「サイトは弊社のものです」と言われた|所有をめぐる争い
公開: 2026年7月29日最終更新: 2026年8月1日
Summary
サロンのホームページを別の会社に移そうとして所有権を主張された場合の対処を整理します。制作費を払っても権利が移らない理由、データ・著作権・素材・ドメインの層ごとの扱い、「譲渡」と「許諾」の違い、移せない場合の判断、文章と写真だけを引き継ぐ方法を扱います。
別の会社に移そうとしたら、「サイトは弊社の所有物です」と言われました。制作費は全額払っています。それでも渡せないと言われました。
サイトが誰のものかは、契約の書き方で決まります。払った金額とは、別の話です。

払ったから自分のもの、ではない
まず、この誤解を解いてください。制作費を払っても、権利が移るとは限りません。著作権は作った側に残るのが原則で、移すには契約でその旨を定める必要があります。書かれていなければ、権利は制作側に残ります。
三つの層に分けて考える
整理には、三つに分けるのが有効です。サイトのデータそのもの。その中で使われている素材。ドメインとサーバーの契約。この三つは、権利の持ち主も移し方もそれぞれ異なります。
| 対象 | 通常の扱い |
|---|---|
| サイトのデータ | 契約による |
| 著作権 | 定めがなければ制作側 |
| 写真・素材 | 提供元の条件による |
| ドメイン・サーバー | 契約者のもの |

契約書を確認する
判断の起点は、契約書です。「著作権は甲に譲渡する」といった条項があるか、「納品物の所有権は」という記載があるかを見てください。これらがない場合、権利は制作側に残っている可能性があります。
「使用を許諾する」の意味
区別が必要な表現です。「使用を許諾する」は、譲渡ではありません。使う権利を認められているだけなので、改変や他社への引き継ぎに制限がかかる場合があります。
譲渡と許諾を見分ける
言葉に、注意してください。「譲渡」「移転」なら権利が移り、「許諾」「使用を認める」なら権利は制作側に残ります。契約書のその一語で、扱いが変わってしまいます。
それでもデータは渡してもらえる
著作権と、データの引き渡しは別の話です。契約に「納品物」として定められていれば、著作権が移っていなくても渡してもらえます。まず、納品の範囲を確認してください。
ドメインは契約者のもの
ここは、明確です。ドメインは、契約している人のものになります。自分の名義で契約していれば自分のものですが、制作側の名義なら移す手続きが必要になります。
サーバーも同じ
サーバーも、自分の名義で契約していれば自分が管理できます。制作側がまとめて契約している場合はそちらの管理下にあるため、解約されるとサイトが消えます。
独自の仕組みの場合
最も動かしにくいのが、この形です。その会社だけの仕組みで作られていると、データを渡されても他社では動かないため、実質的に移せないことになります。

移せないと分かった場合
移せないなら、作り直すことになります。その費用と、いまのまま続ける費用を比べてください。長く縛られるより、作り直すほうが結果として安く済む場合もあります。
文章と写真は移せる
救いのある部分です。サイトの仕組みが移せなくても、中身は使えます。自分で書いた文章や自分で撮った写真は自分のものなので、新しいサイトでそのまま使えます。
撮ってもらった写真の扱い
制作側が撮影した写真は、その方に権利があります。契約に定めがなければ他所では使えないため、その場合は撮り直しになります。
素材の写真は使えない
有料の素材を使っている場合、その利用の権利は制作側にあります。契約が終わると使えなくなるので、差し替えが必要になります。
交渉の余地を探る
交渉の結果、「移すための費用」を提示される場合があります。その金額が妥当で作り直すより安いなら、払って移すという判断もあります。
部分的に引き継ぐ
すべてを引き継ぐ必要は、ありません。文章と写真だけを持ち出して、新しく作り直す。この形が、揉めずに進められる方法です。
顧客の情報は別
最も重要な確認が、これです。問い合わせや予約で集めた顧客の情報は、店のものになります。必ず渡してもらい、渡せないと言われたらその根拠を確認してください。
検索の評価は移せない
サイトを作り直すと、検索の評価は下がります。ドメインを引き継げれば影響は小さくなりますが、ドメインも移せない場合は一から積み上げ直すことになります。
月額の中に制作費が含まれる場合
制作費を月額に分けて払う形では、払い終わるまで権利が移らない定めがあることもあります。途中で解約すると、残りを請求される場合もあるでしょう。契約の形を、確認してください。
「無料で作ります」の仕組み
制作費が無料で月額だけを払う形は、注意が必要です。この場合、サイトは提供元のものであることが多く、解約すると消えてしまいます。安さの理由が、ここにあります。
更新を頼み続ける構造
自分で更新できない形で作られている場合も、あります。変更のたびに費用が発生し、やめれば更新が止まってしまいます。
管理画面に入れるか
自分で管理画面に入れるかを、確認してください。入れないなら、実質的に自分のものではありません。入る手段を、求めてください。
入る情報を渡してもらう
具体的には、管理画面に入るための情報と、サーバーに入るための情報になります。これらを渡してもらい、渡せない場合はその理由を聞いてください。
公開されている内容を保存する
いまできることも、あります。サイトのデータが渡されなくても、公開されている内容は見えるためです。文章を書き写し、写真を保存してください。自分が用意した素材なら、そのまま使えます。
次からの備え
同じことを繰り返さないために、契約の時点で権利の帰属を明記してもらう、ドメインとサーバーを自分の名義で契約する、独自の仕組みかどうかを確認する。進め方は、ホームページの制作を依頼する契約で整理しています。
解約の通知を先に出さない
ここは、順番が大事です。移せるかを確認する前に、解約を伝えないでください。解約を伝えた後で、対応が変わる場合があります。先に、渡してもらえるものを確認してください。
移行の準備を先に終える
新しいサイトを、公開せずに作っておいてください。準備が終わってから、切り替えます。その間も、いまのサイトは動いたままにできます。
切り替えの日を決める
新しいサイトが完成したら、切り替える日を決めてください。その日に、案内先を変更します。古いサイトから新しいサイトへ案内を出せるかも、確認しておいてください。
メールアドレスの扱い
ドメインを使ったメールアドレスがある場合、その扱いも確認してください。ドメインが移せなければアドレスも使えなくなるため、顧客への案内が必要になります。
感情的な対立にしない
「払ったのに渡さないのはおかしい」という気持ちは当然ですが、それを相手にぶつけても状況は動きません。権利の帰属は契約で決まっており、相手が意地悪をしているわけではない場合がほとんどです。争点を「約束を守ったかどうか」ではなく、「契約に何が書かれているか」に置いてください。事実の確認から入るほうが、結果として渡してもらえる範囲は広がります。
争う費用と作り直す費用を比べる
権利を巡って争うには、時間も費用もかかります。専門家に依頼すれば数十万円になることもあります。一方、サイトを作り直す費用は、内容によってはそれより安く済みます。数字を並べて比べてください。「正しさ」を通すことと、店にとって得なことは、必ずしも一致しません。
自分で持てる形を選ぶ
サイトを自分の契約として持てる形も、あります。その場合、制作を頼んでも所有の問題が起きません。選択の時点で、この点を考えておいてください。
VANNAでできること
VANNAでは、サイトと予約の受け口を店の契約として持ちます。制作を委託した相手との間で、所有の問題が起きません。顧客の記録もCSV形式で取り出せます。カレンダー予約はMaxプランの機能で、来店前のメールリマインドは全プランで使えます。
他社が制作したサイトのデータを取得したり、権利の帰属を判定したりする機能はありません。交渉は、別に行うことになります。この点は把握しておいてください。
料金はPro月額3,300円、Max月額5,500円、Max+月額11,000円で、いずれも税込です。初期費用は0円、予約や販売に対するVANNA側の手数料も0円です。現在はプレオープン期間として、2026年7月31日までの申し込みで2か月無料、以降の申し込みは1か月無料です。条件は変更される場合があるため、最新の内容はVANNA公式 料金でご確認ください。
今日やる一つ
制作の契約書を、取り出してください。「著作権」と「納品物」という言葉を探すと、そこに答えが書かれています。
よくある質問
制作費を払えば自分のものですか
払っても、権利が移るとは限りません。著作権は作った側に残るのが原則で、移すには契約で定める必要があります。
何を分けて考えますか
サイトのデータ、使われている素材、ドメインとサーバーの契約。この三つは、それぞれ扱いが異なります。
契約書のどこを見ますか
「著作権は譲渡する」「納品物の所有権は」といった記載です。ない場合、権利は制作側に残っている可能性があります。
「使用を許諾する」とは
譲渡ではありません。使う権利を認められているだけで、改変や他社への引き継ぎに制限がかかる場合があります。
譲渡と許諾はどう見分けますか
「譲渡」「移転」なら権利が移り、「許諾」「使用を認める」なら残ります。その一語で扱いが変わります。
権利がなくてもデータはもらえますか
契約に「納品物」として定められていれば、渡してもらえます。まず、納品の範囲を確認してください。
ドメインは誰のものですか
契約している人のものです。自分の名義なら自分のもの、制作側の名義なら移す手続きが必要になります。
サーバーは
自分の名義なら自分が管理できます。制作側がまとめて契約している場合、解約されるとサイトが消えます。
独自の仕組みの場合は
データを渡されても、他社では動きません。この場合、実質的に移せません。
移せない場合は
作り直すことになります。その費用と、続ける費用を比べてください。長く縛られるより、安い場合があります。
中身は使えますか
自分で書いた文章と、自分で撮った写真は自分のものです。新しいサイトで使えます。
撮ってもらった写真は
制作側に権利があります。契約に定めがなければ、他所では使えず、撮り直しになります。
素材の写真は
有料の素材の利用の権利は制作側にあります。契約が終わると使えなくなり、差し替えが必要になります。
費用を払えば移せますか
「移すための費用」を提示される場合があります。作り直すより安いなら、選択肢になります。
全部引き継ぐ必要はありますか
ありません。文章と写真だけを持ち出し、新しく作り直す。この形が、最も進めやすい形です。
顧客の情報はどうなりますか
店のものです。必ず渡してもらってください。渡せないと言われた場合、その根拠を確認してください。
検索の評価は残りますか
作り直すと下がります。ドメインを引き継げれば影響は小さくなりますが、移せない場合は一から積み上げることになります。
月額に制作費が含まれています
払い終わるまで権利が移らない定めがある場合があります。途中で解約すると、残りを請求される場合もあります。
「無料で作ります」は
サイトが提供元のものであることが多くあります。解約すると消えます。安さの理由が、ここにあります。
更新を毎回頼んでいます
自分で更新できない形だと、変更のたびに費用が発生し、やめると更新が止まります。
管理画面に入れますか
入れない場合、実質的に自分のものではありません。入る手段を求めてください。
何を渡してもらいますか
管理画面に入るための情報と、サーバーに入るための情報です。渡せない理由を聞いてください。
いま何ができますか
公開されている内容は見えます。文章を書き写し、写真を保存してください。自分が用意した素材なら使えます。
次からどう備えますか
契約の時点で権利の帰属を明記してもらう、ドメインとサーバーを自分の名義で契約する、独自の仕組みかを確認する。
解約はいつ伝えますか
移せるかを確認する前に伝えないでください。解約を伝えた後、対応が変わる場合があります。
移行はどう進めますか
新しいサイトを公開せずに作っておき、準備が終わってから切り替えてください。その間、いまのサイトは動いたままです。
切り替えの日は
完成したら決めてください。古いサイトから新しいサイトへ、案内を出せるかも確認してください。
メールアドレスはどうなりますか
ドメインが移せない場合、アドレスも使えなくなります。顧客への案内が必要になります。
所有の問題を避ける方法は
サイトを自分の契約として持てる形があります。その場合、制作を頼んでも所有の問題が起きません。
相手に強く言うべきですか
権利の帰属は契約で決まっており、意地悪をしているわけではない場合がほとんどです。「契約に何が書かれているか」に争点を置くほうが、渡してもらえる範囲は広がります。
争うべきか、作り直すべきか
争うには時間も費用もかかります。作り直す費用と数字で比べてください。「正しさ」を通すことと、店にとって得なことは一致しないことがあります。
今日は何をしますか
制作の契約書を取り出し、「著作権」と「納品物」という言葉を探してください。そこに、答えが書かれています。
出典
本記事は2026年7月時点の一般的な情報の整理です。権利の帰属と納品の範囲は、個別の契約書によって決まります。判断に迷う場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。VANNAの料金・機能・キャンペーン条件は変更される場合があります。



