです。「自分でやったからです」と言われても、そこに乗らないでください。事実の確認だけで足ります。
VANNAでできること
VANNAでは、お直しやカウンセリングを別のメニューとして設定し、所要の時間と受け付ける時間帯を分けられます。顧客の記録には、施術前の状態や本人の申告をメモとして残せる形です。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。
一方で髪の状態を判定したり、施術の可否を判断したりする機能は、ありません。受けるかどうかは、施術者が実物を見て決めることになります。この点は把握しておいてください。
料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。
自店の施術のやり直し
他店の話とは、扱いが変わります。自店で染めた方が「思っていた色と違う」と言ってきた場合です。
期間と範囲を、先に決めておいてください。「◯日以内なら無償で調整」といった形です。決めていないと、その都度の判断になり、人によって扱いが変わります。
ただし、期間を過ぎたから一切受けない、という運用も勧められません。退色は時間で進むため、線を機械的に引くと納得されにくくなります。事情を聞いたうえで判断する余地を残してください。
基準の作り方は、サロンのやり直しと返金の基準で整理しました。
常連にするかどうか
お直しで来た方が、そのまま常連になることがあります。ここは、狙って作れる部分です。
1回で終わらせず、段階を踏む提案をした時点で、次の来店が生まれています。そこで満足していただければ、通常のカラーへ移行します。
ただし、無理に囲い込まないでください。お直しだけで完了する方もいます。次回の案内は出しても、繰り返し連絡はしないことです。
今日やる一つ
「他店で染めた髪のお直しを受けるか」を、いま決めてください。受けるなら、断る3つの基準と、料金の出し方を紙に書きます。決めていない状態が、最も消耗します。
よくある質問
他店のお直しは受けるべきですか
受けるかどうかより、基準を先に決めてください。直近のブリーチ、切れる状態、期日に間に合わない。この3つのいずれかなら断る、と決めておくと迷いません。
何を確認しますか
いつ施術したか、何をしたか、何回重ねたか、どうしたいか、いつまでに必要か。この5つです。とくに「どうしたいか」を先に聞いてください。明るくするか暗くするかで、できることが違います。
1回で直せますか
無理に重ねると髪が耐えません。段階を踏む提案を、最初に出してください。その日の到達点を明示し、鏡で確認していただきます。段階ごとの料金も先に示します。
「直りますか」と聞かれたら
土台が読めない以上、確約はできません。「◯◯という施術で今より◯◯の方向に近づける見込みです」「1回では届かない可能性があります」と、やることと見込みを伝えてください。
料金はどう決めますか
通常のカラーと同じでは合いません。専用のメニューを作るか、追加をいただく形です。いずれにしても、事前に金額を示してください。終わってから伝えると次の不満になります。
前の店のことを聞かされたら
同調しないでください。「そういう状態なんですね」で足ります。失敗とは限らず、伝え方の行き違いや髪の状態による結果であることもあります。記録にも所見を書かないでください。
予約はどう受けますか
通常の予約と入口を分けてください。所要の時間が読めないためです。カウンセリングだけの15分の枠を作る方法もあります。写真だけで判断しないでください。
自店のやり直しはどう扱いますか
期間と範囲を先に決めてください。ただし機械的に線を引くと納得されにくくなります。退色は時間で進むため、事情を聞いたうえで判断する余地を残してください。
期日が迫っている方はどうしますか
期日までの日数を先に聞いてください。1週間しかないなら段階は踏めません。間に合わないと判断したら正直に伝え、当日のセットや部分的な色入れといった代わりの提案を出してください。
お直しの事例を公開してよいですか
記録として保管するのと公開するのは別です。分けて同意を取ってください。公開する場合は、前の店が特定されない形にします。地域や時期が分かる書き方は避けてください。
来店前に写真を送られたら
その場で可否を答えないでください。画面の色は実物と違います。「実際に見てから判断させてください」と返し、来店の目的も「できることとできないことをお伝えする場」と揃えておいてください。
セルフカラーの直しも同じですか
扱いは似ていますが、読みにくさは上です。市販の薬剤は残留の仕方が違い、本人も何を使ったか覚えていないことが多いためです。箱を持ってきていただき、回数も聞いてください。



