「整骨院と何が違うのか」への答え方|比較せず、自店の範囲だけを説明する
公開: 2026年8月4日
Summary
他業態との違いを聞かれたときの応じ方を整理します。答えることと答えないことの線引き、3つの順で固定する説明の型、保険の質問への対応、症状を訴えられたときの扱い、広告での書き方、名乗り方の確認、選ばれる理由を別に作る考え方を扱います。
「整骨院と何が違うんですか」と聞かれました。うまく答えられず、曖昧なまま施術に入りました。
この質問には、決まった答え方があります。優劣ではなく、扱う範囲の違いとして説明してください。

何を答え、何を答えないか
まず、線を引いてください。ここを外すと、答えるほど危うくなるためです。
答えられるのは、自店で何をするかです。どこを、どういう方法で、何分。ここは事実の説明になります。
答えられないのは、他の業態が何をできるかの評価です。「あちらは◯◯ができない」といった言い方は、こちらが判断する立場ではないためです。
もう一つ答えられないのが、どちらに行くべきかです。症状によって適した相談先は変わり、それを見立てるのは医療の領域になります。
つまり、伝えるのは自店の範囲だけです。比較は、相手が判断することです。
| 聞かれたこと | 答え方 |
|---|---|
| 何が違うか | 自店で行う内容を説明する |
| どちらがよいか | 優劣を答えない |
| この症状は治るか | 治療ではない旨を伝え、必要なら受診を案内 |
| 保険は使えるか | 自店では使えない旨を明確に |
型を1つ持つ
その場で考えると、言葉がぶれます。ですから答えの型を、先に作ってください。
「当店では、◯分間、肩と背中を中心にほぐしています。治療にあたることは行いません。痛みが続いている場合は、医療機関にご相談ください」。
この3つで足ります。自店の内容、治療ではない旨、必要なら受診の案内。順番も、この形にしてください。
暗記する必要は、ありません。紙に書いて、見える場所に置いてください。急に聞かれても、答えられるためです。
「治る」と言わない
最も危ないのが、ここです。効果を約束する言葉を、避けてください。
「これで治ります」「痛みが取れます」といった言い方は、根拠を示せません。無資格で行う施術には、表現の制限もあるためです。
言えるのは、行う内容までです。「ほぐします」「動かしやすくします」も、状態によっては言いすぎになります。判断に迷う言葉は、使わないでください。
考え方は、整体院のHPで「マッサージ」と書くと問題になりうるかで整理しています。あわせて、整体とあん摩マッサージ指圧師の法的な違いも確認してください。

保険の話が出たとき
「保険は使えますか」も、よく来る質問です。ここは明確に答えてください。
自店では使えない旨を、はっきり伝えます。曖昧にすると、会計のときに問題になるためです。
なぜ使えないかを、詳しく説明する必要は、ありません。「当店は保険の対象外です」で足ります。制度の解説を始めると、正確さを保てなくなります。
料金表にも、書いておいてください。「自費」と明記しておけば、聞かれる回数が減るためです。
症状を訴えられたとき
「ここが痛くて」と相談される場面が、必ずあります。ここでの応じ方が、最も重要です。
聞くことは、構いません。どこが、いつから。事実として受け取ってください。
ただし、原因を推測しないでください。「それは◯◯が原因ですね」と言った時点で、見立てをしたことになるためです。
程度が強い場合や、続いている場合は、医療機関への相談を案内してください。「一度みてもらったほうが安心です」で足ります。
断る判断も、持ってください。状態によっては、受けないほうがよい場面があります。基準の作り方は、サロンで施術を断る基準で整理しています。
記録に残す
聞かれた内容と、答えた内容を残してください。後から確認できます。
「保険について質問。対象外と説明」と一行あれば足ります。同じ方に繰り返し聞かれることも、減るためです。
症状の訴えがあった場合も、残してください。「腰の痛みを訴え。受診を案内」と書いておくと、次回の判断に使えます。
ただし、こちらの見立てを書かないでください。開示を求められたときに、そのまま出ることになるためです。
記録の考え方は、サロンの施術記録の書き方で整理しています。

広告での書き方
口頭より、文字のほうが残ります。ですからここは、慎重に扱ってください。
比較の表現も、避けてください。「整骨院との違い」と題した文章では、相手の業態を評価する形になりやすいためです。
書けるのは、自店で行う内容です。「◯分間、全身を対象にほぐします」「着衣のまま受けられます」。事実の説明にとどめてください。
症状名を出す形も、危うくなります。「肩こり」「腰痛」といった言葉の扱いは、業態によって制限が違います。判断に迷う場合は、専門家に確認してください。
スタッフがいる場合
答え方を、揃えてください。人によって違うと、そこが不信になるためです。
新人ほど、良かれと思って踏み込みます。「それは◯◯ですね」と言われた後に責任者が訂正すると、店として一貫しません。
紙1枚に、型を書いてください。自店の内容、治療ではない旨、受診の案内。この3つだけを書きます。
判断が要る場面では、責任者に回す線を引いてください。新人が答えてよいのは、自店で何をするかまでです。
| 決めること | 内容 |
|---|---|
| 答えの型 | 自店の内容・治療でない旨・受診の案内 |
| 保険 | 対象外と明確に。制度の解説はしない |
| 症状の訴え | 原因を推測しない。事実として聞く |
| 判断の線 | 新人が答えるのは自店の内容まで |
名乗り方も確認する
店の名前や肩書きでも、誤解が生まれます。ここも確認の対象です。
医療を想起させる呼び方は、避けてください。業態によって、使える言葉に制限があります。
資格を持たない場合に、資格者の呼称を使わないでください。名刺や掲示、ホームページのすべてが対象になります。
紛らわしい表記も、同じです。「◯◯院」という形は、業態によって誤解を招く場合があります。判断に迷う場合は、専門家に確認してください。
考え方は、整体・リラクゼーション店が開業時のHPで避けるべき表現で整理しています。
施術の内容そのものを見直す
説明で迷う場面が多いなら、内容の側に原因があるかもしれません。
治療に近い言葉で説明したくなる施術は、そもそも範囲を越えている可能性があります。ここは、扱う内容を見直す場面です。
「何をしているか」を、そのまま説明できる形にしてください。説明できない内容は、提供しないという判断もあります。
無資格でできる範囲は、自宅リラクゼーション・整体サロン開業に必要な資格の有無で整理しています。開業のときだけでなく、メニューを増やすときにも確認してください。
医療機関からの紹介
「先生に勧められて来ました」という方も、来られます。ここも扱いを決めておいてください。
紹介の有無にかかわらず、こちらの範囲は変わりません。「先生が言っていたので」を根拠に、普段しないことをしないでください。
内容を指定される場合もあります。ただし、その指示を受けて施術する形は、責任の所在が曖昧になります。書面での指示がない限り、自店の判断で行ってください。
本人が持ってきた情報も、こちらが解釈しないでください。読んで判断する立場には、ありません。
なお、こうした関係を集客に使う形は、慎重に考えてください。「医療機関と提携」といった表記は、実態と合っているかを確認する必要があります。
施術の後に不調が出たとき
説明の話とは別に、実際に起きたときの動きも決めてください。
まず、状態を聞きます。原因を推測せず、事実だけを集めてください。
程度が強い場合は、受診を案内します。こちらで様子を見る判断をしないでください。
その日のうちに、記録を残してください。何をしたか、何を伝えたか。緊急時の動き方は、サロンで急に具合が悪くなったときの対応で整理しています。
VANNAでできること
VANNAでは、ホームページに施術の内容と料金を掲載できます。何をする施術かを事前に示せるため、来店前の認識が揃う形です。顧客の記録には、聞かれた内容と答えた内容をメモとして残せます。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。
一方で掲載する文言が法令に適合するかを判定する機能は、ありません。表現の確認は、店で行うことになります。この点は把握しておいてください。
料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。
相手を下げない
比較を求められると、自店を良く見せたくなります。ここは我慢してください。
他の業態を下げる言い方は、こちらの評価も下げます。聞いている側は、その姿勢を見ているためです。
そもそも、行き先が分かれるのは自然なことです。両方に通っている方も、多くいます。
「あちらで診てもらったうえで、こちらでほぐす」という形も成り立ちます。排他的に考える必要は、ありません。
選ばれる理由を別に作る
比較で勝とうとすると、無理が出ます。ですから別の軸で選ばれる形を、作ってください。
時間の長さ、予約の取りやすさ、着衣のまま受けられること。これらは事実として示せます。
通いやすさも、選ばれる理由になります。夜まで開いている、予約が画面から取れる。ここは運用で作れます。
つまり、答えに困る質問への対策は、そもそもその質問が出ない状態を作ることです。自店が何をする店かが伝わっていれば、比較の質問は減ります。
伝え方は、サロンのコンセプト・差別化の作り方で整理しています。
予約の段階で伝える
当日に説明する回数を、減らせます。予約の入口に書いてください。
「当店は治療を目的とした施術は行いません」と一行あるだけで、認識が揃うためです。
保険の扱いも、同じ場所に書いてください。「自費のみ」と明示すれば、会計で揉めないためです。
書いておく内容と、口頭で答える型を、同じにしてください。食い違うと、そこが不信になります。
今日やる一つ
「整骨院と何が違うんですか」への答えを、いま紙に書いてください。自店の内容、治療ではない旨、受診の案内。この3つで組み立てます。書けないなら、その場でも答えられません。
よくある質問
「何が違うのか」と聞かれたら
自店で何をするか(部位・方法・時間)を答えてください。他の業態が何をできるかの評価や、どちらに行くべきかは、こちらが判断する立場ではありません。
答えの型はどう作りますか
「当店では◯分間◯◯をほぐします」「治療にあたることは行いません」「痛みが続く場合は医療機関にご相談ください」。この3つの順です。紙に書いて見える場所に置いてください。
「治りますか」と聞かれたら
効果を約束する言葉は使えません。無資格で行う施術には表現の制限もあります。言えるのは行う内容までで、判断に迷う言葉は使わないでください。
保険は使えるか聞かれたら
自店では使えない旨を明確に伝えてください。なぜ使えないかを詳しく説明する必要はありません。制度の解説を始めると、正確さを保てなくなります。
症状を訴えられたら
事実として聞くのは構いませんが、原因を推測しないでください。「それは◯◯が原因ですね」と言った時点で、見立てをしたことになります。程度が強い場合は受診を案内します。
広告で比較を書いてよいですか
比較の表現は避けてください。相手の業態を評価する形になりやすくなります。書けるのは自店で行う内容までです。症状名の扱いも、業態によって制限が違います。
他の業態を下げてもよいですか
下げる言い方は、こちらの評価も下げます。両方に通っている方も多く、行き先が分かれるのは自然です。排他的に考える必要はありません。
質問そのものを減らせますか
自店が何をする店かが伝わっていれば、比較の質問は減ります。時間の長さ、予約の取りやすさ、着衣のまま受けられること。事実として示せる軸を作ってください。
店名や肩書きにも制限がありますか
医療を想起させる呼び方は避けてください。資格を持たない場合に資格者の呼称を使わないことも、名刺・掲示・ホームページのすべてで同じです。判断に迷う場合は専門家に確認してください。
説明に困る施術はどうしますか
治療に近い言葉で説明したくなる施術は、範囲を越えている可能性があります。「何をしているか」をそのまま説明できる形にし、説明できない内容は提供しないという判断もあります。
医療機関から紹介された方は
紹介の有無にかかわらず、こちらの範囲は変わりません。「先生が言っていたので」を根拠に、普段しないことをしないでください。本人が持ってきた情報も、こちらが解釈しないでください。
施術の後に不調が出たら
原因を推測せず、状態を事実として聞いてください。程度が強い場合は受診を案内します。こちらで様子を見る判断をせず、その日のうちに記録を残してください。



