もみ返しの訴えへの対応|原因を断定せず、強さを数字で残す
公開: 2026年8月4日最終更新: 2026年8月6日
Summary
施術後の張りや痛みの訴えに備える方法を整理します。原因を店で特定できない線引き、事前に伝えること、強さを数字で聞く方法、記録の残し方、訴えが来たときの動き、返金の基準、保険の確認、訴えが多い店の共通点を扱います。
「翌日から痛くて動けませんでした」と連絡が来ました。強めでという希望に応えたつもりでした。
もみ返しの訴えは、必ず来ます。起きてから考えるのではなく、伝え方と記録で減らしてください。

店が判断できない領域がある
まず、線を引いてください。体に起きた変化の原因を、店が特定することはできません。
「もみ返しです」と断定しないでください。同じ症状でも、別の原因である場合があるためです。施術と無関係の出来事が、同じ日に重なることもあります。
「すぐ治ります」も、言えません。経過は人によって違います。
答えられるのは、その日に何をしたかです。どこを、どのくらいの強さで、何分。ここまでが、店の説明できる範囲になります。
症状が続く場合や強い場合は、医療機関への相談を案内してください。これは責任を逃れる言い方ではなく、判断できる人が別にいるという事実の説明です。
起きる前に伝える
最も効くのは、施術の前です。ここで一言あるかどうかで、翌日の受け止め方が変わるためです。
伝えるのは2つです。人によっては翌日に張りが出る場合があること。そのときはどうすればよいか。
「強めが好き」と言われても、その場で全部応えないでください。初回は加減を抑え、次回に調整する形が安全になります。
「痛いほど効く」という思い込みへの対応も、決めておいてください。同調すると、強くする方向に引っ張られます。
| 場面 | 伝えること |
|---|---|
| 施術の前 | 翌日に張りが出る場合がある |
| 施術の途中 | 強さの確認をこちらから |
| 施術の後 | 当日の過ごし方の目安 |
| 訴えが来たとき | 事実の確認。原因は断定しない |
強さを聞き出す
「痛くないですか」では、答えが出ません。多くの方が、我慢されるためです。
聞き方を変えてください。「いまの強さは、10段階でいくつくらいですか」。数字にすることで、答えやすくなります。
途中で一度、こちらから確認してください。始まってすぐと、半ばの2回。終わってから聞いても、調整できないためです。
言いにくい方もいます。「途中で変えられるので、遠慮なく言ってください」と先に伝えると、出やすくなります。

記録に残す
訴えが来たとき、何を根拠に話せるかが決まります。記録が要ります。
その日の強さを、数字で残してください。「本人の申告で6」と書けば、次回の設計に使えるためです。
避けた部位や、本人が痛がった場所も残します。次に同じ場所を扱うときの判断が、変わるためです。
施術の後の様子も、聞けた範囲で書いてください。「終了時に軽さを感じると申告」と残すと、後の連絡と突き合わせられます。
記録の残し方は、サロンの施術記録の書き方で整理しています。項目を増やしすぎず、強さと部位から始めてください。
訴えが来たときの動き
順番を決めておいてください。その場で考えると、言葉が滑ります。
まず、状態を聞きます。どこが、いつから、どの程度か。事実だけを集めてください。
次に、その日の記録を確認します。何をしたかを、こちらも把握したうえで話します。
そのうえで、症状が続く場合や強い場合は受診を案内してください。ここで「大丈夫です」と言わないでください。
謝罪の言葉は、事実を認めることとは別です。「ご不快な思いをさせて申し訳ありません」と、原因の話を分けて伝えてください。一次対応の考え方は、サロンのクレーム一次対応で整理しています。
返金や次回の扱い
金銭の話が出る場面があります。基準を先に決めておいてください。
その都度の判断にすると、人によって扱いが変わります。「言ってきた人だけ返している」という状態は、必ず伝わるためです。
決めるのは3つです。返金するのか、次回を無償にするのか、しないのか。どの条件でそうするか。誰が判断するか。
基準の作り方は、サロンのやり直しと返金の基準で整理しています。決めた内容は、書いておいてください。

保険の確認
施術に起因すると判断された場合の備えも、要ります。加入している内容を確認してください。
無資格で行う施術が対象になるかは、保険によって違います。ここを曖昧にしたまま加入していると、必要なときに使えないためです。
連絡の期限がある場合もあります。起きてから調べるのではなく、先に把握しておいてください。
選び方は、一人サロンオーナーが入るべき施術保険の選び方で整理しています。業種によって扱いが違うため、契約の前に確認してください。
広告での書き方
集客の文面でも、この領域は注意が要ります。効果を約束しないでください。
「痛みが取れます」「翌日から楽になります」といった書き方は、根拠を示せません。
書けるのは、何をする施術かです。「◯分間、肩と背中を中心にほぐします」。事実の説明にとどめてください。
そもそも、無資格で行う施術には表現の制限があります。考え方は、整体院のHPで「マッサージ」と書くと問題になりうるかで整理しています。
予約の段階で伝える
当日の説明だけでは、届かない場合があります。予約の入口にも書いてください。
「施術後に張りが出る場合があります」と一行あるだけで、当日の説明が短くなるためです。
初めての方には、加減を抑える旨も書いておく方法があります。「初回は様子を見ながら進めます」と示せば、期待がずれません。
体調の申告を促す一文も、あわせて入れてください。文言の作り方は、予約時の注意事項テキスト例文を参考にしてください。
スタッフがいる場合
強さの基準を、揃えてください。人によって違うと、同じ店で受けた印象が変わるためです。
「10段階で6」が、全員で同じ強さになるとは限りません。互いに施術し合って、目盛りを合わせる場面が要ります。
訴えが来たときの答え方も、統一してください。新人が「もみ返しですね」と言った後に責任者が訂正すると、店として一貫しません。
判断が要る場面は、責任者に回す線を引いてください。新人が答えてよいのは、その日に何をしたかまでです。
| 決めること | 内容 |
|---|---|
| 強さの目盛り | 互いに施術し合って合わせる |
| 訴えへの答え方 | 原因を断定しない。事実だけ |
| 判断の線 | 新人が答えるのは施術内容まで |
| 記録 | 強さの数字と避けた部位 |
施術の前に確認すること
訴えを減らすには、始める前の確認が効きます。ここを短くしないでください。
体調を聞いてください。眠れているか、食事は取れているか、その日に予定があるか。同じ施術でも、状態によって出方が変わります。
飲酒の有無も、確認の対象です。当日に飲まれている場合は、判断が要ります。
避けてほしい部位も、先に聞いてください。過去に痛めた場所や、触られたくない場所。ここを聞かずに進めると、その場で言えない方が我慢されることになる。
なお、持病や服薬について詳しく踏み込む場合は、その情報の扱いにも注意が要ります。記録の考え方は、アレルギーと既往の記録で整理しています。
当日の過ごし方を伝える
施術の後の行動でも、翌日の状態が変わります。ここも伝える対象です。
激しく体を動かす予定があるかを、聞いてください。ある場合は、その日の内容を調整する判断もあります。
飲酒についても、一言添えてください。ただし「飲まないでください」と指示する立場ではありません。「その日は控える方が多いです」という伝え方にとどめます。
水分と休息についても、同じです。断定せず、目安として伝えてください。
なお、こうした助言が体調に効くかどうかを、こちらが保証しないでください。言えるのは「そうされる方が多い」までです。
訴えが多い店の共通点
同じ施術でも、訴えの数には差が出ます。原因は技術だけでは、ありません。
一つは、確認の回数です。途中で聞かない店ほど、後から言われます。その場で調整できていないためです。
二つ目は、予約の詰まり方です。時間に追われると、加減が雑になります。枠を詰めすぎていないかを、見てください。
三つ目は、説明の量です。事前に一言もない店では、翌日の張りが「異常」として受け取られるためです。同じ状態でも、聞いていれば受け止め方が変わります。
つまり、技術を変える前に見る場所がある。ここを直すほうが、早く効きます。
経過を追う
一度きりで終わらせず、次の来店で確認してください。ここが記録の使いどころです。
「前回の後はいかがでしたか」と聞くだけで足ります。答えが、その方の適した強さを教えてくれます。
張りが出たと言われたら、その日は下げてください。「前回6だったので、今日は5でいきます」と伝えると、こちらが覚えていることも伝わります。
数回分の記録が溜まると、その方の適正が見えてきます。ここまで来ると、訴えはほとんど出なくなります。
なお、経過を追う延長として、来店の間隔そのものを設計する考え方があります。整理は「痛くなったら来る」を変えるで扱っています。
VANNAでできること
VANNAでは、顧客の記録に施術の内容や強さのメモを残せます。来店の履歴と同じ場所に置けるため、前回どの強さで行ったかを次回に確認できる形です。予約の画面には注意事項を掲載でき、事前の説明も示せます。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。
一方で症状を判定したり、施術の可否を判断したりする機能は、ありません。判断は、施術者と本人、必要なら医療機関で行うことになります。この点は把握しておいてください。
料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。
強くしないという方向
訴えが続く店では、施術そのものを見直す余地があります。
強さで満足を作る形には、上限があります。回を重ねるほど、強くしないと物足りなくなる場面が出るためです。
時間の使い方や、扱う範囲を変える方向もあります。同じ強さでも、丁寧に進めれば印象が変わるためです。
「強いのが好き」という方には、その希望を否定しないでください。ただし、こちらの判断で加減する旨は伝えること。「今日は少し抑えます」と言えば、多くの方は納得されます。
起きた後の連絡
こちらから一報を入れるかどうかも、決めておいてください。
翌日に様子を伺う連絡があると、受け止め方が変わります。ただし全員にやると、負担になるためです。
初めての方や、強めを希望された方に限る形が現実的です。記録があれば、対象が分かります。
連絡の手段と時間帯は、事前に確認しておいてください。考え方は、連絡してよい手段と時間帯で整理しています。
今日やる一つ
直近に施術した1人ぶんの記録を見てください。強さが数字で残っているか。残っていないなら、次回から「本人の申告で◯」と書くところから始めてください。
よくある質問
もみ返しの原因を説明してよいですか
原因を店で特定することはできません。「もみ返しです」と断定せず、その日に何をしたか(部位・強さ・時間)までを答えてください。症状が続く場合や強い場合は、医療機関への相談を案内します。
起きる前に何を伝えますか
翌日に張りが出る場合があることと、そのときどうすればよいか。この2つです。施術の前に一言あるかどうかで、翌日の受け止め方が変わります。
強さはどう聞きますか
「痛くないですか」では答えが出ません。「10段階でいくつくらいですか」と数字にしてください。始まってすぐと半ばの2回、こちらから確認します。
「強めで」と言われたら
その場で全部応えないでください。初回は加減を抑え、次回に調整する形が安全です。「痛いほど効く」という思い込みには、同調しないでください。
何を記録しますか
その日の強さを数字で、避けた部位と本人が痛がった場所を残してください。「本人の申告で6」と書けば、次回の設計に使えます。
訴えが来たらどう動きますか
状態を聞く、その日の記録を確認する、必要なら受診を案内する。この順です。「大丈夫です」と言わないでください。謝罪の言葉と原因の話は、分けて伝えます。
返金は応じますか
基準を先に決めてください。返金するのか次回を無償にするのかしないのか、どの条件で、誰が判断するか。その都度の判断にすると、人によって扱いが変わります。
スタッフ間で強さが揃いません
互いに施術し合って、目盛りを合わせる場面が要ります。「10段階で6」が全員で同じ強さになるとは限りません。訴えへの答え方も統一してください。
施術の前に何を確認しますか
体調(睡眠・食事・その日の予定)、飲酒の有無、避けてほしい部位。この3つです。避けてほしい場所を聞かずに進めると、その場で言えない方が我慢されます。
当日の過ごし方は伝えますか
激しく体を動かす予定があるかを聞いてください。飲酒や水分についても、指示ではなく「そうされる方が多い」という目安で伝えます。効果を保証しないでください。
訴えが多い店の共通点は
途中で強さを確認していない、予約を詰めすぎて加減が雑になっている、事前の説明がない。この3つです。技術を変える前に、ここを直すほうが早く効きます。
次の来店では何を聞きますか
「前回の後はいかがでしたか」で足ります。張りが出たと言われたら、その日は強さを下げてください。数回分の記録が溜まると、その方の適正が見えてきます。



