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美容室(ヘア)運営ガイド

「写真と違う」を防ぐ色見本の使い方|画面の色は合わせられない

公開: 2026年8月4日

Summary

カラーの認識合わせを設計する方法を整理します。写真の色が合わない理由、写真から読み取る3つ、色見本の作り方と見る場所の固定、到達点の示し方、断定を避ける説明、仕上がりの確認、暗い色と白髪染めでの見え方、言葉の定義の揃え方を扱います。

スマートフォンの画面を見せられて、「この色にしてください」と言われました。仕上がりを見て、「写真と違う」と言われました。

写真は、色を伝える道具として不正確です。何を使って合わせるかを、決めておいてください。

写真から読み取る3つと、読み取らないもの
写真から読み取る3つと、読み取らないもの

なぜ写真では合わないか

同じ髪でも、写真の色は撮る条件で変わります。光源、露出、加工。この3つが重なると、実物とは別の色になるためです。

見る側の画面も、一枚ごとに違います。同じ写真を2台で並べると、明るさも色味も違って見えるはずです。お客様の画面とこちらの画面で、すでにずれています。

さらに、写真に写っているのは他人の髪です。その方の元の色、髪質、履歴。土台が違えば、同じ薬剤でも同じ色にはなりません。

だから、写真を「目標の色」として受け取らないでください。受け取るのは、方向と好みです。

写真から何を読み取るか

否定するのではなく、使い方を変えてください。写真は、言葉より多くを伝えます。

読み取るのは3つです。明るさの方向、色味の方向、そして質感の好み。「これくらい明るく」「赤みは避けたい」「つやのある感じ」。ここまで分かれば、十分に役立ちます。

言葉にして、返してください。「明るさはこのくらい、色味は赤みを抑えた方向、ということですね」。ここで、認識が揃うはずです。

写真から読むもの読まないもの
明るさの方向具体的な色の再現
色味の方向(赤み・黄み・青み)画面上の色そのもの
質感の好み到達できるかどうかの判断

色見本を手元に置く

写真の代わりになるのが、実物の色見本です。同じ光の下で、同じものを見ながら話せるためです。

メーカーから提供される見本を使う方法と、自分で染めた毛束を作る方法があります。後者は、自店の薬剤と技術での実際の仕上がりが分かる利点があります。

見本を作るなら、土台を揃えてください。元の明るさが違う毛束を並べると、比較になりません。

見本にも、経年で色が変わるものがあります。定期的に作り直してください。古い見本で説明すると、そこで食い違います。

色見本の作り方と見る場所の固定
色見本の作り方と見る場所の固定

見る場所を決める

同じ見本でも、見る場所で色が変わります。ここを固定してください。

窓際、施術の席、会計の場所。それぞれ光が違います。カウンセリングで見る場所を1か所に決めて、毎回そこで確認します。

仕上がりの確認も、同じ場所で行ってください。カウンセリングは窓際、確認は席の照明では、比べられません。

照明そのものを見直す余地も、あります。色を確認する場所だけ、自然光に近い明かりにする方法です。考え方は、サロンの照明で整理しています。

到達点を先に示す

最も食い違うのが、1回で届くかどうかです。ここを曖昧にしたまま始めると、仕上がりで揉めます。

今の髪の状態から、その方向にどこまで行けるか。これを施術の前に伝えてください。「今日はこのあたりまでです」と、見本を指して示します。

届かない場合は、その理由も伝えます。「暗い色が入っているので、1回では明るくなりません」。理由が分かれば、多くの方は納得されます。

複数回かかるなら、その回数と間隔と料金も先に示してください。合計が見えないまま進むと、後で問題になります。

断定を避ける

説明のときに、結果を約束しないでください。髪の状態によって、仕上がりは変わります。

「この色になります」ではなく、「この方向に近づけます」と伝えてください。写真を指して「これと同じにします」も、避けます。

色の持ちも、同じです。「◯週間保ちます」と言うと、そのとおりにならなかったときに不満になります。目安として伝えてください。

表現の線引きは、美容サロンの効果表現とコンプライアンスで整理しています。

到達点を施術前に見本で示す手順
到達点を施術前に見本で示す手順

仕上がりの確認のしかた

終わってから鏡を見せるだけでは、足りません。ずれていた場合、そこで初めて分かります。

途中で確認する場面を作ってください。薬剤を流した直後、乾かす前。この段階なら、まだ調整の余地があります。

最後の確認では、カウンセリングで使った見本をもう一度出してください。「この方向でしたが、いかがですか」と並べて見ていただきます。言葉だけの確認より、はっきりします。

後ろや内側も、手鏡で見ていただいてください。正面だけを見て帰られた後に、家で気づかれるのが最も困ります。

記録に残す

その日に何を見て、どこを目指したか。これを残さないと、次回に再現できません。

見せられた写真は、記録として残してよいか確認したうえで保存してください。次回に「前と同じで」と言われたときの手がかりになります。

使った見本の番号も、書いてください。「◯番の方向で、実際は◯番の仕上がり」と残せば、次の設計ができます。

記録の残し方は、カラー履歴の記録の残し方で整理しています。

それでも違うと言われたら

事前に揃えても、食い違いは起こります。そのときの対応を、決めておいてください。

まず、どこが違うのかを具体的に聞いてください。「明るさか、色味か、部分的か」。漠然とした不満のまま調整すると、また外れます。

その場で直せるものと、直せないものを分けます。暗くするのはその日でもできますが、明るくするのは負担が大きく、日を改める判断が要ります。

やり直しの基準は、先に決めておいてください。期間と範囲を決めておかないと、その都度の判断になります。考え方は、サロンのやり直しと返金の基準で整理しています。

スタッフがいる場合

見本と手順を、共有してください。人によって説明が違うと、店として一貫しません。

同じ見本を使い、同じ場所で確認する。この2つを決めるだけで、差が減ります。見本の番号での呼び方も、揃えてください。

新人には、到達点を判断する経験がありません。カウンセリングの段階で、責任者が一度見る形にしてください。受けてから「できません」となるほうが、はるかに重くなります。

決めること内容
見本同じものを使う。定期的に作り直す
確認の場所1か所に固定する。仕上がりも同じ場所で
到達点施術前に見本を指して示す
新人の扱いカウンセリングで責任者が一度見る

「暗くしたい」も同じ扱いにする

明るくする話ばかりに目が向きますが、暗くする側にも食い違いは起きます。

暗い色は、写真では特に差が出ません。黒に近い色は、画面上でほとんど同じに見えるためです。「暗めのブラウン」と「黒」の違いが、写真では伝わりません。

見本で確認してください。実物を並べると、明確に違います。ここを飛ばすと、思ったより黒くなったという不満につながります。

暗くした後に明るくするのは、負担が大きくなります。この点も、施術の前に伝えてください。「一度暗くすると、次に明るくするのは時間がかかります」。判断の材料になります。

白髪染めでの見え方

白髪が混ざっている場合、仕上がりの見え方が変わります。同じ薬剤でも、白い髪と黒い髪では入り方が違うためです。

見本は、白髪の混ざった毛束で用意してください。黒い毛束だけの見本で説明すると、実際とずれます。

割合によっても変わるため、その方の状態で説明する必要があります。「生え際は白髪が多いので、そこだけ明るく出ます」と、部分ごとに伝えてください。

明るい色を希望される場合は、白髪の部分が浮くことがあります。この可能性も、先に伝えておいてください。

言葉の定義を揃える

色を表す言葉は、人によって指すものが違います。ここも食い違いの入口になります。

「アッシュ」「ベージュ」「ミルクティー」。こうした呼び名は、店ごとにも人ごとにも幅があります。言葉だけで進めると、双方が別のものを思い浮かべたまま施術に入ります。

だから、言葉が出たら必ず見本に置き換えてください。「アッシュというと、この見本のあたりですか」と確認します。ここで違えば、その場で分かるためです。

流行の呼び名は、とくに注意が要ります。SNSで広まった言葉は定義が定まっておらず、来店される方ごとに指すものが違うためです。

カウンセリングの順番

聞く順番でも、揃い方が変わります。先に色の話から入ると、土台の確認が抜けます。

まず、今の髪の状態を一緒に見てください。前回からの期間、残っている色、傷みの程度。ここを共有してから、希望を聞くことです。

土台を見た後なら、「この状態からだと」という前提で話せるためです。順番を逆にすると、希望を聞いた後で「できません」と伝えることになり、断られた印象だけが残ります。

聞き方の型は、サロンの会話が苦手でも困らないでも整理しています。

VANNAでできること

VANNAでは、顧客の記録に施術の内容やカウンセリングのメモを残せます。前回どの方向を目指したかを来店の履歴と同じ場所で確認できるため、次回の設計に使える形です。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。

一方で色を判定したり、写真から仕上がりを予測したりする機能は、ありません。到達点の判断は、施術者が実物を見て行うことになります。この点は把握しておいてください。

料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。

自店の写真の出し方

同じ問題は、こちらが出す写真にも起こります。ホームページやSNSに載せた色が、実物と違って見える状態です。

加工の度合いを、決めてください。明るさや傾きを整えるところまでは通常の調整ですが、色を大きく変える加工は、来店時の落差になります。

撮る条件も揃えてください。同じ場所、同じ明かり。日によって変わると、並べたときに何が本当の色か分からなくなるためです。

「画面によって色の見え方が異なります」と一言添える方法もあります。書いておくだけで、期待の水準が変わるためです。加工の線引きは、サロンの写真加工はどこまでで整理しています。

予約の段階で伝える

当日のカウンセリングだけでは、時間が足りない場合があります。ただし予約の画面で、先に伝えられることもある。

「ご希望の色の写真をお持ちください」と書いておくことで、その場で探す時間が省けます。あわせて「1回では届かない場合があります」と書けば、期待の水準も揃うはずです。

初めての方には、カウンセリングの時間を長めに取ってください。色の話は、10分では終わりません。

今日やる一つ

いま店にある色見本を、確認してください。何年前のものか、退色していないか。カウンセリングで見る場所が決まっているか。この2つが揃っていないなら、そこが食い違いの原因です。

よくある質問

なぜ写真では色が合わないのですか

光源・露出・加工で写真の色は変わり、見る画面によっても違います。写っているのは他人の髪なので、土台が違えば同じ薬剤でも同じ色になりません。方向と好みを読む道具として使ってください。

写真は見せてもらわないほうがよいですか

見せていただいてください。言葉より多くが伝わります。読み取るのは明るさの方向、色味の方向、質感の好みの3つです。読み取った内容を言葉にして返し、認識を揃えてください。

色見本は何を使いますか

メーカーの見本でも、自分で染めた毛束でも構いません。後者は自店の薬剤と技術での実際が分かります。土台の明るさを揃え、経年で色が変わるため定期的に作り直してください。

確認する場所は決めるべきですか

決めてください。窓際・席・会計の場所で、光が違います。カウンセリングと仕上がりの確認を同じ場所で行わないと、比べられません。

1回で届かない場合はどう伝えますか

施術の前に、見本を指して「今日はこのあたりまでです」と示してください。届かない理由もあわせて伝えます。複数回かかるなら、回数と間隔と料金の合計を先に示してください。

「この色になります」と言ってよいですか

避けてください。「この方向に近づけます」と伝えます。色の持ちも「◯週間保ちます」と言わず、目安として伝えてください。

仕上がりの確認はどうしますか

薬剤を流した直後など、調整の余地がある段階で一度確認してください。最後はカウンセリングで使った見本を並べて見ていただきます。後ろや内側も手鏡で見ていただいてください。

それでも違うと言われたら

明るさか、色味か、部分的か。どこが違うのかを具体的に聞いてください。暗くするのはその日でもできますが、明るくするのは日を改める判断が要ります。やり直しの基準は先に決めておいてください。

暗くする場合も見本は要りますか

必要です。暗い色は写真ではほとんど差が出ません。「暗めのブラウン」と「黒」の違いが伝わらないためです。あわせて、一度暗くすると次に明るくするのは負担が大きいことも伝えてください。

白髪がある場合はどうしますか

白い髪と黒い髪では入り方が違うため、白髪の混ざった毛束で見本を用意してください。割合や部分によって変わるので、「生え際は白髪が多いのでそこだけ明るく出ます」と部分ごとに伝えてください。

「アッシュ」などの言葉はどう扱いますか

言葉が出たら見本に置き換えてください。「アッシュというと、この見本のあたりですか」と確認します。流行の呼び名は定義が定まっておらず、来店される方ごとに指すものが違います。

カウンセリングは何から聞きますか

今の髪の状態を一緒に見ることから始めてください。先に希望を聞くと、後で「できません」と伝えることになり、断られた印象だけが残ります。