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リラク・整体サロン運営ガイド

リラク・整体の問診|答えてはいけない問いを、先に決めておく

公開: 2026年8月5日

Summary

無資格業態の問診を設計します。答えてよい問いと診断にあたる問いの区別、聞く項目を4つに絞る基準、薬の名前を聞かない理由、通院中の方への対応、妊娠中の方への掲示の書き方、見立てを書かない記録、集めた情報の守り方、予約段階での前倒しを扱います。

「腰のヘルニアなんですが、大丈夫ですか」と聞かれました。答えようとして、言葉に詰まりました。

この問いに答えられないのは、準備不足ではありません。答えてはいけない問いだからです。ただし、何も言えないわけでもないので、線を引いておく必要があります。

答えてよい問いと、そうでない問い
答えてよい問いと、そうでない問い

答えてよい問いと、そうでない問い

まず、この区別を先に持っておいてください。ここが曖昧なまま問診票を作ると、聞くこと自体が危険になります。

答えてよいのは、店で何をするかについての問いです。どこに触れるか、どのくらいの強さか、どのくらいの時間か。これらは、こちらが決めていることなので答えられます。

答えてはいけないのは、体の状態についての判断です。「その症状なら大丈夫です」「それは施術で良くなります」。これらは診断や治療の領域に入るため、こちらの立場では言えません。

そして、答えられるかどうかは、相手の聞き方では決まりません。「軽い気持ちで聞いただけ」と言われても、答える側の線は動かないと考えてください。この前提は、「整骨院と何が違うのか」への答え方とも共通しています。

問い答えてよいか
どこに触れますかよい(店が決めていること)
その症状でも受けられますか部分的に。受けるかどうかは答えるが、症状の判断はしない
施術で良くなりますかいけない(治療の領域)
病院に行くべきですかいけない。ただし受診を勧めることはできる

何を聞くか

聞く項目は、多ければよいわけではありません。使わない情報を集めても、扱いに困るだけです。

聞くのは、施術の内容が変わる項目に絞ってください。具体的には、いま痛みや不調がある部位、通院しているかどうか、避けたい部位、過去に施術で具合が悪くなったことがあるか。この4つが軸になります。

判断の基準は単純で、答えを聞いても施術の内容が変わらないなら、その項目は要りません。年齢や職業は、聞けば会話の材料にはなりますが、施術を変える根拠にはならない場面が多くあります。集めた情報は保管する責任も生じるため、使わないものは持たないほうが安全です。

飲んでいる薬については、名前を聞き出す必要はありません。名前を聞いてもこちらでは判断できないためで、聞けば「調べて答えられる」と思われる可能性まで生じます。「服薬中かどうか」と「主治医から運動や施術について言われていることがあるか」を確認すれば足ります。

この聞き方には、もう一つ利点があります。主治医の指示という形で返ってくるため、こちらが判断せずに方針を決められます。「激しい運動は控えるように言われている」と分かれば、それに沿って内容を決めればよいことになります。

妊娠中かどうかも、確認する項目に入ります。ただし、ここでも判断はしません。確認したうえで、主治医に相談していただく形になります。

聞き方を決める

同じ内容でも、聞き方によって答えやすさが変わります。ここは書き方の問題です。

紙で書いていただくなら、選ぶ形にしてください。自由に書く欄だけだと、多くの方が空欄のまま出されます。該当するものに印を付ける形なら、負担が小さくて済みます。

口頭で聞くなら、場所を選んでください。他の方に聞こえる場所で体の話を聞かれるのは、負担になります。声の大きさも含めて、配慮の考え方は男性セラピストと女性のお客様への配慮で整理しています。

そして、答えたくない項目があってよいことを伝えてください。「答えられる範囲で構いません」と一言添えるだけで、全体の回答率はかえって上がります。強く求めるほど、書かれない項目が増えます。

なお、書いていただいた内容を、その場で読み上げないでください。確認のつもりでも、周囲に聞こえることがあります。目で確認し、必要な部分だけを小さな声で尋ねる形にしてください。

聞く4項目と、聞かないこと
聞く4項目と、聞かないこと

通院中の方への対応

ここが、この業態でとくに判断が要る場面です。基準を先に決めておいてください。

通院中だと分かった場合、主治医の見解を確認していただくのが基本になります。「かかりつけの先生に、こういう施術を受けてよいか聞いていただけますか」で足ります。

このとき、こちらの施術内容を具体的に伝えられる形にしておくと、確認がスムーズになります。何をするかを1枚の紙にしておけば、それを持って行っていただけます。

一方、確認が取れるまで施術しない、という判断もあります。断ることになりますが、後で問題が起きるより小さい損失です。断り方の考え方は、施術範囲の線引きで整理しています。

なお、「主治医が反対しているが受けたい」と言われた場合は、受けないでください。ここで応じると、判断の責任がこちらに移ります。

妊娠中の方への対応

問い合わせの多い項目なので、扱いを決めておいてください。ここも、判断はしないという前提は同じです。

こちらが答えられるのは、店で何をするかまでです。どの体勢で行うか、どの部位に触れるか、香りを使うかどうか。これらは説明できます。

受けてよいかどうかは、主治医に確認していただいてください。時期や状態によって答えが変わるため、こちらでは判断できません。

そして、「妊娠中の方はお断りします」という掲示は勧めません。実際には受けられる場合もあり、一律に断ると、必要な確認をせずに済ませることにもなります。「主治医にご確認のうえ、ご相談ください」という形のほうが実態に合います。

記録の残し方

聞いた内容は、必ず残してください。ただし、残し方に注意が要ります。

書くのは、聞いた事実と、それを受けて何をしたかです。「腰に痛みの申告あり。腰部は避け、肩と背中のみ実施」。この形なら、後から読んでも動きが分かりますし、別の人が担当しても同じ判断ができます。

日付も必ず入れてください。いつの申告かが分からないと、いま有効な情報かどうかを判断できません。半年前の「通院中」と、先週の「通院中」では意味が違います。

書いてはいけないのは、こちらの見立てです。「おそらくヘルニアの影響」といった記述は、判断したことになります。事実と対応だけを残してください。

そして、次回にも見てください。前回の申告を確認せずに始めると、聞いた意味がなくなります。記録の扱いは、アレルギーと既往の記録でも整理しています。

記録に書くことと、書かないこと
記録に書くことと、書かないこと

予約の段階で伝える

来店してから断ることになると、双方に負担が残ります。ここは前倒しできます。

予約のページに、確認する項目を書いておいてください。「ご予約時に、通院の有無をお伺いします」と示せば、その時点で判断していただけます。

通院中の方には、事前に相談していただく形にすると、当日の混乱が減ります。電話やメッセージで先に確認できれば、来ていただく前に方針が決まります。

そして、断る可能性があることも書いておいてください。当日になって初めて伝えると、来た時間が無駄になりますし、その場の空気で受けてしまう方向にも傾きます。

書き方は、強くしすぎないでください。「ご状態によっては、施術をお受けできない場合があります」で足ります。理由まで並べると、身構えさせることになります。

集めた情報を守る

聞いた以上、その内容を守る責任が生じます。ここを設計から外さないでください。

紙で保管するなら、鍵のかかる場所に入れてください。受付の下に積んだままだと、他の方の目に触れます。

電子で持つなら、誰が見られるかを決めてください。スタッフ全員が全員分を見られる必要は、ありません。

そして、いつまで持つかも決めてください。来なくなった方の記録を何年も持ち続けると、守る対象だけが増えます。項目の決め方は、開業前に決めておく顧客台帳の項目設計で整理しています。

途中で状態が変わったら

問診は、最初の一度で終わりではありません。ここを見落とすと、記録が実態と合わなくなります。

久しぶりの方には、変わったことがないかを確認してください。半年空けば、状態は変わっています。

施術中に、痛みや違和感を訴えられた場合も同じです。その場で止め、続けるかどうかを確認してください。続けるほうが失礼にならない、という判断はしないでください。

変わった内容は、その日の記録に追記します。次回はそこから始められます。

スタッフがいる場合

聞く内容と聞き方を揃えてください。人によって違うと、抜けが生じます。

紙にして、全員が同じ順で聞く形にしてください。順番まで決めておくと、慣れていない人でも飛ばしません。

そして、答えてはいけない問いを共有してください。ここが最も危険な部分です。良かれと思って「その症状なら大丈夫ですよ」と言ってしまう場面は、実際に起こります。

判断に迷ったら責任者に確認する、という決まりも作ってください。その場で判断させないことが、本人を守ることにもなります。

決めること内容
聞く項目不調の部位/通院の有無/避けたい部位/過去の不調
名前は聞かない。服薬中かと主治医の指示の有無
通院中主治医の見解を確認していただく
妊娠中判断しない。主治医に確認していただく
記録聞いた事実と、それを受けて何をしたか

VANNAでできること

VANNAでは、顧客の記録に問診の内容と、その日にどう対応したかをメモとして残せます。来店の履歴と同じ場所に置けるため、次回に前回の申告を確認できます。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。

一方で、問診票そのものを電子化する機能や、内容から可否を判定する機能はありません。判断は店で行い、記録として残す形になります。この点は把握しておいてください。

料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。

断ることを恐れない

問診の目的は、受けていただくことではありません。受けてよいかを確かめることです。

断ると、その日の売上は減ります。ただし、無理に受けて何かが起きた場合、失うものはそれよりはるかに大きくなります。

そして、断られた方が離れるとは限りません。きちんと説明されたという経験は、信用として残ります。実際、確認が丁寧だったという理由で選ばれる場面もあります。

断る基準を先に決めておけば、その場で悩まずに済みます。悩むほど、受けてしまう方向に傾きます。

今日やる一つ

いま使っている問診票を見てください。そして、そこに書かれている項目のうち、答えを見ても施術の内容が変わらないものに印を付けてください。その項目は、外す候補です。

よくある質問

「この症状でも大丈夫ですか」と聞かれたら

症状についての判断はしないでください。答えられるのは、店で何をするかまでです。受けるかどうかは答えられますが、その症状が施術で良くなるかどうかは、こちらの立場では言えません。

何を聞きますか

施術の内容が変わる項目に絞ります。いま不調がある部位、通院しているか、避けたい部位、過去に施術で具合が悪くなったことがあるか。この4つが軸です。

薬の名前は聞きますか

聞く必要はありません。名前を聞いてもこちらでは判断できないためです。「服薬中かどうか」と「主治医から施術について言われていることがあるか」を確認すれば足ります。

通院中の方はどうしますか

主治医の見解を確認していただくのが基本です。施術内容を1枚の紙にしておくと、それを持って行っていただけます。「主治医が反対しているが受けたい」と言われた場合は、受けないでください。

妊娠中の方への掲示は

「妊娠中の方はお断りします」という掲示は勧めません。実際には受けられる場合もあり、一律に断ると必要な確認をせずに済ませることにもなります。「主治医にご確認のうえ、ご相談ください」という形が実態に合います。

記録には何を書きますか

聞いた事実と、それを受けて何をしたかです。「腰に痛みの申告あり。腰部は避け、肩と背中のみ実施」の形にしてください。「おそらくヘルニアの影響」といった見立ては書かないでください。

毎回聞き直しますか

久しぶりの方には、変わったことがないかを確認してください。半年空けば状態は変わっています。施術中に違和感を訴えられた場合も、その場で止めて確認してください。

問診票は紙と電子のどちらがよいですか

どちらでも構いませんが、次回に確認できる形になっているかが要点です。紙なら顧客ごとにまとめ、電子なら来店の履歴と同じ場所に置いてください。探さないと出てこない形だと、確認そのものが省かれます。

聞いた内容はどう守りますか

紙なら鍵のかかる場所に、電子なら誰が見られるかを決めて保管してください。スタッフ全員が全員分を見られる必要はありません。いつまで持つかも決めてください。持ち続けるほど、守る対象だけが増えます。

断ると客が減りませんか

断られた方が離れるとは限りません。きちんと説明されたという経験は信用として残りますし、確認が丁寧だったという理由で選ばれる場面もあります。基準を先に決めておけば、その場で悩まずに済みます。