顧客情報をいつまで持つか|保存の期間と、消し方を決める
公開: 2026年7月29日最終更新: 2026年8月1日
Summary
サロンの顧客情報の保存期間と廃棄を整理します。持ち続けることが前提でない理由、情報ごとの期間の考え方、最終の来店から数える基準、年に一度の削除の作業、消し忘れやすい控えと紙と端末、消した記録の残し方、集める範囲を減らす考え方を扱います。
開業から8年。台帳には、一度きりの来店で終わった方が数百人分残っています。連絡先も、施術の記録も、そのままです。
持ち続けることには、理由が要ります。理由がなくなったものは、消す対象です。

持ち続けることが前提ではない
まず、この認識から始めてください。顧客の情報は必要な範囲で持つもので、必要がなくなったものは消すことが求められます。「いつか来るかもしれない」は、理由として弱いものです。持ち続けるほど、漏れたときの被害が大きくなります。
消さないことの危険
具体的な影響です。情報が漏れた場合、対象の人数が増えてしまいます。古い情報ほど連絡が取れず、対応も難しくなるでしょう。管理する手間は増え続け、探す時間も長くなります。持っている量が、そのまま負担になります。
保存する期間を決める
決めていない店が、多くあります。法令で保存が求められる書類には期間の定めがありますが、そうでない情報は事業者が判断して決めるためです。決めていないと、消す判断ができません。期間を決めて、書面にしてください。
| 情報 | 期間の考え方 |
|---|---|
| 帳簿・領収書 | 法令の定めに従う |
| 施術の記録 | 最終の来店から数年 |
| 連絡先 | 最終の来店から数年 |
| 同意の記録 | 掲載の期間+一定期間 |
| 応募者の情報 | 選考の終了後、短期間 |

最終の来店から数える
分かりやすい基準です。「最後に来店された日から3年」という形にすると、来店のたびに期間が更新されます。継続して来ている方の情報は消えず、離れた方の情報だけが順に対象になります。3年か5年かは、業種と再来の周期で決めてください。
業種で期間が変わる
一律にしないでください。来店の周期が短い業種なら3年で足りますが、数年に一度の来店が普通なら長めに設定してください。その方が戻る可能性が、判断の材料になります。過去の実績で、何年ぶりの再来があったかを確認してください。
法令で定めのある書類
これは、別に扱ってください。帳簿や取引に関する書類には保存の期間が定められており、期間が来るまで消せません。税務に関する書類の保存は、領収書と帳簿の保存で整理しています。顧客の記録と帳簿は、分けて管理してください。
施術の記録の扱い
慎重に判断してください。過去の施術の内容は次回の施術に関わりますし、薬剤の反応や体質に関する記録は特に重要です。ただし、来なくなった方の記録を持ち続ける理由は薄くなります。期間を決めて、その後は消してください。
同意の記録の扱い
掲載の期間に、連動します。写真の掲載に同意をいただいた記録は、掲載している間は持ち続けてください。掲載を終えた後も、一定の期間は残します。後から確認を求められる場合があります。
応募者の情報
見落とされます。採用に応募された方の履歴書などは、選考が終わった後に持ち続ける理由が多くありません。返却するか廃棄するかを、決めてください。応募の時点で、扱いを伝えておきます。
消す作業を年に一度行う
日を決めてください。年に一度、期間を過ぎた記録を確認して、まとめて消す形が現実的です。決算の時期や年度の切り替わりが、扱いやすい時期です。思い立ったときにやる形では、続きません。
消す前に確認する
一度消すと、戻せません。本当に来なくなった方かを、確認してください。引っ越しや担当の交代で離れた方が、戻る場合があります。迷う場合は、連絡先だけを残して記録は消す方法もあります。判断の基準を、決めておいてください。

消し方を決める
削除するだけでは、足りない場合があります。画面から消しても、装置の中に残ることがあるためです。紙の記録は、裁断してください。そのまま捨てないでください。端末を手放す場合の手順は、端末を買い替える・捨てるときで整理しています。控えを取っている場所からも、消してください。
控えの中も忘れない
見落とされる場所です。本体から消しても、控えの中に残っています。雲の保存先、外付けの装置、パソコンの中。控えを取っている場所を一覧にして、これらすべてから消す必要があります。古い控えをいつまで残すかも、決めてください。
消した記録を残す
矛盾するようですが、必要です。いつ、どの範囲を消したかを記録してください。ただし、個人が特定できる形では残さないでください。「2026年7月、2021年以前の来店記録を削除」という形で足ります。後から問い合わせがあった場合に、説明できます。
本人から削除を求められた場合
期間に関係なく、対応します。本人から情報の削除を求められた場合、一定の要件を満たすなら応じる必要があるためです。対応の手順は、顧客から情報の開示や削除を求められたらで整理しています。期間を待たずに、対応してください。
休眠と削除は別に扱う
混ぜないでください。しばらく来ていない方を休眠として区分する運用がありますが、区分することと消すことは別です。休眠の方には、案内を送る場合があります。送る対象から外すことと記録を消すことも、別の判断です。区分の考え方は、顧客台帳を分けて使うで整理しています。
送らない設定と、消すことの違い
判断を分けてください。案内を送らないでほしいと言われた場合、その意思を記録して送る対象から外します。このとき、記録そのものを消す必要はありません。むしろ、送らない意思を記録するために情報が必要になります。
亡くなられた方の記録
配慮が要ります。ご家族から連絡をいただく場合があり、案内を送り続けるとご家族の負担になるためです。連絡を受けた時点で、送る対象から外してください。記録の扱いは、ご家族の意向を確認してください。
方針を掲示する
伝える義務があります。どんな情報を、何のために、どのくらい持つか。これを、来店される方に分かる形で示してください。サイトに掲載する形が、一般的です。作り方は、サロンのプライバシーポリシー必須項目テンプレートで整理しています。
集める範囲を減らす
そもそもの対策です。持つ情報が少なければ、管理も廃棄も軽くなります。本当に必要な項目だけを、聞いてください。生年月日は必要ですか。住所は必要ですか。必要がないなら、聞かないでください。集めた情報は、いずれ管理と廃棄の対象になります。
スタッフに伝える
一人では、管理できません。保存の期間と消す手順を、共有してください。個人の端末に控えを取らないよう、伝えてください。紙の記録の処分の方法も、伝えます。決めごとを1枚にして、渡してください。
事業を閉じるときの扱い
最後に、必要になります。店を閉める場合、顧客の情報をどうするかを決める必要があるためです。譲渡する場合は、本人の同意が必要なことがあります。閉じる場合は、適切に廃棄してください。手続きは、サロンを閉めるときの手続きで整理しています。
記録の全部を消さなくてよい場合
消すのは、個人が分かる部分です。来店の件数や月ごとの売上は経営の判断に使うので、これらまで消すと過去との比較ができなくなります。
氏名と連絡先を消して、件数だけを残す方法があります。「2021年の新規は120人」という形なら、個人には結びつきません。集計の値として残せば、期間の経過後も持っていられます。
ただし、他の情報と組み合わせて個人が特定できる形では、残さないでください。来店の日時と施術の内容が細かく残っていると、名前がなくても分かる場合があります。どこまで残すかは、税理士や専門家に確認してください。
VANNAでできること
VANNAでは、顧客の情報を項目ごとに管理でき、不要になった記録を管理画面から削除できます。最終の来店日も記録されるため、期間の判断に使えます。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。
保存の期間を自動で判定したり、期限が来た記録を自動で消したりする機能はありません。期間の設計と削除の実行は、店側で行うことになります。この点は把握しておいてください。
料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。
今月決める三つ
これだけ決めてください。最終の来店から何年で消すか。年に一度、消す作業を行う日。紙の記録の処分の方法。この三つを紙に書いて、決めごとの一覧に加えてください。
よくある質問
ずっと持っていてよいですか
顧客の情報は、必要な範囲で持つものです。必要がなくなったものは、消すことが求められます。「いつか来るかもしれない」は、理由として弱いものです。
消さないと何が問題ですか
漏れた場合の対象の人数が増えます。古い情報ほど連絡が取れず、対応が難しくなります。管理と検索の手間も増え続けます。
期間はどう決めますか
法令で定めのある書類は、その期間に従います。そうでない情報は、事業者が判断して決め、書面にしてください。
起点は何にしますか
最後に来店された日です。来店のたびに更新され、継続して来ている方の情報は消えません。離れた方の情報だけが対象になります。
何年にしますか
3年か5年を、業種と再来の周期で決めてください。過去に何年ぶりの再来があったかを確認すると、判断できます。
帳簿はどう扱いますか
法令で保存の期間が定められています。期間が来るまで消せません。顧客の記録とは、分けて管理してください。
施術の記録は
薬剤の反応や体質の記録は重要ですが、来なくなった方の記録を持ち続ける理由は薄くなります。期間を決めて、その後は消してください。
同意の記録は
掲載している間は持ち続け、終えた後も一定の期間は残してください。後から確認を求められる場合があります。
応募者の情報は
選考が終わった後、持ち続ける理由は多くありません。返却するか廃棄するかを決め、応募の時点で扱いを伝えてください。
いつ消しますか
年に一度、日を決めてください。決算の時期や年度の切り替わりが扱いやすい時期です。思い立ったときでは続きません。
消す前に確認することは
本当に来なくなった方かを確認してください。迷う場合、連絡先だけを残して記録は消す方法もあります。
消し方に決まりはありますか
画面から消しても、装置の中に残る場合があります。紙の記録は裁断してください。そのまま捨てないでください。
控えはどうしますか
本体から消しても、控えの中に残っています。控えを取っている場所を一覧にして、すべてから消してください。
消した記録は残しますか
いつ、どの範囲を消したかを記録してください。個人が特定できる形では残さないでください。問い合わせがあったときに説明できます。
本人から削除を求められたら
期間に関係なく、対応してください。一定の要件を満たす場合、応じる必要があります。
休眠の区分と削除は同じですか
別です。区分することと消すことは違います。案内を送る対象から外すことと、記録を消すことも別です。
送らないでほしいと言われたら
その意思を記録して、送る対象から外してください。記録そのものを消す必要はありません。送らない意思を記録するために、情報が必要になります。
亡くなられた方の記録は
案内を送り続けると、ご家族の負担になります。連絡を受けた時点で送る対象から外し、記録の扱いはご家族の意向を確認してください。
方針は掲示しますか
どんな情報を、何のために、どのくらい持つか。来店される方に分かる形で示してください。サイトに掲載する形が一般的です。
減らす方法はありますか
そもそも集める範囲を減らしてください。生年月日は必要ですか、住所は必要ですか。集めた情報は、いずれ管理と廃棄の対象になります。
スタッフには何を伝えますか
保存の期間と消す手順、個人の端末に控えを取らないこと、紙の記録の処分の方法。1枚にして渡してください。
店を閉めるときは
譲渡する場合、本人の同意が必要な場合があります。閉じる場合、適切に廃棄してください。
今月は何を決めますか
最終の来店から何年で消すか、年に一度消す作業を行う日、紙の記録の処分の方法。この三つです。
集計の数字まで消しますか
消さなくて構いません。氏名と連絡先を消して、件数だけを残す方法があります。ただし、他の情報と組み合わせて個人が分かる形では残さないでください。
出典
本記事は2026年7月時点の一般的な情報の整理です。保存が求められる期間は、書類の種類と法令によって異なります。個別の判断は、専門家や所管の窓口にご確認ください。VANNAの料金・機能・キャンペーン条件は変更される場合があります。



