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多店舗展開・事業承継

サロンに店長を置く|任せる範囲を決めないと、二重の指示になる

公開: 2026年7月29日最終更新: 2026年8月1日

店長を置いたのに、スタッフが結局オーナーに聞きに来る。指示が二重になり、現場が混乱します。

肩書きを付けただけでは、店長になりません。何を決めてよいかを、書き出す必要があります。

店長が決めてよいことと確認が要ることを、シフト・材料の発注・料金とメニュー・採用や補償の四行で整理した図
店長が決めてよいことと確認が要ることを、シフト・材料の発注・料金とメニュー・採用や補償の四行で整理した図

肩書きより、決められる範囲

まず、ここから始めてください。「店長」という名前は、役割を説明していません。何を自分の判断で決めてよいか。何は必ずオーナーに確認するか。この線を書き出したものが、店長の役割です。書き出していない状態で任命すると、判断のたびに確認が入ります。

決めてよいことを書き出す

具体的に列挙してください。その日のシフトの組み替え。材料の追加の発注。上限の金額を決めてください。予約の受け方の調整。来店された方への対応。断りを含めて。

これらは、その場で判断が要るものです。任せないと、業務が止まります。

領域店長の判断オーナーの判断
その日のシフト決めてよい
材料の発注上限内は決めてよい上限超は確認
料金・メニューオーナーが決める
採用・退職意見を出すオーナーが決める
苦情の補償オーナーが決める
店長を機能させる三点を、指示は一本に・相談の時間・数字を見せるに整理した図
店長を機能させる三点を、指示は一本に・相談の時間・数字を見せるに整理した図

決めてはいけないことを明示する

同じくらい重要です。料金とメニューの内容は、店全体に関わります。採用と退職は、雇用の責任がオーナーにあります。苦情に対する補償や返金。設備の購入や、契約の締結。

これらを店長に判断させると、責任が曖昧になります。問題が起きたとき、本人が責められます。

金額で線を引く

分かりやすい基準です。「1回あたり2万円までは、店長の判断で発注してよい」。金額で決めると、迷いません。上限を超えるものだけ、確認が入ります。月ごとの合計の上限も、決めてください。上限は、実績を見て見直してください。

指示の経路を一本にする

二重指示を防ぎます。オーナーが店長を飛ばして直接指示すると、店長の役割が壊れます。現場への指示は、店長を通してください。急ぎの場合でも、後から店長に伝えてください。スタッフからの相談も、まず店長が受ける形にしてください。これを守らないと、肩書きだけが残ります。

店長の相談先を作る

一人で抱えさせないでください。店長は、スタッフとオーナーの間に立ちます。板挟みになりやすい位置です。オーナーと定期的に話す時間を、決めてください。週に一度、30分で足ります。その時間を、報告ではなく相談の時間にしてください。

報告の項目を決める

毎回同じにしてください。売上と来客数。前月との差。困っていること。決めてほしいこと。この四つで足ります。項目が決まっていると、準備の負担が減ります。

報告の形式を軽くする

凝ると続きません。紙1枚か、短い文章で足ります。資料を作らせないでください。作る時間は、売上を生みません。数字は、記録から自動で出る形にしてください。書式を決めて、埋めるだけにしてください。

数字を見せる

これが最も効きます。売上、来客数、単価、材料費、人件費。見せていない状態で「利益を意識して」と言っても、伝わりません。見せる範囲は、店ごとの数字で足ります。会社全体の数字まで見せる必要はありません。数字の分解は、サロンの売上を伸ばす前にで整理しています。

給与を役割に見合わせる

責任だけ増やさないでください。判断の範囲が広がるなら、給与も見直してください。手当の形にするか、基本の給与に含めるかを決めてください。金額を決める前に、役割を書き出してください。役割が曖昧なまま手当を付けると、後で揉めます。評価と昇給の考え方は、サロンのスタッフ評価と昇給の決め方で整理しています。

見落とされやすい項目を、残業代・管理の時間・給与・引き継ぎの四つに分けた図
見落とされやすい項目を、残業代・管理の時間・給与・引き継ぎの四つに分けた図

労働時間の扱いに注意する

誤解が多い領域です。「店長だから残業代は出ない」という扱いは、成り立たない場合があります。役職の名前ではなく、実際の権限と待遇で判断されます。出退勤の自由がなく、経営の判断に関与していない場合、通常の労働者として扱われます。

判断に迷う場合、社会保険労務士に確認してください。労働時間の管理は、サロンの労働時間と休暇の管理で整理しています。

施術と管理の時間を分ける

両方はできません。店長も施術に入る場合、管理の時間が取れません。週に何時間を管理に充てるかを、決めてください。その時間は、予約を入れない枠にしてください。管理の時間を確保しないと、業務が後回しになります。後回しになった業務は、オーナーに戻ってきます。

最初の3か月

いきなり全部を渡さないでください。一つずつ、範囲を広げてください。最初はシフトだけ。次に発注。次に対応の判断。慣れてから、次を渡してください。3か月かけて、想定の範囲まで広げる形が扱いやすい形です。

失敗させる余地を残す

学ぶために必要です。判断が間違っていても、取り返しがつく範囲なら、口を出さないでください。すぐに訂正すると、次から判断しなくなります。後から一緒に振り返る形にしてください。取り返しのつかない範囲だけ、事前に確認を入れてください。

スタッフへの伝え方

任命の時点で伝えてください。誰が何を決めるかを、全員に共有します。伝えないと、スタッフは従来通りオーナーに聞きます。書いたものを配ってください。口頭では伝わりません。疑問が出た時点で、その場で線を確認してください。

店長を置かない選択

これも成立します。スタッフが2人か3人の規模なら、オーナーが直接見る形で足ります。無理に階層を作ると、伝達が遅くなります。規模が大きくなってから、置いてください。置く目安は、オーナーが全員の状況を把握できなくなったときです。

候補がいない場合

急がないでください。適任がいない状態で置くと、本人も店も苦しくなります。技術が高いことと、管理ができることは別です。候補を育てる期間を、先に取ってください。外から採用する選択もありますが、現場を知るまでに時間がかかります。

引き継ぎの記録を作る

交代は起きます。店長が辞める、あるいは役割を外れる場合があります。決めごと、数字の見方、取引先の連絡先。これらを書いたものを、常に最新にしてください。一人の頭の中にしかない状態を、作らないでください。

うまくいかない場合

役割を戻すこともできます。本人に向いていない場合があります。責任を減らして、施術に戻る選択があります。その場合、降格ではなく役割の変更として扱ってください。給与を下げる場合、事前に合意が要ります。一方的に下げることはできません。

VANNAでできること

VANNAでは、管理画面の利用者を複数設定でき、担当者ごとに見られる範囲を分けられます。売上や予約の状況を店長が確認できる形にしておくと、数字を見せる運用が回ります。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。

役割や決裁の範囲を管理したり、権限の規程を作成したりする機能はありません。役割の設計と書面化は、別に行うことになります。この点は把握しておいてください。

料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。

呼び方を先に決める

小さな点ですが、影響します。スタッフの前で、どう呼ぶかを決めてください。役職名で呼ぶか、これまで通り名前で呼ぶか。呼び方が揺れると、役割も揺れて見えます。来店された方への紹介の仕方も、決めてください。「店長の〇〇です」と紹介するかどうかは、店の雰囲気で判断してください。

二人目の店長を置くとき

比べられます。2店舗目に別の店長を置く場合、扱いを揃えてください。決めてよい範囲、金額の上限、報告の項目。片方だけ範囲が広いと、不公平に見えます。給与の差がある場合、理由を説明できる形にしてください。複数店での運営は、複数店で品質を揃えるで整理しています。

現場から離れる準備でもある

オーナー側の話です。店長を置く目的の一つは、オーナーが現場を離れることです。離れる時期を決めずに置くと、二人で同じ仕事をすることになります。いつまでに何を渡すかを、先に決めてください。段階の踏み方は、サロンのオーナーが現場を離れるときで整理しています。

任命の前に書く1枚

これだけ用意してください。決めてよいこと。確認が要ること。金額の上限。報告の項目と頻度。この4項目を1枚に書いて、本人と共有してください。書けないなら、まだ任命の時期ではありません。

よくある質問

店長を置けば任せられますか

肩書きだけでは、店長になりません。何を自分の判断で決めてよいか、何は確認するか。この線を書き出したものが役割です。

何を任せますか

その日のシフト、上限内の発注、予約の受け方、来店された方への対応。その場で判断が要るものです。任せないと業務が止まります。

任せてはいけないことは

料金とメニュー、採用と退職、苦情に対する補償、設備の購入や契約。判断させると、問題が起きたときに本人が責められます。

発注の線引きは

金額で決めてください。「1回2万円まで」のように。上限を超えるものだけ確認が入ります。月ごとの合計の上限も決めてください。

オーナーが直接指示してよいですか

店長を通してください。飛ばして指示すると、店長の役割が壊れます。急ぎの場合でも、後から店長に伝えてください。

店長の相談先は

オーナーです。週に一度、30分の時間を決めてください。報告ではなく、相談の時間にしてください。板挟みになりやすい位置です。

報告は何を出させますか

売上と来客数、前月との差、困っていること、決めてほしいこと。この四つで足ります。資料を作らせないでください。

数字は見せますか

見せてください。売上、来客数、単価、材料費、人件費。見せずに「利益を意識して」と言っても伝わりません。店ごとの数字で足ります。

給与は上げますか

判断の範囲が広がるなら、見直してください。金額を決める前に役割を書き出してください。曖昧なまま手当を付けると、後で揉めます。

店長なら残業代は不要ですか

役職の名前ではなく、実際の権限と待遇で判断されます。出退勤の自由がなく経営の判断に関与していない場合、通常の労働者として扱われます。

施術にも入ってもらえますか

管理の時間を週に何時間と決め、その時間は予約を入れない枠にしてください。確保しないと、業務がオーナーに戻ってきます。

最初から全部任せますか

一つずつ広げてください。最初はシフト、次に発注、次に対応の判断。3か月かけて想定の範囲まで広げる形が扱いやすい形です。

判断が間違っていたら

取り返しがつく範囲なら、口を出さないでください。すぐ訂正すると、次から判断しなくなります。後から一緒に振り返ってください。

スタッフにはどう伝えますか

任命の時点で、誰が何を決めるかを全員に共有してください。書いたものを配ってください。口頭では伝わりません。

置かない選択はありますか

スタッフが2人か3人なら、オーナーが直接見る形で足ります。無理に階層を作ると、伝達が遅くなります。

置く目安は

オーナーが全員の状況を把握できなくなったときです。規模が大きくなってから置いてください。

候補がいません

急がないでください。技術が高いことと管理ができることは別です。育てる期間を先に取ってください。

交代に備えることは

決めごと、数字の見方、取引先の連絡先を書いたものを、常に最新にしてください。一人の頭の中にしかない状態を作らないでください。

向いていなかった場合は

役割を戻すこともできます。降格ではなく役割の変更として扱ってください。給与を下げる場合、事前に合意が要ります。

呼び方は変えますか

スタッフの前でどう呼ぶかを決めてください。呼び方が揺れると、役割も揺れて見えます。来店された方への紹介の仕方も決めてください。

2店舗目にも置く場合は

決めてよい範囲、金額の上限、報告の項目を揃えてください。片方だけ範囲が広いと、不公平に見えます。給与の差は説明できる形にしてください。

オーナーは何をしますか

離れる時期を決めてください。決めずに置くと、二人で同じ仕事をすることになります。いつまでに何を渡すかを先に決めてください。

任命の前に何を用意しますか

決めてよいこと、確認が要ること、金額の上限、報告の項目と頻度。この4項目を1枚に書いてください。書けないなら、まだ時期ではありません。

出典

本記事は2026年7月時点の一般的な情報の整理です。管理監督者にあたるかの判断や、給与の変更の手続きは、個別の事情によって変わります。判断に迷う場合は、社会保険労務士などの専門家にご確認ください。VANNAの料金・機能・キャンペーン条件は変更される場合があります。