消費税を納める側になる境目|売上の基準と、備えの時期
公開: 2026年7月29日最終更新: 2026年8月1日
Summary
サロンが消費税を納める側になる条件と備えを整理します。2年前の売上で判定される仕組み、1,000万円の基準、前年上半期による判定、登録による場合、超えそうな年に確認すること、届出と計算方法の選択、記帳と保存の変化、納付に向けた現金の備えを扱います。
売上が伸びてきました。ある年から、消費税を納める側になります。その年に慌てても、間に合いません。
境目は、2年前の売上で決まります。つまり、いま超えれば2年後に納める側になるということです。

判定は2年前の売上で行う
まず、この仕組みを理解してください。その年に納める側かどうかは、2年前の売上で判定されます。この2年前の期間を、基準となる期間と呼びます。そのため今年の売上が大きくても、今年すぐに納める側になるわけではありません。逆に2年前に超えていれば、今年の売上が小さくても納める側です。制度の詳細は、国税庁 消費税のしくみで公開されています。
境目は1,000万円
これが、金額の基準です。2年前の課税売上高が1,000万円を超えると、原則として納める側になります。ただし売上の全額ではなく、課税の対象になる売上で判定します。サロンの施術と物販の売上は、多くの場合が課税の対象です。判定の対象になる範囲は、税理士に確認してください。
前年の上半期でも判定される
ここには、もう一つの経路があります。2年前が1,000万円以下でも、前年の上半期の売上で判定される場合があるためです。前年の1月から6月の課税売上高が、1,000万円を超える場合。このときも、納める側になる可能性があります。なお給与の支払額で判定する方法も、あります。上半期で急に伸びた場合は、確認してください。
| 判定の経路 | 見る期間 |
|---|---|
| 基準となる期間 | 2年前の1年間 |
| 特定の期間 | 前年の1月から6月 |
| 登録による | 登録した時点から |

登録すると、その時点から納める側になる
これは、判定とは別の経路になります。取引先から求められて、登録をする場合があるためです。登録すると、売上の額に関わらず納める側になります。1,000万円を超えていなくても、です。登録の判断は、インボイス制度、個人サロンオーナーは開業時に登録すべきかで整理しています。サロンの多くは一般の方が来店されるため、登録が不要な場合もあります。
いつから準備するか
超えた年から、始めてください。今年の売上が1,000万円を超えた場合、2年後に納める側になります。逆に言えば、その2年の間に準備ができるということです。超えてから慌てるのではなく、超えた時点で動いてください。
超えそうな年に確認すること
前もって、計算してください。月ごとの売上を積み上げて、年間の見込みを出します。800万円を超えた時点で、意識してください。年末に近づいたら、より正確に見ます。超えるかどうかで、その後の準備が変わるためです。
届出が必要になる
これには、手続きがあります。納める側になる場合、その旨の届出が必要になります。提出の時期にも、定めがあります。遅れると、不利益が生じる場合があります。提出の先は、所轄の税務署です。
価格の表示を確認する
ここは、来店される方に関わります。納める側になったからといって、料金を上げる義務はありません。ただし上げる場合は、事前に告知が必要です。表示が税込か税抜かも、確認してください。告知の時期は、サロンのSNSの年間計画で整理しています。
料金を上げるかの判断
これは、経営の判断になります。納める税額の分だけ、手元に残る額が減るためです。その分を料金に反映するか、吸収するか。反映すれば、離れる方が出る可能性があります。吸収すれば、利益が減ります。どちらにするかを、前もって決めてください。
計算の方法に選択がある
計算の方法は、一つではありません。受け取った消費税から、支払った消費税を差し引いて納める方法。売上の一定の割合で計算する、簡易な方法。要件を満たす場合は、選べます。どちらが有利かは、仕入れの割合によって変わります。ただし選ぶ場合、届出の期限があります。
簡易な方法の届出時期
期限を、逃さないでください。簡易な方法を使う場合、事前の届出が必要になります。適用したい年の前年までに、提出する必要があるためです。その年になってからでは、間に合いません。だから超えた時点で、検討を始めてください。

開業から2年は判定の対象がない
これは、最初の期間の扱いです。開業した年は、2年前の売上がありません。そのため原則として、納める側にはなりません。翌年も、同じ考え方が適用される場合があります。ただし前年の上半期の判定や、登録による場合は別です。開業直後の扱いは、開業したばかりで売上がまだ少ないサロンオーナーも確定申告は必要かで整理しています。
売上に何が含まれるか
ここは、判定に関わります。施術の売上、物販の売上。これらは多くの場合、課税の対象です。一方で、対象にならない収入もあります。面貸しの賃料や補助金の扱いは、内容によって異なります。含まれる範囲を、税理士に確認してください。
複数の事業を行っている場合
この場合は、合算されます。サロン以外の事業も行っている場合、個人としての課税売上高を合算して判定するためです。サロンだけで1,000万円を超えていなくても、合算で超えることがあります。事業ごとに分けて、考えないでください。
記帳の方法が変わる
ここでも、作業が増えます。納める側になると、取引ごとに税率を区分する必要が出るためです。軽減の税率が適用される取引がある場合は、その区分も要ります。物販を行っている場合、扱う商品によって税率が違うことがあります。会計の道具の設定を、確認してください。
保存する書類が増える
ここも、要件が変わります。差し引く計算を行う場合、一定の要件を満たす書類の保存が必要になるためです。仕入れ先から受け取る請求書の内容も、確認してください。保存の方法は、領収書と帳簿の保存で整理しています。
納付の時期に備える
これは、現金の問題です。納める額は、申告の後にまとめて支払います。その時点で、まとまった現金が必要になるためです。毎月少しずつ別に置いておく形が、安全です。まとめて請求が来てから、慌てないでください。
中間の納付が発生する場合
これは、規模によります。前年の納付額が一定を超えると、年の途中で納付が発生する場合があるためです。回数も、額によって変わります。その分の現金も、計画に入れてください。
超えないように調整するか
ここは、判断が分かれます。意図的に売上を抑える選択を、考える方がいるためです。ただしそれは、成長を止めることになります。税額より、売上の増加のほうが大きい場合がほとんどです。抑えること自体を、目的にしないでください。
法人化との関係
これも、検討の材料になります。売上が伸びた段階で、法人化を検討する場合があるためです。税の負担や、社会保険の扱いが変わります。判断は、個人事業主 vs 法人化 完全ガイドで整理しています。消費税の扱いも、あわせて変わる場合があります。
税理士に相談する時期
それは、超えた年です。売上が1,000万円を超えた年に、相談してください。2年後の準備を、一緒に組み立てられるためです。計算の方法の選択、届出の期限、記帳の変更。これらを、期限内に進められます。納める側になってから相談すると、選べる選択肢が減ります。
VANNAでできること
VANNAでは、売上と予約の記録が蓄積され、月ごとの推移を確認できます。年間の見込みを出す材料として使えます。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。
消費税の計算を行ったり、届出を作成したり、税率を判定したりする機能はありません。税務の処理は、別に行うことになります。この点は把握しておいてください。
料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。
今年やる三つ
売上が伸びている場合は、これだけ行ってください。今年の売上の見込みを、月ごとに積み上げて出す。800万円を超えていたら、税理士に相談する。超える見込みなら、2年後に向けた準備の予定を立てる。超えてから動くと、それだけ選べる選択肢が減ります。
よくある質問
いつから納める側になりますか
2年前の売上で判定されます。今年超えたら、2年後に納める側になります。今年の売上が大きくても、今年すぐにではありません。
境目はいくらですか
2年前の課税売上高が1,000万円を超えると、原則として納める側になります。売上の全額ではなく、課税の対象になる売上で判定します。
他の判定方法はありますか
前年の1月から6月の課税売上高が1,000万円を超える場合も、納める側になる可能性があります。給与の支払額で判定する方法もあります。
登録した場合はどうなりますか
売上の額に関わらず、その時点から納める側になります。1,000万円を超えていなくても、です。
サロンは登録が必要ですか
一般の方が来店されるサロンの多くは、登録が不要な場合があります。取引先から求められる場合に、検討することになります。
いつから準備しますか
超えた年からです。2年の間に準備ができます。超えてから慌てるのではなく、超えた時点で動いてください。
超えそうかはどう確認しますか
月ごとの売上を積み上げて、年間の見込みを出してください。800万円を超えた時点で意識してください。
届出は必要ですか
納める側になる場合、その旨の届出が必要です。提出の時期にも定めがあり、遅れると不利益が生じる場合があります。
料金を上げる必要がありますか
義務はありません。上げる場合、事前に告知が必要です。表示が税込か税抜かも確認してください。
上げるかどうかはどう判断しますか
納める税額の分、手元に残る額が減ります。反映すれば離れる方が出る可能性があり、吸収すれば利益が減ります。前もって決めてください。
計算の方法は一つですか
受け取った消費税から支払った消費税を差し引く方法と、売上の一定の割合で計算する簡易な方法があります。要件を満たす場合、選べます。
どちらが有利ですか
仕入れの割合によって変わります。材料費が少ない業種では、簡易な方法が有利になる場合があります。税理士に計算してもらってください。
簡易な方法はいつ届け出ますか
適用したい年の前年までに提出する必要があります。その年になってからでは間に合いません。
開業したばかりの場合は
開業した年は2年前の売上がないため、原則として納める側にはなりません。ただし、前年上半期の判定や、登録による場合は別です。
売上には何が含まれますか
施術と物販の売上は、多くの場合、課税の対象です。面貸しの賃料や補助金の扱いは、内容によって異なります。税理士に確認してください。
他の事業もしています
個人としての課税売上高を合算して判定します。サロンだけで超えていなくても、合算で超える場合があります。
記帳は変わりますか
取引ごとに税率を区分する必要が出ます。物販を行っている場合、商品によって税率が違う場合があります。会計の道具の設定を確認してください。
書類の保存も変わりますか
差し引く計算を行う場合、一定の要件を満たす書類の保存が必要です。仕入れ先から受け取る請求書の内容も確認してください。
納付の時期に備えることは
申告の後にまとめて支払います。毎月、少しずつ別に置いておく形が安全です。まとめて請求が来てから慌てないでください。
途中で納付することはありますか
前年の納付額が一定を超えると、年の途中で納付が発生する場合があります。その分の現金も計画に入れてください。
超えないように抑えるべきですか
成長を止めることになります。税額より、売上の増加のほうが大きい場合がほとんどです。抑えることを目的にしないでください。
法人化と関係しますか
税の負担や社会保険の扱いが変わり、消費税の扱いも変わる場合があります。売上が伸びた段階で、あわせて検討してください。
いつ税理士に相談しますか
売上が1,000万円を超えた年です。2年後の準備を一緒に組み立てられます。超えてから相談すると、選べる選択肢が減ります。
今年は何をしますか
売上の見込みを月ごとに積み上げる、800万円を超えていたら相談する、超える見込みなら準備の予定を立てる。この三つです。
出典
本記事は2026年7月時点の一般的な情報の整理です。判定の要件、届出の期限、計算の方法は制度の改正によって変わります。金額や期限を含め、必ず国税庁の案内と税理士、所轄の税務署でご確認ください。VANNAの料金・機能・キャンペーン条件は変更される場合があります。



