サロンの仕入れを見直す|値上げに応じる前に確認する5つの方法
最終更新: 2026年7月28日
Summary
いつも同じところから言われた価格で買っていませんか。年間購入額の出し方、価格以外で負担を下げる5つの方法、見積もりの取り方、在庫を減らす効果、交渉の進め方を整理します。
材料費が上がっている。しかし、いつも同じところから、同じものを、言われた価格で買っている。この状態を見直すと、利益が変わります。
値上げに応じるしかないと思っていても、条件を確認するだけで下がることがあります。交渉は特別なことではなく、定期的な確認の一部です。

まず何にいくら払っているかを出す
見直しの前に、現状を数字にしてください。
品目ごとの年間の購入額を出します。1回の発注額ではなく、年間の合計です。少額でも頻繁に買うものは、合計すると大きくなります。
仕入先ごとの年間の取引額も出します。分散していると気づかないことがあります。
売上に対する材料費の比率を出します。前年と比べて上がっているなら、原因を探します。
品目ごとの単価の推移を出します。いつから上がったか、いくら上がったかが分かると、交渉の材料になります。
| 出す数字 | 分かること |
|---|---|
| 品目ごとの年間購入額 | どこに費用が集中しているか |
| 仕入先ごとの年間取引額 | 交渉の余地がどこにあるか |
| 材料費の比率 | 全体として上がっているか |
| 単価の推移 | いつ、いくら上がったか |
この表がないまま「高くなった気がする」と話しても、交渉は進みません。数字を示せて初めて、相手も検討できます。
下げる方法は5つある
価格そのものを下げてもらう以外にも、負担を減らす方法があります。
まとめて買う方法です。発注の単位を大きくすると、単価が下がることがあります。ただし、在庫を抱える負担と、使い切れるかを確認してください。
発注の回数を減らす方法です。配送の費用が発注ごとにかかるなら、まとめるだけで下がります。
支払いの条件を変える方法です。前払いや早期の支払いに応じることで、条件が良くなる場合があります。ただし、資金繰りへの影響を確認してください。
同等品に替える方法です。同じ効果が得られる別の製品があるなら、比較してください。ただし、仕上がりに影響するものは慎重に。
仕入先を変える方法です。複数から見積もりを取り、比較します。ただし、価格だけで決めないでください。

これらのうち、在庫と資金繰りに影響しないものから試してください。
見積もりの取り方
複数の仕入先から見積もりを取る際、条件を揃えてください。
同じ品目、同じ数量で依頼します。条件が違うと比較できません。
年間の想定数量を伝えてください。取引の規模が分かると、条件が変わることがあります。
配送の条件を確認してください。送料が別か込みか、最低の発注額があるか。
支払いの条件を確認してください。締め日と支払日、前払いの要否。
納期を確認してください。注文から届くまでの日数。緊急で必要になったときに対応してもらえるか。
見積もりを取ること自体は、失礼にあたりません。定期的に確認するのは通常の商行為です。
価格だけで決めない
安いところに変えれば済む、とは限りません。次を確認してください。
品質が同等かです。安いものに替えて仕上がりが落ちれば、本末転倒です。
供給が安定しているかです。欠品が多い仕入先だと、営業に支障が出ます。
対応の速さです。急ぎの発注に応じてもらえるか、問題が起きたときに連絡が取れるか。
情報が得られるかです。新製品の情報、使い方の助言。価格以外の価値があります。
長い付き合いによる融通です。困ったときに助けてもらった経験があるなら、それも価値です。
すべてを1社に集約する必要はありません。主要な品目は既存の仕入先から、それ以外は条件のよいところから、という使い分けもあります。
材料以外の支出も同じ手順で見る
見直しの対象は材料だけではありません。同じ手順で、他の支出も確認してください。
月額で払っているサービスです。予約システム、会計ソフト、通信、動画や音楽の配信。使っていないものが残っていることがあります。
保険です。加入時から状況が変わっていれば、補償の内容も見直す余地があります。
リースと保守の契約です。契約期間が終わっているのに払い続けているものがないか。
光熱費です。契約している電力の会社やプランを変えられる場合があります。
ポータルサイトの掲載料です。掲載から来る予約の件数を確認し、費用に見合っているかを見てください。
これらは材料と違い、一度見直せば効果が続きます。金額が固定されているぶん、削減の効果も読みやすくなります。
年に1回、支出の一覧を見て、すべての項目に「これは必要か」と問いかけてください。惰性で払っているものが見つかります。
交渉の進め方
値下げを求める場合、伝え方があります。
数字を示してください。「高い」ではなく、「この品目が2年で15%上がっている」と具体的に伝えます。
こちらの状況を伝えてください。取引を増やせる見込みがあるなら、それも材料になります。
代替の存在を示してもよいですが、脅しにしないでください。「他が安いから下げろ」という言い方は関係を損ないます。「比較検討している」程度にとどめてください。
価格以外の条件も交渉の対象です。配送の頻度、支払いの期日、最低の発注額。価格が動かなくても、こちらが動くことがあります。
断られた場合、無理に押さないでください。理由を聞き、次の機会に持ち越します。関係を壊してまで得る額ではないことが多くあります。
使う量そのものを見直す
単価を下げるだけでなく、使う量を減らせないかも確認してください。
1回の施術で使う量を計ってみてください。感覚で出していると、必要以上に使っていることがあります。同じ施術でも、人によって使用量が違うこともあります。
容器や器具を変えると減ることがあります。取り出す量を調整しやすいものにすると、無駄が減ります。
残りを使い切る運用にしてください。少し残った容器を放置して新しいものを開けると、その分が無駄になります。
詰め替えができるものは詰め替えてください。容器ごと買うより安くなる場合があります。
ただし、量を減らすことで仕上がりが落ちるなら本末転倒です。品質を保てる範囲で見直してください。
スタッフがいる場合、使用量の目安を共有してください。「このメニューはこれくらい」という基準があると、ばらつきが減ります。
| 見直す点 | 確認すること |
|---|---|
| 1回の使用量 | 計ってみる。人による差はないか |
| 容器や器具 | 取り出す量を調整しやすいか |
| 残りの扱い | 使い切ってから新しいものを開けているか |
| 詰め替え | 容器ごと買うより安くならないか |
在庫を減らすほうが効くこともある
仕入価格を数%下げるより、在庫を減らすほうが効果が大きい場合があります。
使い切れずに廃棄しているものがないかを確認してください。廃棄した分は、100%の損失です。
期限が近いものを把握してください。先に使う運用にすれば、廃棄が減ります。
過剰に持っている品目を見つけてください。何か月分もあるものは、資金が寝ています。
発注点を決めてください。残りいくつになったら発注するかを決めれば、持ちすぎも切らしも減ります。

在庫は、買った時点で現金が出ていきます。安く買えても、使わなければ意味がありません。
記録がないと交渉できない
見直しの前提は、購入の記録です。
いつ、何を、いくつ、いくらで買ったか。この記録がないと、単価の推移も年間の購入額も出せません。
領収書や納品書を月ごとに保管し、金額を記録してください。会計の記帳と同じ作業で足ります。
品目ごとに集計できる形にしてください。「材料費」でまとめてしまうと、どの品目が上がったかが分かりません。主要な品目だけでも分けてください。
VANNAでは、予約と顧客の記録は残りますが、仕入れや在庫を管理する機能はありません。仕入れの記録は、会計ソフトか表計算ソフトで管理することになります。この点は把握しておいてください。
一方、施術の件数はVANNAの記録から確認できます。何件の施術で、どれだけの材料を使ったか。この対応が分かると、1件あたりの材料費が出せます。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。
料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。
下げた分を何に使うか
削減した費用の使い道を決めておいてください。決めていないと、何となく消えます。
利益として残す選択があります。手元の資金を厚くし、閑散期や急な支出に備えます。
品質に回す選択があります。より良い材料を使う、道具を新しくする。お客様が感じる変化につながります。
自分の学びに使う選択があります。講習、技術の習得。将来の単価につながります。
休みに使う選択もあります。稼働を減らしても同じ利益が残るなら、それは選択肢です。
削減そのものを目的にすると、際限がなくなります。何のために下げるのかを決めてから始めてください。
なお、下げすぎて品質や関係を損なうなら、それは削減ではなく劣化です。仕上がりが落ちれば、お客様が離れます。仕入先との関係が悪くなれば、困ったときに助けてもらえません。
見直しの頻度
毎月やる必要はありません。年に1回か2回で十分です。
決算の時期に合わせると、数字が揃っているため作業が楽になります。
値上げの通知を受けたときも、見直しの機会です。その品目だけでなく、全体を確認してください。
新しいメニューを始めるときも見直します。使う材料が変わるためです。
仕入先の担当者が変わったときも、条件を確認する機会になります。
頻繁に交渉すると、関係が消耗します。年に1回、まとめて確認する形が続けやすくなります。
値上げを受け入れる判断
交渉しても下がらないことがあります。その場合の考え方です。
まず、値上げの幅が自店の利益にどれくらい影響するかを計算してください。年間の購入額に対する上げ幅で見ます。金額が小さければ、交渉に時間をかける価値がないこともあります。
次に、その分を価格に反映できるかを考えてください。材料費の上昇を理由に自店の価格を見直すことは、正当な判断です。
反映しない場合、どこで吸収するかを決めてください。使用量を減らす、他の支出を削る、利益を減らす。どれも取らずに放置すると、気づかないうちに利益が薄くなります。
複数の品目で同時に値上げがあった場合、合計の影響を出してください。1つずつ見ると小さくても、合わせると無視できない額になります。
値上げの通知を受けたら、その内容を記録してください。いつ、どの品目が、いくらからいくらになったか。次の見直しのときの材料になります。
よくある質問
小規模な店でも交渉できますか
できます。取引額が小さくても、条件を確認すること自体は通常のことです。ただし、大量に買う店と同じ条件を求めるのは現実的ではありません。数量以外の条件で交渉する余地を探してください。
仕入先を変えると角が立ちませんか
一部の品目だけを他社に変える形なら、影響は限られます。すべてを一度に変えるのではなく、段階的に進めてください。理由を伝えれば、条件を見直してもらえることもあります。
同等品に替えて問題ありませんか
仕上がりに影響するものは慎重に判断してください。まず少量で試し、違いを確認してから切り替えます。お客様が気づく変化があるなら、事前に説明が必要な場合もあります。
まとめ買いはどこまでしてよいですか
使い切れる範囲にとどめてください。期限があるものは、期限内に使い切れるかで判断します。安く買えても廃棄すれば損失です。
材料費の比率はどれくらいが目安ですか
業態とメニュー構成によって大きく異なります。一律の目安を追うより、自店の前年と比べてください。上がっているなら、単価か使用量のどちらが原因かを確認します。
交渉を断られたらどうしますか
理由を聞いてください。原材料の高騰など、応じられない事情があることもあります。価格以外の条件で交渉できないかを探り、それでも難しければ次の機会に持ち越してください。
使う量を減らすのは有効ですか
有効ですが、仕上がりが落ちるなら本末転倒です。まず1回の使用量を計り、感覚で出していないかを確認してください。人によって差があるなら、目安を共有すると揃います。
材料以外にも見直せますか
月額のサービス、保険、リースと保守、光熱費、ポータルの掲載料。これらは一度見直せば効果が続きます。年に1回、支出の一覧を見て「これは必要か」と問いかけてください。
下げた分はどうすればよいですか
使い道を先に決めてください。利益として残す、品質に回す、学びに使う、休みに使う。決めていないと何となく消えます。削減そのものを目的にすると際限がなくなります。
出典
本記事は2026年7月時点の一般的な情報の整理です。取引条件の交渉や契約の内容については、個別の事情により判断が変わるため、必要に応じて専門家にご確認ください。VANNAの料金・機能・キャンペーン条件は変更される場合があります。



