サロンのハラスメント対策|小規模でも相談窓口は必要
最終更新: 2026年7月29日
Summary
サロンで求められるハラスメント防止の体制を整理します。規模にかかわらず対象になること、四つの措置、サロンで起きやすい場面と指導との境目、顧客からの行為への対応基準、方針を1枚にする方法、相談を受けたときの手順と記録を扱います。
「うちは3人だから関係ない」と考えていませんか。事業所の規模にかかわらず、雇っているなら求められる対応があります。
起きてから整えるものではありません。起きる前に、方針と窓口を用意しておくものです。

小規模でも対象になる
まず、この前提を確認してください。
職場でのいやがらせを防ぐための措置は、事業主に求められています。
規模の小さい事業所も、対象に含まれます。
雇っている人が一人でも、対象です。
「うちは家族的だから」は、理由になりません。
具体的な内容は、厚生労働省 職場におけるハラスメントの防止で公開されています。
求められる措置
大きく四つです。
方針を明確にして、周知すること。
相談に応じる体制を整えること。
起きた場合に、迅速かつ適切に対応すること。
相談したことを理由に、不利益な扱いをしないこと。
これらを、書面と運用の両方で用意してください。
| 措置 | 具体的にすること |
|---|---|
| 方針の明確化 | 何が該当するか、しないと決める |
| 周知 | 書いて配る。掲示する |
| 相談の体制 | 窓口を決めて、名前を伝える |
| 対応 | 事実の確認と、措置の手順 |
| 不利益の禁止 | 相談者を不利に扱わない |

該当する行為を書き出す
抽象的にしないでください。
身体的な攻撃。精神的な攻撃。
人間関係からの切り離し。
過大な要求。過小な要求。
私的なことへの過度な立ち入り。
性的な言動。妊娠や出産に関する言動。
これらを、具体例とともに書いてください。
サロンで起きやすい場面
業種に即して考えてください。
技術の指導が、人格の否定になっている場合。
練習に長時間つき合わせている場合。
来店された方の前で、強く叱責する場合。
私生活や交際について、繰り返し聞く場合。
外見や体型について、言及する場合。
これらは、指導のつもりでも該当する場合があります。
指導と、いやがらせの境目
判断が必要な部分です。
業務上必要で、相当な範囲なら、指導です。
必要性を超えた場合、いやがらせになります。
人格を否定する言葉は、業務上の必要がありません。
他の人の前で長時間叱ることも、必要性を超えます。
迷う場合、内容ではなく方法を見直してください。
顧客からの行為も対象になる
見落とされます。
来店された方から、スタッフへの行為が起きる場合があります。
暴言、しつこい要求、身体への接触。
これらから、スタッフを守る責任があります。
「お客様だから我慢して」と言わないでください。
対応の基準を、先に決めてください。
顧客への対応の基準
線を引いてください。
どの言動があったら、施術を中止するか。
どの場合に、次回以降の来店をお断りするか。
誰が判断して、誰が伝えるか。
スタッフに判断させないでください。店主が対応してください。
基準を決めていないと、その場で我慢させることになります。
方針を1枚にする
長い文書にしないでください。
該当する行為。
してはいけないこと。
相談の窓口と、連絡の方法。
相談しても不利益な扱いをしないこと。
これらを1枚にまとめて、全員に配ってください。
休憩の場所に掲示する形も、有効です。
相談の窓口を決める
名前を出してください。
「困ったら言ってください」では、機能しません。
誰に、どうやって言うかを、具体的に決めてください。
店主が窓口になる場合、店主が当事者のときに機能しません。
外部の相談先も、あわせて案内してください。
各地に、労働に関する相談の窓口があります。
外部の相談先を案内する
内部だけでは足りません。
都道府県の労働局に、相談の窓口があります。
そこの連絡先を、方針の紙に書いてください。
内部で言えない内容が、必ずあります。
案内すること自体が、方針を示すことになります。

相談を受けたときの手順
決めておいてください。
まず、話を最後まで聞いてください。
その場で判断や評価をしないでください。
聞いた内容を、記録してください。日時、内容、本人の希望。
本人の同意なく、相手に伝えないでください。
対応の方針を、本人に伝えてから進めてください。
事実の確認をする
一方の話だけで判断しないでください。
相手の話も、聞いてください。
その際、誰が相談したかを推測されないよう配慮してください。
他に見ていた人がいれば、その人にも聞いてください。
記録を残してください。
相談者を守る
これが最も重要です。
相談したことを理由に、シフトを減らす、評価を下げる。
これらは、してはいけません。
周囲に相談の事実を漏らすことも、してはいけません。
守られないと分かれば、次から誰も相談しません。
対応の内容を決める
段階があります。
注意と指導。
配置の変更。
処分。
内容に応じて、決めてください。
処分を行う場合、就業に関する規則に定めが必要です。
判断に迷う場合、社会保険労務士に相談してください。
記録を残す
後から必要になります。
相談の日時、内容、対応、結果。
これらを記録して、保管してください。
保管する場所を、限定してください。
誰でも見られる場所に置かないでください。
スタッフ同士の間で起きた場合
上下関係がなくても起きます。
同僚の間でも、いやがらせは成立します。
「若い者同士のことだから」と放置しないでください。
店主が知った時点で、対応する責任が生じます。
どちらが正しいかの判断より、まず行為を止めてください。
関係の悪化への対処は、スタッフ同士の関係が悪くなったときで整理しています。
業務委託の相手にも配慮する
雇用でなくても、必要です。
面貸しや業務委託で働く方がいる場合があります。
法令上の措置の対象が異なる場合でも、同じ場所で働いています。
方針を共有して、同じ基準で扱ってください。
区別すると、その区別自体が問題になります。
研修を行う
年に一度で足ります。
方針の紙を配って読み合わせる。この程度で構いません。
30分で終わります。
新しく入った人には、入った時点で伝えてください。
行った日と、参加者を記録してください。
起きないための日常
制度だけでは防げません。
強い言葉が日常になっていないかを、見てください。
一人だけが指導を受け続けている状態がないか。
休憩が取れているか。
疲れている職場ほど、起きやすくなります。
休憩の取り方は、サロンの休憩と食事で整理しています。
就業に関する規則との関係
定めが必要な場合があります。
処分を行うには、規則に根拠が必要です。
一定の人数を雇っている場合、規則の作成と届出が求められます。
人数が少ない場合も、作っておくと判断の根拠になります。
労働時間の管理は、サロンの労働時間と休暇の管理で整理しています。
起きてしまった場合の影響
軽く見ないでください。
退職につながります。
他のスタッフの離職にも、つながります。
外部に相談された場合、調査が入る可能性があります。
損害の賠償を求められる場合もあります。
対応の遅れが、影響を大きくします。
VANNAでできること
VANNAでは、管理画面の利用者ごとに権限を分けられ、誰がどの情報を見られるかを設定できます。方針の周知や記録の管理そのものは扱いませんが、業務の記録を店側に残す土台として使えます。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。
相談の窓口を提供したり、方針の書面を作成したり、労務の相談に応じたりする機能はありません。体制の整備は、別に行うことになります。この点は把握しておいてください。
料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。
今週できる三つ
これだけで、体制の形ができます。
方針を1枚にまとめて、全員に配る。
相談の窓口を決めて、名前を伝える。
外部の相談先の連絡先を、紙に書いて掲示する。
いずれも、1時間かかりません。
よくある質問
小さな店でも対象ですか
対象です。職場でのいやがらせを防ぐ措置は、規模にかかわらず事業主に求められます。雇っている人が一人でも対象です。
何をすればよいですか
方針を明確にして周知する、相談の体制を整える、起きた場合に迅速に対応する、相談者を不利に扱わない。この四つです。
該当する行為とは
身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大や過小な要求、私的なことへの過度な立ち入り、性的な言動などです。
サロンで起きやすい場面は
技術の指導が人格の否定になる、練習に長時間つき合わせる、来店された方の前で強く叱責する、私生活について繰り返し聞く。指導のつもりでも該当する場合があります。
指導との境目は
業務上必要で相当な範囲なら指導です。人格を否定する言葉は業務上の必要がありません。迷う場合、内容ではなく方法を見直してください。
顧客からの行為も対象ですか
対象になります。暴言、しつこい要求、身体への接触。「お客様だから我慢して」と言わないでください。対応の基準を先に決めてください。
顧客への対応は誰が判断しますか
店主です。スタッフに判断させないでください。どの言動で施術を中止するか、どの場合に来店をお断りするかを、先に決めてください。
方針はどう作りますか
長い文書にしないでください。該当する行為、してはいけないこと、相談の窓口、不利益な扱いをしないこと。1枚にまとめて全員に配ってください。
相談の窓口は
名前を出してください。「困ったら言ってください」では機能しません。店主が当事者のときに備えて、外部の相談先も案内してください。
外部の相談先は
都道府県の労働局に窓口があります。連絡先を方針の紙に書いてください。案内すること自体が、方針を示すことになります。
相談を受けたら何をしますか
まず最後まで聞いてください。その場で判断や評価をしないでください。日時、内容、本人の希望を記録し、同意なく相手に伝えないでください。
事実の確認はどうしますか
相手の話も聞いてください。その際、誰が相談したかを推測されないよう配慮してください。他に見ていた人がいれば、その人にも聞いてください。
相談者はどう守りますか
相談を理由にシフトを減らす、評価を下げることはできません。周囲に事実を漏らすこともできません。守られないと、次から誰も相談しません。
対応の内容は
注意と指導、配置の変更、処分。内容に応じて決めてください。処分には、就業に関する規則の定めが必要です。
記録は残しますか
相談の日時、内容、対応、結果。保管する場所を限定し、誰でも見られる場所に置かないでください。
スタッフ同士の場合は
上下関係がなくても成立します。「若い者同士のことだから」と放置しないでください。店主が知った時点で、対応する責任が生じます。
業務委託の相手は
同じ場所で働いています。方針を共有して、同じ基準で扱ってください。区別すると、その区別自体が問題になります。
研修は必要ですか
年に一度、方針の紙を配って読み合わせる程度で構いません。30分で終わります。新しく入った人には、入った時点で伝えてください。
制度だけで防げますか
防げません。強い言葉が日常になっていないか、一人だけが指導を受け続けていないか、休憩が取れているか。疲れている職場ほど起きやすくなります。
就業に関する規則は要りますか
処分を行うには根拠が必要です。一定の人数を雇っている場合、作成と届出が求められます。人数が少なくても、判断の根拠になります。
起きるとどうなりますか
退職につながり、他のスタッフの離職にもつながります。外部に相談された場合、調査が入る可能性があります。対応の遅れが影響を大きくします。
今週は何をすればよいですか
方針を1枚にまとめて配る、相談の窓口を決めて名前を伝える、外部の相談先を掲示する。1時間かかりません。
出典
本記事は2026年7月時点の一般的な情報の整理です。求められる措置の内容や、就業規則の要否は、事業所の状況によって変わります。個別の判断は、社会保険労務士や労働局の窓口にご相談ください。VANNAの料金・機能・キャンペーン条件は変更される場合があります。



